補助犬受け入れセミナーについて伺ってきました
栃木県で盲導犬の育成・訓練・啓発活動をされている東日本盲導犬協会さん。依頼を受けて1月に病院での「補助犬受け入れセミナー」をされたと聞き、その時のお話を伺ってきました。
飲食店など補助犬の受け入れを許可している施設は増えましたが、具体的にどうしたらいいかわからないという方もいると思います。そういう方の参考になるかもしれません。
補助犬受け入れセミナーの目的は?
ー今回はどうして問い合わせからセミナーまでお話が広がったのですか?
「今回の病院は、最初は補助犬を受付で預かるという考えだったそうなのですが、それを改めよう、でもそうすると具体的にどうしたらいいだろう?ということからお問い合わせをいただきました。そして色々とお話していく中で病院の方が『これはスタッフの皆さんに聞いてほしい!』ということになり、セミナーを開催することになりました。今回の病院に関してですが『病院として』は補助犬を受け入れることになっていますが、実際に対応するのは管理部の方ではなく受付の事務の方や看護師・他のスタッフなので、具体的にどうしたらいいのかを周知してもらうことが目的です」
ー具体的にはどんなことをお話しするのですか?
「具体的には補助犬を連れた方が入ってきてからの流れや考え方などをお伝えしています。例えば受付をしてから補助犬は待合室で待っていてもらうのか、診察室に一緒に入るのか?などです。身体障害者補助犬法では『補助犬はユーザーの体の一部』とされていて、一般の方が入ることのできる場所は一緒に入ることができると定められています。なので『特別なことはしない』『補助犬の扱いはユーザーがやる』ということをお伝えしています。もちろん無菌室や集中治療室など一般の方が入れない場所には入れません。とはいっても、ユーザーさんは病院に単独で(ユーザーと補助犬)で行かれる方は少なく、介助ボランティアやご家族と一緒に行かれる方が多いので補助犬と待合室などで待っていてもらうという方もいるみたいです。診察室は狭いことも多いですからね」
飲食店や他の施設の対応の仕方は?
ー飲食店で働いている方が対応する機会も多いと思います。どんな風に対応したらいいでしょうか?
「それぞれのお店や施設でのルールがあると思いますのでそれを前提として、例えば犬アレルギーの方や犬が怖いという方もいらっしゃるため、近くの席になる方には確認をしていただくのはいいと思います。ユーザー側にも限られたスペースの時はあまりはみ出さないようにしたり、毛が飛びにくいようにマナーコートを着せたりすることをお願いしています。あまり難しく考えずに、補助犬と一般の方のどちらに対しても同じようにご配慮をいただくと嬉しいです」
ー他にセミナーのお話があったらお聞かせください
「はい。日頃からお付き合いのあるアウトレットさんにも時々セミナーに伺います。色々な種類のお店がありますので、それぞれの店長さんに集まっていただくのですが、こちらは補助犬セミナーというより視覚障害者の対応セミナーになります。例えばお洋服屋さんでしたら、触ることができるものは実際に触ってもらい素材感やサイズ・色の組み合わせなどを説明してほしいことなどや、またお会計時にお客様のお財布を絶対に預からない、出口がたくさんある時は一緒に案内してもらえるといいことなどをお伝えしています」
今回は具体的にどうしたらいいか、知っているようで知らなかったお話を伺えました。どうしても盲導犬などの補助犬とユーザーを分けて考えてしまいますが『補助犬はユーザーの身体の一部』『特別なことはしない』というイメージを持つと、自然と対応の仕方もわかってくるのではないかと思いました。
盲導犬育成はもちろんですが、視覚障害についてわかりやすく伝える活動もされている東日本盲導犬協会さんへの寄付でのご支援をよろしくお願いいたします。
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