寄付したお金の使い途レポート

募金・寄付によって始まる猫たちの新たな人生

アニマル・ドネーションはみなさまからお預かりした寄付金を認定団体様へお届けしています。練馬区を中心に地域猫活動を行われている特定非営利活動法人 ねりまねこさんへ、20237月に371,381円、8月に72,377円、9月に108,406円をお届けしました。

今回、寄付金をどのように使われたのか代表の亀山さんに詳しくお話を伺いました。

寄付により治療やケアが可能に

ー今回の寄付をどのようにお使いになりましたか

「保護した野良猫の健康診断・予防接種・不妊去勢手術、そして治療を含むケア費用などに使わせていただいております」

ー具体的な活動事例や背景、印象深いエピソードを教えてください

「まず1件目が、横隔膜ヘルニアの大手術をした猫がいました。その子はニコちゃんという名前で呼ばれ、団地でうずくまっているところを保護され、その方からのSOSを受け私たちが引き取りました。引き取り時、外傷もなく痩せてもいない一見普通に見えるニコちゃんでしたが、呼吸の仕方が変で自分でごはんも食べません。

保護猫の保護当時の写真

数日経っても症状の改善が見られず病院3ヶ所をまわり詳しい検査をしてもらったところ横隔膜ヘルニアが発覚しました。横隔膜ヘルニアとは胸とお腹を分ける役割をしている横隔膜が破れ穴が開き、お腹にあるはずの腸や肝臓などの臓器が胸の方に移動してしまう病気です。その影響で肺や心臓が圧迫され呼吸困難になったり、腸が移動することによる排便障害が起きてしまいます。先天性の場合と、何かしらの外傷たとえば交通事故や転落、猫同士のケンカなどで強い衝撃を受け破れることもあります。

ニコちゃんは保護した時すでに耳カットをされ不妊手術が終わった状況だったので後天的な理由でヘルニアを発症したと思われます。難易度の高い手術でしたが、経験豊かで技術のある先生とスタッフの方のおかげで無事成功し今では元気すぎるほどの成長っぷりを発揮してくれています。元々人には慣れており性格も穏やかなニコちゃん。少し触っただけでもゴロゴロしお腹を見せて甘えるほどの人好きです♪」

保護猫の治療後の甘える姿今ではおてんばニコちゃんと呼ばれるほど元気いっぱい!

大きな病気を乗り越え懸命に生きるニコちゃんが、この先はずっと平穏で幸せに暮らしていけるよう願っている亀山さん。ニコちゃんに新しい家族との出会いが早く訪れますように私たちアニドネも強く願っています。

 

2件目は、200gの赤ちゃん4匹を保護した方からのSOSです。授乳や排泄介助が必要な赤ちゃんを4匹同時に看護するのは初心者の方にはとても難易度が高いです。加えてこの4匹は痩せてミルクの飲みも悪く、風邪も引いていました。4匹一緒に引き取り16回ほどの授乳と排泄介助、点眼治療をしました」

保護した子猫の写真まんちゃん、たけちゃん、あやちゃん、すえちゃんとっても可愛い!

亀山さんの献身的な看護のおかげでみんな元気にすくすく育ち、2匹ずつ新しい家族のもとに巣立っていったそうです!兄弟みんなバラバラになることなく、それぞれが幸せになる一歩を踏み出すことができて本当に安心しました。

相次ぐ飼育放棄…猫のためにできることを

「最後3件目は、オーナーの死亡や入院・施設入居などで飼育困難になり放棄されてしまった、あるいは放棄寸前のためどうにかしてほしいという相談を多く受けるようになりました。ロシアンブルーのあおちゃんも、飼い主様が単身高齢のため長期入院することになり飼育困難となりました。10歳近いシニア猫でしたがたくさんのご協力もあり、今は新しい家族と一緒に幸せな日々を送っています」

地域猫の外での姿

新しい家族のもとで暮らす地域猫新しい環境にも慣れ、安心できる居場所を見つけることができたあおちゃん

「キジシロ兄弟のてんちゃんとくるちゃんも飼い主様の施設入居により外に出されてしまったところを保護し、現在新しい家族との出会いを待っています。健康状態も良くごはんも食べる穏やかな性格の仲良し兄妹です。この兄妹のために動いてくださった方は、飼い主やその家族ではなく遠縁の方でした。その方をはじめとする優しい方々の思いが身を結び、私たちに繋がり2匹を外の世界から保護することができたのです。新たな飼い主様と出会える日が早く訪れるよう願うばかりです」

保護猫兄弟の写真

保護猫兄弟の写真

とてもお顔が可愛い仲良し兄妹♪ 幸せなご縁に巡り逢えますように。

「すでに飼育放棄の相談を多く受けていますが、高齢・貧困・孤立によって今後はさらに増えると思います。各自治体それぞれの解決能力が上がるよう環境省の協力のもと勉強会を主催し、多機関が連携し解決していくための方法を模索しています。次回12月の開催を予定しています」

ーご支援くださる方々にメッセージをお願いいたします

「ご支援くださりありがとうございます。皆様のおかげで、危機に瀕した猫と人に、迷わず救いの手を差し伸べられます。一人一人の意識から社会を変えていけるように、歩みを止めることなく進んでいきます。」

保護した猫だけではなく、地域猫問題で不安や悩みを抱える方々の声にも耳を傾け手を差し伸べるねりまねこさん。長く活動を続け培ってきた経験やノウハウが様々な地域で人と猫を繋ぎ、大きな助けとなっているのだと強く感じました。

これからもアニマル・ドネーションは確かな寄付をお届けしてまいります。ねりまねこさんへの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

*********************************

「特定非営利活動法人 ねりまねこ」さんのご紹介・ご寄付のページはこちらからご覧いただけます。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

*********************************