【公益社団法人 日本動物病院協会 JAHA】コロナ禍における活動について
獣医師の卒後教育を主な目的に、アメリカ動物病院協会を手本として1978年に創立された「公益社団法人 日本動物病院協会 JAHA 」。現在まで「ヒューマン・アニマル・ボンド(人と動物の絆)」の理念のもと、様々な活動を行ってきました。
今回はコロナ禍での2022年の活動について、事務局の山内さんにお話を伺いました。
図書館での読み聞かせプログラムを再開
ー コロナ禍での活動について教えてください。
「2022年3月21日に全国18都道府県でのまん延防止等重点措置が解除されたことを受け、当会のコロナ禍での活動ガイドライン、それぞれの施設での感染予防対策に基づき、ご要望のある施設との活動再開に向けた調整が始まりました。
特に、元々小規模で密になりにくい図書館での読み聞かせプログラムは、ご要望もあり早期に再開が実現しました」
ー どのようなプログラムなのでしょうか?
「このプログラムは、子どもが犬に本を読み聞かせるというプログラムです。1999年にアメリカで始まりました。犬は、何も評価をしないで静かに寄り添って聞いてくれます。子どもにとって犬は、プレッシャーや失敗を怖がらずに読める良い聞き手となるのです。自己肯定感や達成感を味わうと同時に、犬のために家で読む練習をしてきてくれたり、犬に本の絵が見えるように工夫してくれたりと、思いやりや優しさ、子どもたちの心の成長も感じられるプログラムになっています」
ー コロナ禍での開催ということでしたが、いかがでしたか?
「参加人数を減らしたり、犬との正しいふれあいの仕方やさわってはいけない時をレクチャーするデモンストレーションの時間を、動画に置き換えて時間短縮や会話を減らすなどの工夫をしながら『今できる形』に変えて再開をしました。短い時間ではありますが、読み聞かせの後にふれあいの時間も設け、犬の温かさや毛の柔らかさを感じてもらっています。
他にも小学校や児童館からもお声をかけていただき、訪問を実現することができました。元気いっぱいのお子さんたちとの交流は、私たち訪問する側もパワーをもらえます。ボランティアさんも皆笑顔の時間を過ごすことができました」
ー 犬たちの様子はどうでしたか?
「参加したCAPP活動*犬たちは素晴らしい活躍ぶりでした。
2年以上の活動休止で犬たちは活動のことを忘れてしまっているのではないか、少し心配していましたが、まったくその必要はありませんでした。かえって一緒に参加している人間の方がドキドキしていたのではないかというくらい、犬たちはブランクを感じさせない活動っぷりでした。人の多い場所に行くことや、知らない人と出会うことの少なかった2年間だったと思うのですが、犬たちは活動のことをちゃんと覚えていて、コロナ禍前と変わらず楽しそうに活動する姿を見せてくれたことはとても嬉しい出来事でした」
*CAPP活動:人と動物のふれあい活動(Companion Animal Partnership Program)の略称。動物介在活動、動物介在療法、動物介在教育などのアニマルセラピー
「どくしょ犬って知ってる?」イベント企画で子どもたちとの出会いを
「2022年11月には、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルとの共同企画『どくしょ犬って知ってる?』の発表会を行いました」
ー どのような試みなのでしょうか?
「東京の『代官山 蔦屋書店』をお借りして、書店にて子どもが犬への読み聞かせを行うあらたな試みです。財団代表の滝川クリステルさんの強い願いもあって実現することとなりました。
本格始動はまだこれからとなりますが、ここでもCAPP活動犬と子どもたちとのたくさんの素敵な出会いが待っていることと思います」
「施設の特性上、医療施設や高齢者施設、障碍者施設での全面再開はまだまだ時間がかかりますが、高齢者施設での活動については少しずつ再開できてきました。冬は感染症の流行期ですので、再開してもまた中断…ということもありますが、少しずつ進んでいくことを願っています」
困難な状況下でも、工夫をしながら活動を続ける様子がとても印象的でした。
引き続きJAHAさんへのご支援をよろしくお願いします。
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