犬たちの社会進出を推進するために飼い主としてできること

海外では犬たちが広場をノーリードで散歩し、飼い主と一緒に電車に乗り、動物福祉も非常に充実していると言います。そんな風に犬たちの存在が世間に許容されるようになるのは、飼い主として嬉しいことですよね。日本の犬たちにとって、もっと住みよい世界にしていくために私たちにできることはあるのでしょうか?

 

日本の現状

きちんとしつけができているか

犬の自由度が高い海外では、その分しつけもしっかりされているので、犬たちは飼い主の言うことをきちんと聞きますし、飼い主の指示に従っておとなしく待機することができます。そのため、一部のエリアでノーリードのお散歩が許可されていたり、リードだけつけていればキャリーバッグに入れなくても、公共の乗り物を愛犬と一緒に利用することができるのです。

しかし、日本の犬たちはそこまでしつけがされていません。ちなみに我が家の愛犬むーたんも、「一緒に暮らす愛犬に、芸を教える必要は本当にある?」でご紹介している通り、おすわりとマテしか教えていません。お散歩中はかなり危なっかしく、走行中の車や自転車に突っ込もうとしたり、大きな音がすると怖くて動けなくなったりして、リードなしで連れ出すことは絶対に無理です。

また、他の家の犬が、飼い主さんがリードを離した隙に暴走し、むーたんに飛びかかってきたことも何度かあります。どの子もただ遊びたかっただけのようですが、飼い主さんの制する声は全く聞かず、怯えて逃げようとするむーたんに突っ込んできました。目の上に小さな引っかき傷を付けられたこともあり、私はお散歩中にリードを放された犬を見かけるとすぐにむーたんを抱き上げるようになりました。

このような状態を踏まえると、世間の人々が今の日本の犬たちに対して、安心感をもってその存在を受け入れるのは難しいと思います。トレーニングのレベルを少しずつあげていくこと、子犬の頃からしっかりトレーニングする文化を定着させることが、必要なのではないでしょうか。

 

難しいトイレ事情

 

 

犬に対する苦情の中でも非常に多いのが、フンの不始末です。私も以前、むーたんと一緒に歩いていると、近くの駐車場から現れた男性に「ここの駐車場にいつもフンを放置するのはあなたですか?」と問いただされたことがありました。「この通りいつもお散歩バックは持っていますし、私は必ず後始末をしています。」と答えたのですが、男性は納得いかないようで、「本当にあなたではないんですか?」と食い下がられました。その後も男性の主張は続き、なかなか帰してもらえず、私はとても嫌な思いをしました。

でも、本当はその男性も、もとは犬に好意的な人物だったかもしれません。常に自分の車の近くにフンが放置されていなければ、私たちにこんなことを言ったりしなかったはずです。フンの放置は犬嫌いの人たちを助長させ、ルールもどんどん厳しくなります。一部の海外では犬のDNAを採取して、フンを放置した飼い主を割り出すような検討もされているのだとか。フンを持ち帰ること自体は決して難しいわけではありませんので、飼い主さんは必ず持ち帰るようにしましょう。

一方、後始末に困るのがおしっこです。一頭の犬がトイレをすると、その匂いを嗅いだ他の犬たちも次々にその場所でトイレをするようになります。いくら水で流しても何度も何度も同じ場所でトイレをされると臭いも気になりますし、植物を枯らす原因にもなります。

トイレの後は水できちんと流し、トイレさせる場所も考えましょう。皆さんも愛犬がいつもどこでトイレをしているのか、一度お散歩の時に注意してよく見てみてください。意外と人の家の壁やキレイな花壇の中、建物の建造物などにおしっこがかかっているかもしれません。「みんなしてるし大丈夫。」「ここはいつもしてるところだから。」「フンは片付けているから誰にも迷惑はかけてないはず。」と思っていても、意外なところで誰かを不愉快な気持ちにさせているかもしれません。

家の中や人の迷惑にならないところである程度トイレをさせてからお散歩に出ると、おしっこの量も減ります。トイレ事情を踏まえた上でお散歩ルートを考えてみてもいいかもしれませんね。

 

犬たちにとって住みよい世界を作るために

マナーはきちんと守る

犬と一緒に暮らしている人もそうでない人も、みんなが快適に暮らすためにマナーがあります。マナーを守るということは、周囲の人々への気遣いを忘れないということ。多くの人が通る場所にフンを放置したり、犬をクレートに入れないまま満員電車を利用したり、たくさんの子どもが遊んでいる広場で犬をノーリードで散歩させることは、明らかに周囲への気遣いに欠ける行為です。

公共の場でお散歩をする際はリードをつけ、トイレもきちんと後始末をしましょう。犬を連れ込む際にルールがあるなら、そのルールをしっかり守り、他人に不愉快な思いをさせないようにしましょう。飼い主側がきちんとマナーを守っていれば、世間の人々も安心して犬を受け入れられるようになるはずです。

 

犬嫌いな人がいることも理解する

マナーを意識する時に注意しなければならないことがあります。それは、世の中全ての人が犬を好きとは限らない、ということ。過去、犬に噛まれたり追いかけられたりして犬全般が苦手という人もいるでしょうし、自分の犬は平気でもよその犬は怖いという人もいるでしょう。犬アレルギーだから近づきたくないという人もきっといるはずです。そんな人と犬好きな人の許容範囲にはズレがあることを理解しておかなければなりません。

「うちの子はおとなしいから大丈夫。」「うちの子は小さいから怖くないはず。」「うちの子は可愛いからみんな好意を持ってくれるだろう。」という気持ちから配慮に欠ける行動してしまうと、犬嫌いの人にさらなる苦手意識を植え付けてしまったり、苦情やクレームへ発展してしまう可能性もあるからです。

 

犬好きな人が集まる場所でも気遣いは必要

最近は飼い主さんと愛犬が楽しむための様々な施設が充実していますよね。ドッグランやドッグカフェ、愛犬と一緒に泊まれる宿なども増えてきました。こういった施設を利用するのは、愛犬家や犬好きの方が多いと思いますが、だからといって何をしてもいいというわけではありません。人間用の食器を犬に使わせたり、犬用の敷物を使わないでソファに乗せたりすることは当然してはいけませんし、トイレや無駄吠えなどのトレーニングができていない子は、まずはきちんとしつけをしなければなりません。犬連れでないお客様もいるでしょうから、そういった方達への配慮も忘れてはいけません。

こういう場でマナーを守らない人が増えると、お店側もルールを厳しくせざるを得なくなります。最悪の場合、犬の同伴が禁止になってしまうこともあるでしょう。「愛犬さえ楽しければそれでいい」という気持ちが、結果的に愛犬の暮らしを狭めていくことに繋がるのです。

 

最後に

日本の犬たちを取り巻く環境はまだまだ改善すべきことがたくさんありますし、飼い主さんの意識で変えられる部分も多いと思います。飼い主さん一人ひとりが意識することで、犬たちの暮らす世界がもっともっと素敵なものになっていくといいですね!