認定団体の活動レポート

【アニマルレフュージ関西】シェルターで新しい家族を待つ保護動物たち

アニドネ認定保護団体認定特定非営利活動法人アニマルレフュージ関西(通称アーク)は国際水準の動物福祉センター設立を目指し、「動物の5つの自由」の理念を基本とした保護シェルターを運営されています。今回は、アークのシェルターで 過ごす保護犬たちのなかでも、2023年2月8日に旅立った保護犬ジゲンについてお伝えします。

ジゲンは2006年に入所してから約17年間、シェルターで時を過ごした保護犬です。多くのスタッフ・ボランティアに不思議な魅力をふりまくアイドル的なジゲンが最期を迎えた日は、犬舎に見事な虹がかかっていたそうです。

アークの仙人、ジゲンじいちゃん
19年の犬生を全うしました

たくさんの愛に包まれたジゲンの生涯

多くの関係者から愛されたジゲン。お世話をされていたスタッフの方に伺いました。

 

ジゲンとの思い出に残っているエピソードを聞かせていただけますか?

 
「とにかくご飯が大好きで、『食べ物をくれる人には、どこへだってついていきます!』『おやつがないならお散歩いかないよ!』と言うジゲン。ボランティアさんやスタッフが、必死におやつを見せながら、お散歩に連れ出している光景は、とても微笑ましいものでした」

「まだ食べてませんよ?」とおかわりを要求するジゲン

 

「高齢になってからは、夜中に犬舎で排泄してしまうようになり、毎朝笑ってしまうくらい悲惨な状況に、スタッフの叫び声が響き渡りました。当の本人(犬)は素知らぬ顔で、お掃除をするスタッフの側をウロウロ。そして、綺麗にした所にまたも。。。朝・昼・夕の3回掃除する大当たりの日もありました。『もぅ~何回するねん~』なんてやり取りが、出来ないと思うと本当にさみしいです。大変なのにいつまでも繰り返していたい、愛おしい日常でした」

わちゃわちゃする子犬を尻目に、飄々としているジゲン

 

 

ーご支援者様へメッセージをお願いします。
 
「いつも明るく前向きで自由なジゲンは、人にも犬にも誰に対しても平等で優しく、みんなの人気者でした。19才になっても、ご飯をたくさん食べて、犬舎周辺を自由にウロウロする、スーパーじぃちゃんジゲン。お家を見つけてあげることは叶いませんでしたが、皆様のご支援のおかげで、満足な治療と内服の継続をしてあげることが出来ました。ジゲンにとってアークがお家であり、関わってくださった皆様が家族です。たくさんの愛情を本当にありがとうございました

自由でマイペースなジゲンの犬舎パトロール

 

2022年には篠山市長寿犬として表彰されました!

無責任な飼い主に見捨てられた7頭の犬たち

いつもマイペースに篠山アークでの生活を満喫していたジゲンじぃちゃん。彼がアークに入所することになった経緯を、奥田様にお伺いしました。

 

ージゲンは、なぜアークに入所したのですか?
 
「最初は『引っ越しの為に少しだけ預かって欲しい』という一時預かりの依頼でした。ですが、その後のお迎えはなく、引き取った7頭はそのまま置き去りです。当然、費用が支払われる事もありませんでした。今にして思えば、『年齢が全て推定でしか分からない』『数頭しか名前が付いていない』など、引き取りの際に色々聞くべき事はあったと思い出されます」

入所当時から不思議な雰囲気をもっていたジゲン

ー飼い主に見捨てられてしまった7頭。その後はどうなったのですか?
 
「アークで里親を探すことになりました。5頭は里親が見つかりましたが、自己免疫疾患で若い頃からお薬が欠かせなかったジゲンを含む2頭は、残念ながらアークで生涯を終えました。譲渡が決まった5頭のうち3頭も、約11年間という長い間アークで暮らしました。もっと早くに家族を見つけてあげられたら良かったのにと、思わずにはいられません」

アークでのんびり自由に生きたジゲン

譲渡を諦めないスタッフたちの保護犬への愛

シェルターには、様々な事情で保護動物達が入所しています。入所して間もなく、ずっとのお家が見つかる子もいれば、ジゲンの様にアークが終の棲家になる子もいます。

 

ージゲンのように、シェルター生活が長期に渡るケースは多いのですか?

 

「もちろん、その子の状態が影響することではありますが、海外では譲渡までの動物の滞在時間は日本に比べて圧倒的に短いことは皆さまもご存知だと思います。私たちもそのことは常に念頭に置いて、1日も早い譲渡につなげるよう、PR活動に努めています」

 

ジゲン以外にも、持病があったり、高齢だったりして、長くシェルターで生活している子がいます。どの子も日々丁寧なケアを受けていますが、スタッフの一番の願いは、ずっとのお家を見つけてあげること。アークさんでは、インスタグラムブログ でリアルタイムな情報を発信して、常時里親募集を行っています。また、保護動物と直接触れ合えるボランティア活動も、公式ホームページにて毎月10日~15日頃に案内されています。

 

推定16歳のゼロも、アーク生活10年目
フレンドリーな、つばめおばぁちゃん
甘えん坊のネオは、アークで日々社会勉強中
推定18歳のペッパーおばぁちゃんは、エイズ陽性ですが穏やかに暮らしています

 

動物を家族に迎えようと思われたときには、アークさんのような保護シェルターで、ずっとのおうちを待ち望んでいる子たちがいることも理解して選択肢に入れられる人たちが増えることを願っています。これからもアークさんへのあたたかいご支援をよろしくお願いします。

 

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