保護犬がドクタードッグ活動で社会貢献『思いやりの連鎖』

アニドネ認定啓発団体『認定特定非営利活動法人 ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン』さんは、設立当初から『ペット動物たちの幸せは私たち人間の幸せに直結している』という理念のもと、様々な活動を約20年間続けておられます。

その中でも、今回は『ドクタードッグ活動・ペッツくらぶ～ひよこコース』をご紹介します。

飼育放棄を予防する『ドクタードッグプログラム』

『ドクタードッグ』とは、アジア動物基金（本拠地：香港）による国際統一規定のトレーニング『ドクタードッグプログラム』を受け、資格認定を受けた犬のことです。

 

日本では、ペッツさんが2001年に初のドクタードッグ認定団体となり活動を開始され、2023年には日本における活動権限をアジア動物基金から委譲されました。それを機に『ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン・ドクタードッグ』として商標を登録して、トレーニングと認定テストを実施されています。

認定されたドクタードッグと飼い主は、高齢者施設や児童施設などを訪問する社会貢献『ドクタードッグ活動』を行うことが出来るようになりますが、ペッツさんは、別の副産物もあると考えておられます。事務局長の石本さんにお話しをお伺いしました。

 

ー『ドクタードッグプログラム』がもたらす副産物とは何でしょうか？

 

「飼い主と動物が協力して目標を達成する（ドクタードッグ資格を取得する）過程で、お互いが安全で楽しく幸せに暮らせる関係を築くことが出来ます。これは、躾をせずに育った犬が最終的に飼育放棄されるといった事態を未然に防ぐと信じています」

 

なるほど。ドクタードッグになって社会貢献することも大変に意味がありますが、飼い主とドクタードッグの幸福な未来にも繋がるとは嬉しい副産物ですね。

『ドクタードッグ活動』で乳幼児の動物コミュニケーションと地域交流

ペッツさんでは、従来よりドクタードッグ活動として、高齢者施設を訪問する動物介在活動や、子どもと保護者を対象にした教育活動を実施されていますが、2023年からは新たな教育活動『動物たちのきもちを考える事業・ペッツくらぶ』もスタートされました。中でも『ひよこコース』は毎月開催される人気コースのようです。

 

ー『動物たちのきもちを考える事業・ペッツくらぶ』について教えて下さい。

 

「参加対象年齢を細かく絞ることにより、より丁寧な教育活動に繫げようという試みです。『ひよこコース』は０～3歳児の未就園児を対象にしています」

 

ー随分と小さな子供たちを対象にしているのですね。

 

「まだ言語を使えない乳幼児だからこそ『動きを目で追い』『触ることで温かさを感じ』『表情を観察することで気持ちを想像する』経験は、心の成長に大きく繋がります。初めての動物コミュニケーションが成功体験となるように、ドッグトレーナー・子育て経験者・教育関係者など専門知識のある方々にもバックアップを頂きながら開催しています。また保護者の方にとっても、動物に対する正しい触り方や姿勢を学んでいただける良い機会になっていると思います」

 

 

「とある回では、1歳の赤ちゃんがイベント中に初めて立って歩くことができた！というサプライズもありました。これには、保護者の方が驚いたことはもちろん、『産まれて初めて』に遭遇した他の参加者さん・ボランティアさん・スタッフも皆感動し、お互いの気持ちを分かち合う良い地域交流の時間にもなりました」

『思いやりの連鎖』で目指す人間と動物の共生

 

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