愛犬が本当に喜んでくれることって?

都内といえどペット同伴でお出かけできる場所というのはまだまだ限られているため、愛犬むーたんを連れてお出かけをするときは、私と同じような犬連れの方とよくすれ違います。犬たちの様子を見ていると、飼い主さんとのお出かけを楽しんでいる子もたくさんいる一方で、飼い主さんに付き合わされるような形で、つまらなそうにしている子もチラホラ見かけます。

 

キレイに着飾ってはいるけれど

犬連れさんにオススメ!水元公園

東京の葛飾区に、水元公園という美しい水郷公園があります。広大な敷地内には大きな川が流れ、森林も草地も湿地もあって、愛犬とお散歩するには絶好のスポットとなっています。その情報を仕入れた私たちはむーたんの喜ぶ姿を見たくて、早速週末に出かけました。

公園に着くと犬連れの人たちがたくさんいました。敷地が広いので大型犬も多く、みんな土の匂いを嗅いだり、水辺の様子を観察したり、芝生の感触を楽しんでいました。むーたんもそんな子たちに混じって散策を開始。鳥を追いかけたり、土の上を転げ回ったりして、あっという間にドロドロに・・・。

メタセコイアの森林を抜けると芝生広場があるということだったので、私たちは森林の中へと続く細道を入っていきました。落ち葉がたくさん落ちていて、むーたんはわざと落ち葉の上を歩いてカサカサさせていました。メタセコイアはまっすぐに伸びる背の高い樹木で、秋になると燃えるような赤色になります。私たちが訪れたのも秋だったので、美しい紅葉を眺めながらのお散歩はとても気持ちがよかったです。

 

公園で開催されていた撮影会

(イメージ画像)

 

しばらく歩くと、キレイに着飾ったトイプードルが10頭弱、道端に一列に並んでいました。トイプー同士のお友達のようです。みんなきちんとしつけられているのでしょう。リードを離されても、一列に並んでじっとしています。

その近くに5人くらいの飼い主さんがいて、全員がトイプーから離れたところに立ち、シャッターを向けて、「こっち向いて!」「動かないで!」「こっち、こっち!」と言っていました。しかし、むーたんだけでなく、多くの犬がその子たちのそばを楽しそうに通り過ぎていきます。それにつられた左端の小さなトイプーちゃんが、列から離れてしまいました。すると、飼い主さんの1人が「もー、動かないでったら!やり直し!!」と言ってその子を捕まえ、また列の中に戻してシャッターを切り続けました。

私たちがメタセコイアの森林を抜け、小川の流れる芝生の広場に到着した頃も、まだ撮影会は続いていたようです。むーたんが広々とした芝生の上を駆け回り、小川で水浴びをするカラスの様子を見に行って、私たちと座って休憩している時に、さっきのトイプーちゃんたちが広場にやってきました。あの子たちもやっと広場で遊べるんだな、と微笑ましく思って見ていたら、今度は小川のそばに一列に並べられて、再び撮影会が始まりました。

多くの犬が芝生の上でゴロゴロしたり、匂いを嗅いだり、走り回ったりしている中で、結局その子たちは最後まで列を乱すことを許されませんでした。撮影会は日が暮れる前に終了。撮影会が終わると同時にそれぞれが飼い主さんに抱きかかえられ、お人形のようにフワフワした毛を少しも汚すことなく、お家へ帰っていきました。

 

犬にとっての喜びとは

撮影会は飼い主側の喜び

(イメージ画像)

 

愛犬の撮影会は犬が主体になっているようで、実際は飼い主さん側が楽しむためのものです。そもそも犬たちは、自分を美しく見せることに価値を見出していません。毛がボサボサになっても、目ヤニや埃がついていても、「可愛いお顔が台無し!」と思うのは飼い主だけで、犬たちはそんなこと、気にも留めていません。

一列に並べられていたトイプーちゃんたちも、綺麗なレースの服や上手にセットされた髪型に喜びを見出したりはしていないはずです。現像された写真を見ることだってできないのですから、撮影なんて楽しくもなんともないでしょう。そんなことより、芝生の上を歩きたかったはずです。お友達と一緒に、広い公園を走りたかったはずです。本当に気持ちのいい公園だったのです。大好きな飼い主さんと一緒に、心ゆくまでお散歩を楽しみたかったに違いありません。

 

自己満足な飼い方になっていないか?

犬をキレイに着飾ること以外に、犬をカフェに連れて行ったり、犬の撮影会をしたりすることも、飼い主さん側の楽しみです。私もむーたんに服を着せたり、一緒にカフェに行ったりするので、そういった楽しみ方を否定するつもりはありませんが、それが飼い主さん側の楽しみであることを自覚しなければならない、と思います。「自分が楽しいから愛犬もきっと楽しいだろう。」と思い込んでしまうと、我慢してくれている愛犬の気持ちに気付けなくなるからです。

どんなに可愛くておとなしくても、犬はぬいぐるみではありません。感性豊かな生き物なのです。言葉にできない、声にならない愛犬の気持ちを汲み取ってあげることも、飼い主の大切な役割だと思います。

 

最後に

むーたんが洋服を着たりカフェでまったりしたりすることに興味がないのと同じように、私もむーたんが目を輝かせながらクンクンしている土や電柱の価値はわかりませんし、当然興味もありません。でも、しっぽをピーンと立てて、楽しそうにしているむーたんを見ていると、とても幸せな気持ちになります。むーたんの愛らしい瞳も美しい被毛も大好きですが、それ以上に、驚いたり、笑ったり、真剣になったり、コロコロと変わる表情豊かなむーたんとの暮らしが、私にとっては一番の宝物なのです。

 

 

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。