【特定非営利活動法人 ファミーユ】推定17歳ピントちゃん。治療をしながら過ごす余生

アニドネの認定団体である「特定非営利活動法人 ファミーユ」さんは、愛知県を中心に保護活動を行う保護団体さんです。その時々の動物福祉の問題に対して解決法を提示している団体さんです。
現在は老犬老猫の保護がとても多いそうで、2015年には老犬シェルターを作られました。

 

認知症の飼い主の遺族からの持ち込み

ピントちゃんが名古屋市動物愛護センターから保護されたのは、2018年9月。それ以降、ずっとファミーユさんの老犬を担当するボランティアさんの自宅で過ごしています。
センターに収容された理由は、飼い主のおばあさまが亡くなり残されたおじいさまが認知症だっため、親族がセンターに持ち込んだそう。

保護当時より、心疾患と歯周病が進行しており、少し喜んだだけで失神をしていたそう。なので、現在は、心臓病だけで3種のお薬、他に肝臓1種、抗生物質1種、整腸剤1種を飲んで安定した生活を送っているそうです。

ピントちゃん。笑顔がかわいい!

ただ、進行した歯周病で痛みがあるようで、食べることを躊躇することもあるのだとか。なんとか抗生剤の注射で痛みを抑えはするものの、膿は毎日鼻から出ており、うっすら血がにじんでいることも。

 

ファミーユ代表の熊崎純子さんのお話です。
「ピントは、もともと食が細く、食べられるものも限られるため日々の食事が現在一番の課題です。一時期膵炎を頻発していたため、好きなものだけ食べさせるわけにもいかないので手探りでいろいろと作り、療法食も併せて様子見をしています。食べないと肝臓が悪化してしまうため、時には強制的に食べさせることもあります。手がかかりますが、老犬に慣れたスタッフが手厚くお世話をしています」

たまにお顔が腫れることもあるそう。手厚い看護を受けるピント

 

老犬シェルター5年間で55頭を収容

熊崎さんが老犬シェルターを作ったのは、2015年の5月。

愛護センターに収容される犬猫たちの高齢化が目についてきた頃でした。若い保護犬猫は里親さんが見つかりやすい傾向にあります。

当然、里親になる方もせっかく迎えるのならば、長く一緒にいたい、と思う気持ちもわかります。

 

しかし、増えているケースは、高齢の飼い主が健康状態が悪化し施設に入所することや亡くなることにより、高齢のペットを愛護センターに連れていき処分を希望すること。致し方ない理由が多いとはいえ、人間の都合で振り回されてしまう犬猫。その犬猫たちを、終生飼養を覚悟で保護するのは生半可な気持ちではできない保護活動だと思います。

ある日の老犬シェルターの様子。さまざまな過去を持っている子達。シニアならではの、おっとりしたかわいさ

 

何歳くらいの子がどのように過ごしているのか聞いてみました。
現在は、痴呆が入っている手のかかる子が多いので、老犬シェルターに滞在するのは10頭までと決めているそうです。

 

暑くなってきたので、ヒエヒエマットを敷いてもらったそう

 

推定16歳のメリルちゃん(柴犬)にくっついているのは、優作くん(チワワ 推定8〜10歳)

 

シェルターがいっぱいになると看取りボランティアさん宅へ移動するそうで、現在13歳~17歳の計7頭が個人宅で余生を過ごしているとのことです。

 

アニドネスタッフ、この記事を書きながら『看取りボランティアができるか』と自分に問いてみました。たとえ住環境が整っていて時間があったとしても、、私にはとてもできない、と思いました。

飼い犬であっても保護犬であっても最後の数年は安心して過ごして欲しいと心から思いますが、その受け皿に自分がなれるかというと相当の知識と努力が必要だと思うのです。ボランティアに従事される方に心から尊敬の念を感じます。

 

熊崎さんが、終生ファミーユ飼育で亡くなった子達を教えてくれました。旅立った子達は、天国でファミーユ仲間と仲良く過ごしていることでしょう。

 

【命日】
2016年1月17日 希  推定13~15歳
2016年10月21日文太 推定13~15歳
2017年3月1日 先生 推定13~15歳
2017年5月17日プリンス推定13~15歳
2017年7月7日 弘樹  推定12歳
2017年8月1日 ポン太 推定17歳
2017年10月26日 恒彦 推定10~13歳
2018年7月11日 あさ 推定16歳
2018年11月21日 おじい 推定13歳
2019年5月31日 洋子  推定16歳
2019年6月11日 好子  推定18歳
2019年6月22日 ディーン推定14歳
2019年9月22日 敏朗  推定16歳
2019年10月14日 ランラン推定6歳
2020年1月14 日 マリリン推定14歳
2020年4月20日 もも子 推定13歳
2020年5月21日 錠  推定12歳
2020年9月02日ロバート推定13歳
2020年11月25日ルンルン推定10歳

計19頭

(2021年6月末時点)

 

あえてシニアを迎える里親さんたち

そして、希望のある話もお聞きしました。

「シニアだからといって、里親希望が全くないわけでないのです。過去に飼育していた犬に似ているから、とか、引取り手が見つからなさそうな子をあえて迎えたいといった方からの連絡を受けると本当に嬉しく思います。預かりスタッフの子になった子も含めて、奇跡的に里親が見つかった子が今まで22頭もいるんですよ」と。

 

ちなみにこの美人犬のダックスの薫ちゃん(推定10歳~12歳)は、最近里親さまが決まったそう。ファミーユさんでリーベちゃんというダックスの里親様になった方が、リーベちゃんを亡くし、薫ちゃんをぜひ迎えたいと有り難い申し出があったそうです。

人が好きで呼びかけると寄ってきてくれる薫ちゃん

 

人の命も動物の命も灯の火が消えゆくときは同じです。耳が聞こえなくなり、目も見えにくくなり、身体の調子が悪く不安に思うことも多いでしょう。老犬だからこそ、いつもぬくもりが欲しいに決まっています。

 

そして、本当は老犬シェルターで最期を迎えるより、慣れ親しんだ家や大好きな飼い主さんに見送られるのがいいに決まっています。

ですが、どうしても叶わぬ時、処分を選択するのではなく、あたたかい手が差し伸べられるセーフティネットのある社会にしていきたいと切に思ったファミーユさんの老犬シェルターレポでした。

 

*ファミーユさんは一般の方からの引き取りは一切行っておりません。

 

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