動物の現状

日本の犬猫は助けを求めています

 

 

毎日、約33頭の犬猫が殺処分に

約33頭 / 日

 

毎日、約33頭もの犬猫が殺処分されているのは、日本の悲しい現実です。イギリスやドイツに比べると、先進国の中では動物に対して成熟していないと言われる日本。ペットブームに沸く一方、飼い犬が高齢になったから、離婚するから、子供がアレルギーになったから、吠えるから、増えすぎてお世話できないから、ブリーダー崩壊…など、人間の都合により命が奪われるという「闇」の部分も存在しています。しかも多くの犬猫は、とても安楽死とはいえない状況(一部の行政では苦しみを伴う二酸化炭素ガスで処分)で亡くなっている。これが今の日本の現状です。

令和4年度は1万1,906頭が殺処分されています。:環境省調べ

 

 

 

犬猫の飼育頭数合計は、
子供の数を大きく上回っています

1,591万頭

 

少子化の続く日本では、15歳未満の子供の数に比べてペットの数のほうが多くなっています。総務省の発表によると、令和5年4月1日現在における子供の数(15歳未満人口)は、前年に比べ30万人少ない1,435万人と42年連続の減少となり、過去最低となりました。片や、犬猫の飼育頭数合計は、令和5年度では1,591万頭と子供の数を大きく上回っています(一般社団法人ペットフード協会調べ)。しかし、犬の飼育頭数は減少傾向で、ペットブームは過去のこととになりつつあります。

 

 

 

寄付により命が救われます
全頭のレスキューが目標

4〜5万円 / 頭

 

犬猫は、レスキューしてから医療費、食費、ペットシーツ代、トリミング代などが必要となり、生活全般にかかるお金は約5万円だといわれています(犬の場合)。こういった保護活動を行っているのは全て民間で、保健所など行政機関に収容された犬猫をボランティアでレスキューしています。そして、その活動は寄付金によって支えられているのです。

 

保護犬エピソード

悲しい殺処分の現実がある一方、犬猫の保護や里親探しに奔走している団体やボランティアの方々も多くいます。「アニマル・ドネーション」(通称アニドネ)は、そういった動物福祉をがんばっている団体に寄付金を届けるということで支援を行っている公益社団法人です。保護犬猫を迎える人たちを増やしたい、人や犬や猫も共に幸せに暮らせる世の中にしたい、そう想い活動をしています。保護犬と暮らすことを選んだ飼い主さんをご紹介しましょう。

 

 

EPISODE 1

救われた犬の話①
〜落合愛さんとパグのもみじ〜

 

「盲目の犬ですが私達には可愛い我が子。シンプルにそう感じています」

愛さんと旦那さんは子供のころから犬と暮らしてきたそうで、子犬から育てるなどワンコの飼育経験が豊富。数年前に愛さんがお仕事を辞めて時間ができたのをきっかけに、ドッグレスキューに参加して保護犬を預かるというボランティアを始めたそうです。

預かったのはブリーダー崩壊から救出されたパグで、なんと盲目。推定6歳で愛さんの家にやってきましたが、人間とのコミュニケーションはほとんどとったことが無いようで、無反応・無表情というのが最初の印象だったそうです。しかも、暮らし始めてから、てんかんの発作持ちであることが判明。発作が酷いときは入院をし、命の危険もあったそう。その後遺症により歩行困難になったものの懸命なリハビリで再び歩けるように。「ほんとに生命力の強い子です!」と愛さん。
じつは、預かり犬なので、里親が決まれば送り出さないといけないのですが、一緒に暮らすうちに愛情がわいて、手放しがたい心境に。しかし、もみじと同時に預かったもう一匹のパグ(小春)のお嫁入りが決まり、それをきっかけにもみじを正式に我が子として迎える決意をしたそうです。
「もみじは穏やかにマイペースに暮らしています。それを見ているのが、私たちの幸せなんです。とにかく長生きして、できるかぎり長く私達のそばにいてほしいです」と愛さん。悲しい経験をし持病もあるもみじですが、飼い主さんを幸せにする才能はピカイチでした。
◆家族構成/愛さん、旦那さん、さくら(パグ、先住犬)、もみじ(パグ)

 

 

 

EPISODE 2

救われた犬の話②
〜真仁朗くんとキャバリエの四つ葉〜

 

「また犬と暮らしたい。暮らすなら保護犬がいい」

保護犬を希望したのは、野球が大好きな宇野真仁朗くん。じつは宇野家では盲導犬のパピーウォーカー(生まれてから間もない盲導犬候補の子犬を1歳くらいまで育てるボランティア)の経験があり、犬の素晴らしさを知りました。そんな時にテレビで保護犬の存在を知った真仁朗くんは、「つぎに暮らすなら保護犬」と決めていたそう。

そして譲渡会に足を運んだ時に出会ったのが、キャバリエの四つ葉(よつは)。真仁朗くんが抱っこしたら安心して寝てしまったそうで、その可愛さに魅かれてこの子に決めたそうです。
「犬との暮らしは、大切な命を預かったことの責任と、お互いに愛し、愛され、癒しをたくさん与えてくれる存在の大切さを教えてくれます」とご両親。家族の笑顔が増えたことも実感されているそうで、「イタズラをして怒られた時の、とぼけた顔なども微笑ましくて楽しんでます」とのこと。保護犬には、愛されながら生きる機会が与えられ、犬を迎えることで家族にも大きな成長の機会と癒しの時間がもたらされる。結果、双方に幸せな時間が増えるというのは、本当に素晴らしいことです。
◆家族構成/3人男兄弟、御両親、四つ葉(キャバリエ)

 

 

EPISODE 3

救われた犬の話③
〜里英さんとトイプードルのティノ〜

 

 

「犬も大切な家族。一緒に入れるカフェを作りました」

先住犬を12歳で亡くし、家族全員が沈んでいた頃に近くのペットショップで見つけたのが保護犬で里親募集中だったティノ。一目見た瞬間から「この仔はウチに来る仔だ!」とビビッときたそうです。今はとっても甘えん坊なティノですが、迎えたばかりの頃は人に体をくっつけてくつろぐということがなかったそう。

さらに、フカフカのクッションやベッドの上では居心地が悪いようで、固い床の上でばかり眠っていたそう。しかし今ではソファで一緒に寄り添ってテレビを見ながらくつろぐようになったそうで、「そんな姿を見ているときが幸せです」と里英さん。
里英さんは広尾にあるカフェ「Breakfast&Brunch Jade5」のオーナーで、こちらは愛犬と一緒に入店OK。だからお店は近所の愛犬家たちの交流の場になっています。里英さんはカフェオープンからずっとワンコ&飼い主さんの幸せを考えていて、たとえば「土曜の朝は早めに散歩に出たい」といった声に応えて営業時間まで変えてしまうほど。しかし、“犬のためになんとかしないと”といった気負ったところは全く無く、ごく自然体で愛犬との暮らしを楽しんでいるそうです。こんなふうに、ナチュラルに保護犬を選択し、それぞれの愛犬とお洒落なカフェで集まってくつろぐ時間は、とても豊かだと思います。
◆家族構成/里英さん、御両親、御祖母、ティノ(トイプードル)