認定団体の活動レポート

【特定非営利活動法人 ねりまねこ】人と猫が暮らしやすい社会を目指して

アニドネの認定団体である「特定非営利活動法人 ねりまねこ」さんは東京都練馬区で行政と連携をとり、人と猫が平和に暮らす社会の実現を目指し活動されている保護団体です。

 

セミナーや講演を通じて不妊去勢手術の推奨、地域猫活動の普及啓発を実施すると共に行政と協同で対策を行う団体・アドバイザーとして勉強会や情報交換会を主催し、同じ活動を行うボランティアを支援されています。

 

新型コロナウィルスの影響で、セミナーや講演会が全て中止になっていた「ねりまねこ」さんですが今年(2021年)の3月にオンラインでのセミナーを開催されました。

アニドネスタッフも参加しましたので、その内容をレポートします。

 

要望を言うだけでなく、歩み寄る大切さ

今回のセミナーでは、長野県上田市のボランティア団体・行政(保健所)・獣医師の三者の方々がそれぞれの立場で取り組まれていることや、地域猫活動をするにあたっての工夫などをお話してくださいました。

 

 

ボランティア団体の代表としてお話をしてくださったのは「特定非営利活動法人 一匹でも犬・ねこを救う会」さん。

行政との信頼関係を構築しながら地域猫活動に尽力している団体さんですが、最初から良い関係が築けていたわけではないそうです。

 

以前は行政に対し要望や相談案件を一方的に押し付ける形になってしまっていたそうですが、それでは連携が取れないことに気付き、ただ意見をぶつけるのではなく

〝行政に協力させてほしい〟

〝そのためにこうさせて欲しい〟

ということを伝えたといいます。

 

対等な立場になって意見を出し合うことを大事にした結果、保健所の担当者から相談を受けたり、譲渡会のための場所提供やイベントの後援についてくれるようになったそうです。

 

行政とボランティア。お互いに必要不可欠な存在

行政の立場としてお話ししてくださったのは、長野県上田保健所のスタッフの方です。

 

ボランティアと行政の間で苦情のやり取りが行われることや、活動の協力を仰ぎたくても独自の活動で忙しくしているボランティアの負担になってはいけないと判断し対応をふらないようにしていることなど…、行政の立場でないと気付けなかったことを知ることができました。

 

処分ゼロを目指すボランティアと、処分ゼロにするためにボランティアの協力を必要としている行政。

 

両者が目標を達成するためにはやはり、お互い歩み寄って信頼関係を築き、相談し合うことが大切だと強く思いました。

 

ボランティア・行政・獣医師の三者で、人と動物の共生を目指す

ボランティアと行政が連携を取り保護活動を行なっても、不妊去勢手術をしていない野良猫や地域猫が多ければ根本的な解決にはなりません。

猫の数が増え続け、地域住民への被害やそれによる苦情が増えてしまいます。

それを防ぐために獣医師が活動に参加することがとても重要になってきます。

 

実際にボランティア、行政、そして地域住民に協力して活動を行なっている獣医師の方のお話も今回聞くことができました。

 

地域によってはボランティアスタッフの人数が少なく、地域住民の方が集まって地域猫活動を行なっている場所もあるといいます。

その場合、猫の管理の仕方やお金に関する問題、手術や医療処置についてなど、様々な事が住民の方の負担になってしまうため、その負担を軽減するべく活動に参加しているそうです。

 

不妊去勢手術やTNRを実施しながら、適正管理のための勉強会(啓発活動)を行うことで、ボランティア・地域・行政それぞれと密に関わることができ、その経験を今回のようなオンラインセミナーやイベントで発信し人と動物の共生を目指していきたいとのことです。

 

 

今回のセミナーに参加して、普段聞くことのできない行政・獣医師目線の話を聞くことができたのはとても貴重な経験でした。

三者で協力し合い活動を行うにはまだクリアしなければいけない問題も多くあり、すぐには難しいかもしれません。

しかしボランティア・行政・獣医師それぞれが、人と動物が住みやすい社会を作りたいという目標を持っていること、そしてそのためにもお互いが必要不可欠であることに気付き協同できるよう動いていくことができればきっとより良い社会作りに繋がることでしょう。

 

 

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