【特定非営利活動法人アニマルレフュージ関西】多頭飼育崩壊による基金の使い途について
アニマル・ドネーションでは、皆様からお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。
2020年11~12月に、多頭飼育崩壊レスキューを行なった保護団体『特定非営利活動法人アニマルレフュージ関西(通称アーク)』さんに 緊急支援基金として2件分の100,000円をお届けしました。
今回は、レスキューの詳細と基金の使い道について、担当の奥田さんにお話をうかがいました。
164頭もの多頭飼育崩壊ニュースに『出来る事を出来る範囲で』
ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?
「依頼ではなく、ニュースなどを見て支援をしたいと申し入れをしました。
アーク30年の活動の中でも1、2を争う規模の多頭飼育崩壊です。想像される現場の悲惨な状況に”自分達に出来る事はないか?”と、既に支援を始めておられた『どうぶつ基金』様に問い合わせ、現地で活動されていた愛護団体をご紹介いただき、レスキューの手筈を整えていきました」
ー現場の状況を教えてください。
「既に支援が始まっており、犬達は現場ではなく保健所で保護されていました。
そちらは一時的な避難場所ですので、ケージの大きさは最低限で所狭しと並べられており、清掃も追いついていない状況でした。また、性格的に怖がりな犬が大半を占めているらしく、慣れない場所で狭いケージに入った犬達は金属製の網をかじったり、フードを食べようとしないなど、一様にストレスフルな状況にあるのは一目瞭然でした」
ー現場にいた頭数などを教えてください。
「メディア情報で164頭との事でしたが、アークでは、その内の10頭をお引き受けしました。
事前に犬の性格や健康状態などをお伺いして、当シェルターで引き取れる場所を確保。11/21に大阪から代表のオリバーとスタッフ3名が現地に向かい、7頭の犬をお引き取りしました。しかし保健所の保管期限も差し迫った状況という事を知り、再度12月5日に3頭の犬をお引き取りしました」
緊急支援基金は医療チェックやケアに
ー今回の寄付を何にお使いになりましたか。
「長い間8畳2間という狭い所で生活していた犬達。健康状態が良いとは決して言えません。頂いたご寄付は、駆虫や体調管理、回復のためのフード、医療費(癲癇の治療薬)などに、ありがたく使わせて頂いています」
ーご寄付くださる方へメッセージをお願い致します。
「多頭飼育崩壊現場ではワクチン接種や必要な医療的処置がなされていない事が大半です。そして所有者からは金銭的な協力は望めない事が多く、費用は全て団体の資金からまず捻出する事になります。尚且つ急激な保護数の増加からケアスタッフ達の業務負担も大きくなります。
経済的にも人員的にも、多頭レスキューは大仕事ではありますが、団体の社会的な存在意義を果たすべく、活動を続けて参りたいと思います。これからも皆さまからのご理解とご支援を賜わりますようお願い申し上げます」
レスキュー後の犬達「新しい未来へ」
今回レスキューされた10頭の犬達は、その後アークさんの手厚いケアとたっぷりの愛情を受け、9頭が卒業して今は優しい里親様の元で新しい生活を送っています。(残り1頭のクミンちゃんは、新型コロナの影響で決まっていた譲渡のお話が白紙になってしまいました。)どの子も保護時とは同じ子とは思えない程の健やかで可愛らしい顔になりました。
この大変身はアークさんの愛情を込めたお世話の賜物。その詳細なお世話の様子や体調の経過などは、 インスタグラム や ブログ で確認する事が出来ます。是非一度ご覧下さい。
既に多くの保護動物を抱えながらも、多頭飼育崩壊のニュースから目を背けずに、ご自身のキャパシティを意識しながらも支援を申し出られたアークさん。同じように全国の団体や個人が協力した結果、164頭全頭の引き受け先が決まり無事に保護する事ができました。今回のアークさんの活動で『出来る事を出来る範囲で』というボランティア精神の根本を、私達も再認識する事ができました。ありがとうございました。
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