認定団体の活動レポート

保護犬のことを知ってもらうために〜“未来の飼い主“さんへの啓発活動にチャレンジ!

「人の身勝手な理由で殺処分される不幸な犬たちを減らすためには、殺処分数をゼロにするだけでなく、そもそも保護犬が生まれない世界線を作ることが大切」という想いから、アグリドッグレスキューでは“未来の飼い主“さんたちに向けて、20248月6日、所沢市の学童クラブで小学校16年生までを対象としたワークショップを、824日には、さいたま私立大宮国際中等教育学校のオープンキャンパスで講演と譲渡会を行いました。

「犬は自分とおんなじ、生きている命なんだって、わかった」~小学1年生

86日所沢市の学童クラブで「保護犬を知ってもらうワークショップ」が行われ、小学校1年生から6年生まで35名の子どもたちが参加、アグリドッグレスキューからは5頭の元保護犬がふれあい犬として参加し、第一部では“犬とふれあって仲良くなろう“をテーマに、ボランティアさんが犬との挨拶の仕方をレクチャー、なでたり、おやつをあげたりして、犬と仲良しになりました。

 

保護犬とふれあう小学生たち
ボランティアさんから、犬への挨拶の仕方を教わり、まずは犬と仲良くなります

第二部ではワークブックを使って、保護犬や保護活動について学んだり、写真を見ながら犬の気持ちを想像したり、グループに分かれて「犬のために何ができるか」を考えて発表したりしました。最後は、殺処分ゼロを願って描かれた『ある犬のおはなし』の紙芝居。涙ぐむ学童スタッフの方々、子どもたちもみんな神妙な面持ちで聞き入っていました。

 

初めは「犬が怖い」と言っていた1年生の女の子が、今回のワークショップを通して少しずつ犬にさわれるようになり、「犬は今までペットだと思ってたけど、自分とおんなじ(=生きている命)なんだって分かった」と話してくれました。

 

犬のためにできることをテーマにグループワーク
グループに分かれて「犬のために何ができるか」を考えます

アグリドッグレスキュー広報の鈴木さんは「犬にも私たちと同じ命があり、気持ちがあり、同じ生き物なのだということ。人間の自分勝手な理由で棄ててよい命ではないこと。小さいお子さんなりに、感じてくれたことがあったのだとしたら、とてもうれしく思います」

「殺処分ゼロを目指して、少しでも自分たちが出来ることを」~高校生

8月24日には、高校生からアグリドッグレスキューへの直接の依頼で、大宮国際中等教育学校オープンキャンパスで譲渡会と講演会が実現しました。

 

企画したのは、高校1年生のT君、O君のお二人。授業の一環として「自分の好きな事をテーマに探究する」活動があり、オープンキャンパス時に研究成果を発表することになっていましたが、せっかくなら実際の保護団体さんにも来てもらい、セミナーと譲渡会をやってもらいたい、とアグリドッグレスキューに相談があったのが始まりでした。

 

なぜ保護犬を探究活動のテーマに選んだのか伺ってみると、T君は大の犬好きで、現在一緒に暮らしている犬も、掲示板で見て迎え入れた犬であることから、保護犬にはもともと興味があったこと、O君も親戚や友だちなど保護犬を家族に迎えた人が身近にいたり、ニュースやテレビ番組などでもよく取り上げられるので興味を持ったから、と話してくれました。

保護犬の現状と課題について研究発表を行う高校1年生の2人
入学希望者を前に「保護犬の現状と課題について」の研究発表

発表は「保護犬の現状と課題」と題して、来年入学を希望する親御さんとお子さんたちに向け、さいたま市の殺処分数の現状や他市との比較、保護犬が生まれる原因、殺処分数を減らすための対策、ドイツのペット事情との比較までしっかりとしたプレゼンがなされ、保護犬が生まれる背景は人間の勝手な都合が多いこと、ボランティア活動や募金など少しでも自分ができる事をという呼びかけなどもあり、大変頼もしく感じました。

「人も犬も一生幸せに‥‥保護犬が生まれない世界線を」~アグリドッグレスキュー

犬の保護活動について高校のオープンキャンパスで講演するアグリドッグレスキューさん
「せっかく生まれた命が、最後まで輝けるように、愛され続けるように」と話すアグリドッグレスキューの鈴木さん

高校生による発表のあと、アグリドッグレスキュー広報の鈴木さんより、アグリの活動や昨今の保護犬を取り巻く環境、保護活動をしていて感じること、保護犬のためにできること、などについてお話がありました。

 

人の身勝手で殺処分される犬たちを1頭でも多く救いたい、健康な子だけでなく、病気の子も高齢の子も、犬種にこだわらず幸せにしたい、という強い思いで活動されているアグリドッグレスキューですが、「殺処分数をゼロにすると同時に、そもそも保護犬が生まれない世界線を作る、“蛇口を閉める“ことが大切。せっかく生まれた命が、最後まで輝けるように、愛され続けるように」というお話が大変印象に残りました。

 

保護犬とふれあう高校生たち
保護犬とふれあう中学生・高校生たち

一方、講演とは別の一室で行われた譲渡会には、アグリドッグレスキューのボランティアの皆さん、元保護犬たちが参加。壁には、保護された当初の写真(ビフォー)と幸せになった現在の写真(アフター)を対比したパネルがずらりと並び、「可愛い~、癒しでしかない」の歓声とともに、高校生や中学生、オープンキャンパスにいらした親子連れの皆さんが、それぞれに犬とふれあったり、おやつをあげたり、ボランティアさんのお話を聞いたりして、和やかに過ごしました。

保護犬のビフォーアフターの物語を聞く学生たち
展示パネルで保護犬たちのビフォーアフターの物語を聞きます
ボランティアさんのお話を真剣に聞く生徒の皆さん
ボランティアさんのお話を真剣に聞く生徒の皆さん
みんなにお腹を撫でさせてくれるライラ
みんなにお腹を撫でさせてくれる元保護犬のライラ。保護された当初はストレスからかイタズラが酷かったそう

アグリドッグレスキューさんのこうした子どもたちへの啓発活動が、保護犬を生まなくなる世の中を作る第一歩になる事を願って止みません。

 

学童クラブでのワークショップの模様、そしてオープンキャンパスでの譲渡会と講演の模様は、アグリドッグレスキューの公式ブログでも詳しく紹介しています。もし小学生向けのワークショップ、中高生を対象にしたセミナーにご興味のある方はこちらからアグリドッグレスキューへお問い合わせができます。

 

こうした啓発活動のほかにも、他団体と協力して譲渡に繋がりにくい中型雑種犬だけを対象とした譲渡会を開催したり、「すべての犬を笑顔に」するため、日夜尽力されているアグリドッグレスキューさん。レスキューだけでなく、こうした啓発活動も継続して行っていけるよう、ぜひ「アグリドッグレスキュー」さんへのあたたかな寄付でのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

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