寄付したお金の使い途レポート

【もりねこ】多頭飼育崩壊による基金の使い途について

アニマル・ドネーションでは、皆様からお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。今回は、岩手県を中心に活動する保護団体『認定特定非営利活動法人もりねこ』さんへ、50頭分のレスキューを行なった緊急支援基金として、500,000円をお届けしました。  

レスキューの詳細と基金の使い途について、副理事長の田端さんにお話をうかがいました。

 

ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?

 

「飼い主さんご本人からご依頼がありました。陸前高田にお住いの80代の方でした。

家の庭に来る猫にエサをやっていたところ、4匹の雌猫が合計17匹の子猫を産み、これ以上お世話ができなくなったため何とかしてもらえないかというご相談でした。

管轄の大船渡保健所や陸前高田市役所にもご相談されたそうですが、引き取りは難しかったそうです。ご家族にも『自分で好きでエサやりした結果なのだから自分で対処して』と協力を得ることが出来ず、遠く離れた盛岡市保健所に相談して、もりねこを紹介されたということでした。お電話で伺ってみると、複雑な家庭環境で常に孤独感を感じ、エサをやると近づいてきて慕ってくれる猫たちに救いを求めていた、という面もあったようです」

 

ー現場の状況を教えてください。

 

「これ以上増える前にと現場に向かったところ、狭い小屋の中にひしめき合う子猫たち。パッと見ただけでも30匹以上の猫が確認できました。詳しくお話を伺うと、小屋とはいえ外に出入りできる穴が数箇所あり、成猫たちはその穴を通して自由に出入りしているとのこと。まずは子猫からと片っ端から捕獲したものの、成猫たちは穴から外へ、子猫たちは小屋の中に山積みになっている段ボール箱や棚の後ろなどに隠れてしまい、1日ですべてを保護することができませんでした。

 

その後も朝ごはんの時間に合わせて早朝5時に盛岡を出発して少しずつ保護を続け、5か月以上かけて50頭を保護いたしました。8〜9月はもりねこの施設に空きがなく保護が出来ませんでしたが、10月には現地にお住まいのボランティアさんが協力を申し出てくださり、その方のご助力のおかげで一気にレスキューが進みました。すべての猫たちを引き取ってしまうと、また新たな猫たちが来て増えてしまう恐れがありますので、東日本大震災の前から居るという地域のボス的存在の雄猫は引き続きお世話をお願いすることにし、新顔の猫がやってきてもエサをあげないことをお約束いただいてレスキュー完了といたしました

 

ー今回の寄付は何にお使いになりましたか?

 

「猫たちの医療費に使いました。ウイルス検査やワクチン、駆虫、成猫たちには避妊去勢手術を行いました

ー支援者様へのメッセージをお願いいたします。

 

「『どうして最初に不妊手術をしておかなかったのか』。猫たちが暮らしている現場を目にすると、そんな言葉が喉まで出てくると思います。ただ、岩手県の郡部の方に参りますと、そもそも動物病院の絶対数が少なく、地域に1件だけということも少なくありません。通院手段がなかったり、経済的余裕がない高齢者も多いのです。

もりねこでは『猫の問題は、人の問題』と捉えています。『起こってしまったことを責めるのではなく、これから猫も人も幸せになるためにはどうすればいいのか』をご相談者の方と一緒に考え、実行いたします。今後は、ご高齢の方や郡部にお住いの方にも猫の適正飼養について広く知っていただく機会を提供するとともに、10月に開設したもりねこ診療所では、ゆくゆくは通院手段のない方々のための出張手術も実施したいと考えております

 

引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

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