認定団体の活動レポート

FIV(猫エイズ)キャリア猫も普通の生活を

アニドネ認定保護団体『ねこ友会』さんは、TNR活動等様々な猫の保護活動を行っています。また、ねこ友会さんは、FIVキャリア猫も普通の生活ができるようにという想いで2023年に「ねこハウス」というシェルターの運営を開始し、保護・譲渡活動を行っています。
今回は、そんなFIV(猫エイズ)キャリア猫の保護・譲渡活動に焦点を当てて、活動レポートとしてお伝えします。

FIV(猫エイズ)キャリア猫とは?ねこ友会さんが考えるFIV キャリア猫に対する課題と想い

FIV とは、「猫免疫不全ウイルス(Feline Immunodeficiency Virus)」というウイルスのことで、別名「ネコエイズウイルス」とも呼びます。
猫がこのウイルスに一度感染してしまうと、ウイルスが身体からいなくなることはありません。ただし、ウイルスに感染してからといって、すべての猫が発症するわけではありません。このように感染していても、発症していない猫を「FIV キャリア猫」と呼びます。

 

ねこ友会さんは、これまでたくさんの FIV キャリア猫を見てきたとのことです。その中には、歯肉炎になりやすい猫、アトピーのような皮膚炎が出た猫、風邪症状が出やすい猫がいたようですが、対処する治療をすれば、改善もしくは治癒しているようです。

一方、世間一般にはエイズに対する負のイメージが強いため、譲渡につながりづらいという点に、ねこ友会さんは課題感を抱かれております。よって、正しい情報を発信し、これまで進まなかったFIV(猫エイズ)キャリア猫を譲渡につなげていきたいという想いを掲げて活動されております。

以下団体さんからのコメントです。

「人間が感染するエイズウイルスと同様に、猫が感染するこのウイルスも、発症していなければ特別な投薬や治療が必要ありません。ウイルスの潜伏期間が 10 年~15 年と長いため、多くが発症しないまま、長生きし寿命をまっとうすると言われています。また、このウイルスは、主に猫同士のけんかなどによる咬傷で、唾液や血液中に含まれるウイルスが傷を介して感染しますが、人間や他の種の動物にうつることはありません。よって、発症しないための予防を心掛けておけば、必要以上に怖がることはありません。生活環境を適切に整えることで長期間にわたってうまく付き合っていける病気です」

ねこハウスのテラス

 

ねこハウスの屋上

無事に卒業した「ピカ君」

今回は、無事に卒業したFIVキャリア猫の「ピカ君」を紹介したいと思います。

保護経緯

新木の駅前でいつもウロウロしていた妊娠三毛猫の捕獲中に、別の3匹の猫も表れ、代表である桑野さんが全部捕獲してくれました(流石TNRのプロ)。その一匹が「ピカ君」でした。ピカ君は初期にシェルターで保護したあとは、預かりボランティアさんの家で生活をしていました。

保護当時は、あまり人馴れが出来ず、預かりさんも悩まれたようですが、桑野さんはじめねこ友会の皆さんにアドバイスを貰いながら接していたら、だんだんと心を開いてくれるようになったとのことです。また、健康状態についても、特に何かの症状が出ることも無いため、健康で毛艶も良く、なんの問題もなかったとのことです。

 

譲渡のきっかけと現在

ジュリちゃんというFIV猫の里親さんが、ピカ君の里親としても名乗り出てくれたようです。
ジュリちゃんも FIV 陽性で、先住ちゃんも同様だったので、その方はFIV 陽性にはとても理解があったとのことです。

現在、ピカ君は元気でのびのびと楽しく過ごいます。ご家族みなさんで可愛がってくれていて、別に住む息子さんや娘さんがピカ君に会いたくて、定期的に実家に帰って来るそうです。

写真を見ると幸せそうですね。

 

ピカ君の現在①

 

ピカ君の現在②

 

 

ねこ友会さんからのメッセージ

最後に、ねこ友会さんからメッセージです。

「ねこ友会で保護した FIV キャリア猫は、皆元気です!保護猫を飼いたい多くの皆様に、保護された猫には FIV キャリアの猫も数多いこと、そして大変な病気ではないということを知っていただけると嬉しいです。保護されている子達がずっとのおうちに結びつくよう、『こんなにかわいいんですよ』というアピールを続けていきたいと思います」

 

FIVキャリア猫を保護するだけでなく、積極的に情報を発信し、譲渡につなげている「ねこ友会さん」。これからもFIVキャリア猫の保護活動を継続していくためには、多くの方のご寄付やご支援などが不可欠です。
ねこ友会さんの活動がより多くの人に知られ、保護猫たちの幸せな未来につながることを願っています。

 

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