寄付したお金の使い途レポート

寄付で救う「行き場のない猫たち」の命

アニドネでは認定団体へ寄付金をお届けしたあと、使途内容を詳しく聞いてレポートしています。

今回は、埼玉県八潮市にある「特定非営利活動法人ねこひげハウス」さんのレポートです。シニアや傷病猫を中心に保護猫の活動を行っており、施設内には入院室もあり、医療ケアやサポート面が充実している団体さんです。

 2024年7月に92,935円、8月に110,465円、9月に74,542円と、皆様からお預かりした寄付金をアニマル・ドネーションを通じてお届けいたしました。今回、寄付金をどのようなことに使われたのか、代表の石川さんに詳しくお話を伺いました。

保護猫たちの医療費や終末期ケアへ

ここ数ケ月のアニドネからの寄付は何に使われていますか?

「シニア猫や傷病猫を多く保護しているため、介護や看取りが多くあります。
主に、その子たちの医療費や終末期ケアに使わせていただきました」

 

具体的な活動事例や背景、エピソードを教えてください。

「高齢者の飼い主が病気や死去により取り残された犬猫は、年々増加の一途にあります。その様なケースでは犬猫(他動物)はシニアであったり疾患や衰弱があることが殆どで、引き取り手が少ないのが現状です。

また、外で暮らす猫もケガや病気で生きていけない個体もいます。そんな子たちを中心に『最後の砦』として担えるように、行政や地域包括支援センター、他の保護団体とも協力して活動を行っています。

私たちは、病気があり保護を躊躇されてしまうシニア猫や、ケガで医療費がかさむ引き取り先のない猫など、行き場のない猫たちの命も尊重したいと考えています。また感染症猫エイズ、白血病)のある猫は保護されてもケージで隔離され、一生をその空間で過ごさねばならない場合もあります。

私たちは、そのような猫たちも自由で穏やかに暮らせるシェルターを目指しています。行き場を失くした猫を1頭でも無くし、必要な医療ケアやサポートを適切に提供できるようにしたいと考えています。

今回、8月に看取った3頭のシニア猫をご紹介します」

 

*8月10日に見送ったしっぽちゃん(推定10歳以上)

保護猫のしっぽ
しっぽちゃん

「地域猫として10年くらい地域で守られて暮らしていた子です。けがのために長かった尻尾は千切れ、長い間、出血を繰り返し痩せて衰弱をしていたそうです。

2023年3月、緊急保護をし絶尾手術となりました。無事に手術を乗り越えたしっぽちゃんの生命力の強さを感じました。ところがすぐに糖尿病が判明、インスリン治療を開始しました。他にも、肝臓や免疫系の病気など、複数の重篤な疾患が次々と見つかったのです。通院や在宅診療を続け、これまであらゆる治療をしてきましたが改善は望めませんでした。

しっぽちゃんは徐々に体力が無くなり、終末期ケアへと移行します」

保護猫のしっぽ
しっぽちゃん

「施設で仲の良かった猫たちとできるだけ過ごせるよう配慮し、皆に見守られながら2024年8月10日に天国へと旅立ちました。しっぽちゃんは猫同士で過ごすことが大好きで、仲間たちへの愛情がとても深く、優しい子でした」

*8月15日に見送ったタマちゃん(17歳)

保護猫のタマちゃん
タマちゃん

高齢の飼い主様がお亡くなり、ご親族様からのご相談を受け、一緒に暮らしていた他の三毛猫2頭とともに、2021年5月に保護をしました。

この時にヨダレが出て毛並みが汚れており、口の痛みがあることは明らかでした。検査の結果、歯周病が進行していたため抜歯手術を行いましたが、難治性の口内炎が残り、食事のたびに痛がっていました。炎症を抑える治療や痛み止め、補液などの処置を行い、給餌をしながらサポートを続けました。 

また、腎臓病も併発していたため、獣医師と相談をしながら、持続点滴などの高度ケアを行える施設入院室に入る日も多くありました。体調が安定している時は、他の猫たちが待つ部屋に戻すなど、穏やかな余生を送れるようQOLを保つ治療に努めました

保護猫のタマちゃん
タマちゃん

2024年8月15日に仲間たちに見送られながら天国へと旅立ちました。タマちゃんは美人さんで、人間も猫も大好きなかわいい子でした」

 

*8月18日に見送ったグレくん(推定14歳)

保護猫のグレくん
グレくん(手前・右)

地域のボランティアさんが不妊手術を施し、地域猫として暮らしていた子です。近所で猫への虐待事件があり、2017年12月に保護をしました。地域猫時代のグレくんは、大きな体で喧嘩の傷が絶えないボス猫だったようですが、体調の悪い子や気の弱い子に寄り添うとても優しい一面もありました。

2023年4月下旬、突然歩くことができなくなるほどの眼振と目眩に襲われて、すぐに病院へ駆け込みました。検査の結果『骨髄異形成症候群』という血液の難病であることが分かりました。しばらくは施設の入院室で治療管理を行い、危ない状態でしたが治療の甲斐あって、仲間たちが待つ部屋に戻ることができました。

しかし、その後腎臓病も患い、治療とサポートを続けましたが、体調の悪い日が続き、最後は痛みや苦しみを和らげる終末期ケアを行いました

保護猫のグレくん
グレくん(左)

2024年8月18日、グレくんは安らかに天国へと旅立ちました。最期までボスらしく仲間思いの強く優しい子でした

最期まで猫たちが安心して暮らせますように

アニドネ支援者様へのメッセージをお願いいたします。

いつも温かいご支援と応援をいただき、誠にありがとうございます。 

ねこひげハウスでは、保護猫の9割がシニアや病気や障害を抱えた猫たちです。そのため、里親が見つかりにくく、生涯を施設で過ごす子たちが多くいます。 私たちは、動物福祉を大切にし、施設でのできる限りの医療と終末期ケアを提供することで、最後まで猫たちが安心して穏やかに過ごせる環境づくりを目指しています。 

皆さまからのご支援のおかげで、これらの活動が実現でき、心から感謝申し上げます。

スタッフ一同、皆さまの応援を励みに、これからも活動を続けてまいります。 

今後とも、ねこひげハウスをよろしくお願いいたします

 

ねこひげハウスさんは毎月2回の譲渡会も開催されています。随時、公式ホームページSNSでも保護猫たちの様子がUPされていますので、ぜひご覧ください。引き続き、ご支援ご協力の程よろしくお願いします。

 

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ねこひげハウスさんの日々の活動はブログでもご確認いただけます。ぜひ、ねこひげハウスさんのご紹介・ご寄付のページも併せてご覧ください。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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