公益財団法人 東日本盲導犬協会

伴侶団体

(2011年7月27日掲載開始)

「盲導犬ユーザーに笑顔を」をモットーに育成!

良質な盲導犬を育成し、視覚障がい者がより豊かに、自分らしく生活できるよう支援するために活動。候補犬の計画的な繁殖をはじめ、飼育ボランティアの育成指導、より安全で歩きやすい盲導犬を育てるための訓練、盲導犬への理解を高めるための啓発活動を行っています。

活動内容

褒めて、犬が「楽しい」と思えるような訓練を実施

 

国際盲導犬連盟(IGDF)の「IGDF Standard 5」において、犬のボディーランゲージを理解し、犬がリラックスして自信を持てるように訓練することを重視しています。

 

また、よい盲導犬を育成するために宇都宮大学と連携し繁殖技術の研究・向上に尽力。小さな事業所のためユーザーや視覚障がい者との距離が近く、指導・相談等によりきめ細やかなサービスを提供することが出来ます。さらに盲導犬の引退時期を10歳とし、一般のご家庭に引き取られる引退犬が穏やかな余生を過ごせるように、また盲導犬にならなかった犬達が幸せに暮らせるようボランティア体制を整えています。

 

 

今後のビジョン

育成頭数年間7頭・盲導犬希望者の方々への待機日数の短縮と質の高い盲導犬の育成

 

盲導犬の候補犬は1歳までパピーウォーカー(仔犬飼育ボランティア)の家庭に預けられ、その後、半年〜1年かけ基本訓練や誘導訓練を経て5回の適性テストに合格してから、視覚障がい者と協会の施設に宿泊をして共同訓練。そして視覚障がい者の自宅での現地訓練に入ります。しかし、犬にも向き・不向きがあり、お仕事をするのが苦手な犬もいるため、評価の段階で見極めキャリアチェンジ(盲導犬にはならない)をさせることも。質の高い盲導犬を育成するには年月も労力もかかるため、現在は年間5~6頭ですが7頭育成を目指したいと思います。

 

また、国際的動物福祉の基本である5つの自由(1.飢えと渇きからの自由 2. 痛み、負傷、病気からの自由  3. 恐怖や抑圧からの自由  4. 不快からの自由  5. 本来の行動がとれる自由)を念頭に育成・訓練を行っているため、季節に合わせてエアコン、床暖房、加湿器で快適な温度と湿度を保つなど、1頭の犬に対して訓練担当者はもとより、犬舎管理者、および医療担当者の複数で管理 を行っています。

寄付使途

医療費、犬具費、飼料費、繁殖研究費といった犬に関わる費用、その他非営利活動費

スタッフからのメッセージ

公益財団法人 東日本盲導犬協会

事務局長 奈良部 武司さん

「協会ができて48年になりますが、地元の栃木県でさえもまだまだ認知が高いとはいえません。街で訓練をしたり、募金活動をしたりしていると『犬が可哀想』と言われてしまうこともあります。今後は、盲導犬に対するイメージを変え、世の中の理解を深められる活動を行っていきたいと思います」

公益財団法人 東日本盲導犬協会

訓練士 稲葉聖絵さん

私たち訓練士は、盲導犬の育成を通じて、ユーザーさんの生活を豊かにするお手伝いをさせていただいています。盲導犬たちにも様々な性格や個性があり、細かな違いや適性に目を配りながら、日々の訓練を行っています。
皆さんが街中で見かける盲導犬は、とってもお利口でかわいいと思います。しかし、盲導犬はユーザーさんとお散歩をしているのではありません。一生懸命、仕事をしていますので、頭を撫でたり、声をかけられると集中力が途切れてしまいます。
盲導犬を見かけた時は、心の中で応援していただけたら嬉しく思います。そして、もしもユーザーさんがお困りの様子の時は、ユーザーさんに優しくお声がけいただきたいと思います。

基本情報

団体名

公益財団法人 東日本盲導犬協会

住所

栃木県宇都宮市福岡町1285番地

TEL

028-652-3883

メールアドレス

info@guide-dog.jp

HP

http://www.guide-dog.jp

代表者

理事長 眞尾 博

活動収支報告

http://www.guide-dog.jp/about/annual-report/

詳細情報

活動開始日

1973年10月(法人化:1974年11月19日)

活動エリア

栃木県を中心に近隣地域に盲導犬を貸与

スタッフ数

専従(有給)17人
訓練スタッフ:盲導犬歩行指導員2人 盲導犬訓練士3人 ボランティアスタッフ 260人
*2023年 12月現在

育成内容

盲導犬

育成頭数

2022年 盲導犬(新規数 1頭/代替数 4頭)計5頭

2021年 盲導犬(新規数 2頭/代替数 4頭)計6頭

2020年 盲導犬(新規数 2頭/代替数 1頭)計3頭

累計 盲導犬 (新規数 293頭/新規数+代替数)
*新規:1頭目の盲導犬/代替:2頭目以降の盲導犬 *2023年12月現在

平均訓練日数

約1年

平均訓練日数

基本訓練や誘導訓練で約半年。その後、ユーザーとなる視覚障がい者の方のライフスタイルに合わせて個別指導。ユーザーとなる方との共同訓練は約4週間。2週間は協会内の宿舎にて、残り2週間はユーザーの自宅にて

合格率

候補犬からの盲導犬合格率30%

形式

貸与

貸与規則

盲導犬の貸与に関する契約書

貸与条件

身体障害者手帳をお持ちの方(保有視覚のある方でも可)
原則18歳以上の方
「盲導犬と一緒に積極的に外出したい」と考えている方
約4週間の共同訓練(盲導犬との歩行訓練)を受けられる方
責任を持って盲導犬の世話や管理ができる方など

フォローアップ

有 (定期フォローとして貸与してから1ヶ月後・半年後・1年後を目安に直接現地へ出向いてフォローを実施。2年目からは基本年1回の定期フォローだが、ユーザーや第三者からの要請があった場合、 電話によるアドバイスや必要に応じて現地でのフォローを実施)

貸与金額

無料

動物に対する福祉体制

協会内における犬舎環境に配慮し、床暖房・冷暖房完備。
犬への健康管理は専属の獣医師により定期検査。
犬への訓練方法は陽性強化でのトレーニングを実施。
10歳を目安に引退した引退犬が穏やかな余生を 過ごすようなボランティア体制を整備。

団体設立のきっかけ・沿革

ご自身が視覚障がい者で、栃木県立盲学校の教員をされていた鈴木彪平(ひょうへい)先生が、1967年にアメリカの盲導犬育成施設アイ・ドッグ・ファンデーションで盲導犬歩行の訓練を受けた事をきっかけに1973年に盲導犬センター設立準備会を設置。

翌1974年11月に設立が認可され、全国で5番目の盲導犬育成施設、「財団法人 栃木盲導犬センター」として発足。

「盲導犬ユーザーに笑顔を」をモットーに掲げ、良質な盲導犬を1頭でも多く育成し、視覚に障害のある方がより安全で安心して積極的に社会参加する事で、社会に補助犬についての理解が広まるよう、また障害の有無に関係なく誰もが自分らしく、より豊かな生活ができる社会の実現を目指す。
役員を含め組織体制を充実させるべく検討会やユーザーとの意見交換会を開催。

団体の特色

栃木県立盲学校が隣接しているため在校生と訓練犬・PR犬とのふれあいも頻繁に行っている。そのため盲学校との連携も強く、視覚障がい者の現状を把握し、視覚障がい者支援にも力を入れて事業を運営。
良質な盲導犬を育成するためには繁殖事業も大切な要となるため、宇都宮大学と連携し、繁殖技術の研究・向上を実施。
また小さな事業所のため、ユーザーや視覚障がい者との距離が近く、よりきめ細やかなサービスを提供することが可能。

活動内容

●盲導犬の育成に関する活動
優秀な盲導犬候補犬の計画的な繁殖
飼育ボランティアの確保と犬の育成の指導
より安全で歩きやすい盲導犬を育てるための訓練
盲導犬への理解を高めるための活動(啓発活動)
●視覚障がいリハビリテーションに関する活動
視覚障がい者に対する盲導犬歩行訓練
視覚障がい者に対する生活訓練
白杖歩行訓練(室内移動、手引きの依頼方法なども含めて)
視覚障がいへの理解を高めるための活動(啓発活動)
●その他の活動
国際盲導犬連盟(IGDF)への参加・情報収集・査察の受け入れなど優秀な盲導犬の血統を、凍結精子を利用して保存・活用する技術の開発・研究(宇都宮大学との共同研究)
AGBN(アジア・ガイドドッグ・ブリーディング・ネットワーク)への参加・協力
※AGBNとは優秀な盲導犬を産出する繁殖犬の情報をネットワークで共有しようとする団体で、日本・韓国・台湾の11の盲導犬育成施設が加盟。加盟には国際盲導犬連盟と同じレベルの基準をクリアしている必要あり。

定期イベント

毎年4月の第4日曜日に「盲導犬ふれあいデー」
8月には「夏休みウェルカム見学会」を協会にて実施。

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