保護活動マニュアル

STEP1| 犬の保護について

STEP1| 猫の保護について

野良犬・野良猫を保護する際の注意点

この記事は 犬 猫 に当てはまる内容です

野良犬や野良猫を見つけたときや保護の依頼が入った際は、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。確認すべきポイントや捕獲の仕方を紹介します。

野良犬を見かけたら取るべき行動

野外を放浪している犬を発見したら「迷い犬」「野良犬」「野犬(ヤケン、ノイヌとも呼ぶ)」の3つに分類されます。

「迷い犬」とは何らかの事情で自分の家に戻れなくなり迷子になっている状態の犬のことです。鑑札が着いていることで所有者の有無を判断します。
「野良犬」「野犬」はどちらも飼い主を持たない状態の犬のことを呼びますが、「野犬」が山野に住む野性化した犬を指すのに対し、「野良犬」は多くが人間に捨てられた元ペットで、市街地に住んでいるという点が異なります。

「狂犬病予防法」において犬の所有者は鑑札を犬に着けておくことが義務付けられており、所有者の不明な犬は行政によって抑留することが義務付けられています。放浪している犬に近づくことは怪我等を負う危険を伴います。安易に手を出さず動物愛護センターや保健所、警察に連絡してください。

 

野良猫を見かけたら取るべき行動

犬は「狂犬病予防法」にて登録や鑑札の装着が義務付けられていますが、猫には登録義務がありません。そのため所有者が不明な猫を抑留して良いという法律が存在しないため、行政は理由なく野良猫を保護することは原則としてできないことを理解しておきましょう。

外にいる猫は「飼い猫」「迷い猫」「地域猫」「野良猫」「野猫(ノネコ)」などに分けることが出来ます。犬同様に「野良猫」「野猫」はどちらも飼い主を持たない猫のことを言いますが、人との接点をもたず、人里離れた地域で野生化している猫を「ノネコ」と呼びます。

猫を見かけたら、いきなり近づかず、まずは離れた場所からよく観察してください。飼い猫を無断で捕まえることはできません。被毛が綺麗だったり、体型がしっかりしている場合は、飼い猫であったり、誰かに世話をされ可愛がられている可能性が高いです。残念ながらすべての野良猫を保護することは不可能です。地域猫として見守るという選択肢もあります。本当に保護が必要な状況かを判断しましょう。

▶地域猫活動のすすめ方はこちら
 

保護する前に確認すべきこと

<保護対象であるかどうか>

  • ◇首輪をしていない、毛質が良くないなど、飼い猫である可能性が低いこと
  • ◇耳の先端がカットされておらず(さくら耳ではなく)、地域猫である可能性が低いこと
  • ◇(幼齢猫の場合)母猫の姿かなく、数時間様子を見ても母猫が現れないこと
  • ◇近隣住民がいる場合は、聞き込みを行い、その結果飼い主がいない可能性が高いこと

<保護の緊急性や優先度の確認>

  • ◇虐待されている、または近隣で虐待の被害が報告されている
  • ◇周辺の交通量が多く、事故にあう危険性が高いと想定されること
  • ◇怪我をしていたり、弱っている様子が見受けられる
  • ◇自力では生きることが難しい幼齢猫である

 

野良猫を保護する方法

1.保護可能な頭数の確認

保護団体などでシェルターを持っている場合はシェルターの空き状況、預かりボランティアを抱えている場合は預かりボランティア宅の受入れ可否状況を事前に確認します。

保護した犬猫の状態が悪かった場合、医療費の負担が通常よりも多く発生することも想定し、物理的な収容能力だけでなく経済的な余力も併せて確認しましょう。

2.収容場所の確保、医療機関の手配

保護後、初期医療・トリミングを行うことになるため、医療機関や保護動物のトリミング先の受け入れ体制などを確認しましょう。

3.成猫を保護するための手順

人に慣れておらず警戒心の強い猫を捕獲するためには捕獲器を使います。捕獲器は猫にとって恐ろしいものなので、万が一失敗してしまうと二度と入らなくなる可能性があります。事前の準備をしっかりと行うことが重要です。

設置場所、時間帯は、事前の調査で明らかにした猫が現れやすい所を狙って決めてください。捕獲器は設置したらそばを離れずに、猫が入るまで必ず近くに隠れて見守ります。警戒心の強い猫を保護する場合は捕獲器の扉が閉じないように止めた状態で、捕獲器の中に餌を入れてまずは捕獲器に慣れさせることも効果的です。

一方で、人によく馴れている猫の場合は、そのまま抱えてキャリーバッグに入れて保護をすることが確実です。野良猫はどのような病気を持っているかが不明なので素手ではなくゴム手袋を装着するようにしましょう。キャリーバッグに入れた後、捕獲されたパニックでキャリーバッグの中で暴れまわる可能性があります。猫を洗濯ネットに入れてからキャリーバッグに入れるか、キャリーバッグごと洗濯ネットに入れるなど脱走事故を防いでください。

保護した後はそのまま動物病院で初期医療を行いましょう。

▶保護犬・保護猫の主な感染症についてはこちら
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4.離乳前の子猫を保護する際の注意点

離乳前の子猫の場合は特に、いきなり近づかないようにしましょう。離乳前の子猫を母猫に代わって人間の手で育て、命を繋ぐことは容易ではありません。そのため母猫に育ててもらい、離乳した頃に母猫と子猫を一緒に保護することが賢明です。

母猫が食事のために一時的に出かけているだけの可能性もあり、人間が安易に触ってしまうと、子猫に人間の匂いがつき母猫が戻ってこなくなってしまいます。

親猫が警戒しないよう十分に離れたところから見守り、3~4時間待っても親猫の姿が見えないと判断したときのみ保護します。但し極寒や猛暑など外部環境が厳しいときはこの限りではありません。

離乳前の子猫は、自力で体温調節することができないため、すぐに弱ってしまいます。保護後は、湯たんぽやカイロなどで体を温めながら速やかに動物病院を受診しましょう。

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