認定団体の活動レポート

【特定非営利活動法人ねりまねこ】実感する成果と、実現したい未来のためにできることを

特定非営利活動法人 ねりまねこさんは、東京都練馬区で人と猫が平和に共生できるよう地域猫活動を行なっています。

保護・譲渡活動だけでなくセミナーや講演会を実施し地域住民に対する広報・啓発はもちろん、同じ猫ボランティアや愛護団体そして行政担当者への情報発信にも取り組んでいます。

最近の活動状況や今後の活動について、代表の亀山さんにお話を伺いました。

子猫が激減!閉まりはじめる蛇口

ー最近の活動について教えてください

 

「これまで2千匹を超える野良猫の不妊去勢手術を進めてきたおかげで子猫の出現数が激減しました。具体的な数としましては、

 

・令和3年度 不妊去勢手術数150匹 (うち保護94匹)

・令和4年度        92匹 (うち保護50匹)

・令和5年度        21匹 (うち保護10匹)

 

といったように手術頭数と保護頭数の両方が着実に減ってきています。

また、SNSを使って練馬区での野良猫や子猫の相談を受けていますが相談件数も少なくなり今までの成果を感じています」

地域猫活動において子猫が減るということは大きな意味を持ちます

 

ねりまねこさんの活動の基本は“TNR”であり、「飼い主のいない猫はまず繁殖抑制が優先」を活動方針として挙げられています。

野良猫はもちろんのこと一般家庭にいる飼い猫にも不妊去勢手術の実施を徹底、つまりは蛇口を閉める活動をする。それが人と猫が平和に共生できる町づくりに繋がる 蛇口対策の重要性をSNSや講演会を通して何度も伝えていたねりまねこさん。

少しずつですが確実に蛇口は閉まってきているのだと感じました。

ボランティアの集大成、そしてこれから

3年ぶりに行政担当者限定の勉強会を開催されたそうですが、そのお話をお聞かせください

 

「地域猫活動をするにあたって大切なのは官民協働で対策を行うことです。そのためにも地域住民、同じ活動をするボランティアや愛護団体、そして行政への広報・啓発は欠かせません。そして今回、コロナで自粛していた行政担当者限定の飼い主のいない猫問題 勉強会3年ぶりに開催しました。

野良猫問題で頭を悩ませているのはボランティアや団体だけではありません。

市民の中には、野良猫を可愛い・可哀想と思う人もいれば、迷惑な存在だと思う人もいます。

双方の意見を聞き、問題解決を図るにはどう動くべきかと行政職員も頭を抱えます。

今回の勉強会は動物愛護管理行政を担当する関東の職員へ、様々な事例や対策方法などを地域猫活動に精通した行政職員・元職員・私たちねりまねこで講演させていただきました。

地域猫対策の方法はひとつではなくその地域によって様々で、現場に合わせた柔軟なやり方をすべきだということ、社会貢献として認められにくい猫ボランティアの活動をどうしたら市民の理解と協力を得られるものに変えられるか など行政担当の立場だからこそぶつかる問題に着目し具体的なアドバイスを伝えることができたと思います」

 

会場にはたくさんの行政職員が

 

今年1月に開かれた今回の勉強会には約70人の行政職員の方が参加されたそうですが、先日開催された第8回勉強会は環境省の後援さらにはライブ配信を行い全国規模に拡大。北海道から沖縄まで400人以上のお申し込みがあったとのことです。

「現場での活動が減ってきた分、今後は全国に向けての広報・啓発に力を入れていきます」と話す代表の亀山さん。

勉強会だけでなく、動物愛護推進員の研修会の講師を依頼され東京都と山梨県で講演を行い、その他にも大阪府・新潟県・埼玉県での講演活動もすでに終えているとのことでした。

今までの懸命な活動があったからこそ現場での保護頭数や相談数が減り、ビジョンとして掲げていた“1人で100匹を救うのではなく、目の前の1匹を救える人材を100人育てる ミニねりまねこ育成のための広報・啓発運動に力を入れることができ、その思いが各地域のボランティア・地域住民・行政へ伝わり始めているのだと思いました。

官民協働の対策について講演されるねりまねこ代表 亀山さん

 

ー今後予定されているイベントやセミナーなどはありますか?

 

「直近のイベントはこちらです。

8月5日(土)の午後1時〜午後4時半まで、神奈川県川崎市で地域猫活動についてのセミナーが開催されます。すでに野良猫や地域猫との関わりがある方も、どんな活動をしているのか全く知らない という方もどなたでも参加できるセミナーになっております。ぜひ近隣にお住まいの方でお時間合う方いましたらご参加ください」

川崎市地域猫活動セミナーの詳細は、こちらからご覧いただけます。

 

お互いの違いを認め合い、より住みやすい町へ

今回亀山さんがお話ししてくださった行政担当者限定飼い主のいない猫問題 勉強会の詳しい内容は、亀山さんが毎日更新されている『ねりまねこ・地域猫』ブログに掲載されています。その中でも特に印象に残った部分がありました。

 

野良猫問題は、猫をめぐる多様な価値観を持った人間同士の問題。猫が好きな人、苦手な人、どちらもいて当たり前でその上でお互いの違いや意見を認め合う。そしてできることなどを話し合い活動を進めるのがポイント

 

とても素敵で中立的な考えだと思いました。人と動物が平和に共生するためには動物が好きな側と苦手な側どちらに傾きすぎても解決はしません。

お互いに苦手意識を抱きコミュニケーションを取らずにいたら関係は悪化するでしょう。

どちらもいるからこそ話し合うことは必要不可欠で、問題を乗り越えるための鍵となるはずです。

日々両者の幸せを模索し活動されているねりまねこさんへのご支援を今後ともよろしくお願い致します。

*********************************

◆「特定非営利活動法人 ねりまねこ」さんのご紹介・ご寄付のページはこちらからご覧いただけます。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

*********************************