最新活動レポート

「ペットとの共生推進協議会シンポジウム」レポート

年末の慌ただしさが始まりそうな、
12月の8日の土曜、大きなシンポジウムが
開催されました。

主催は、ペットとの共生推進協議会。
ペットの関連業種11団体が団結して、
ペットを飼育することによる効用を
広く国民に普及啓発するために約2年ほど前に
設立された団体だそうです。

その団体が主催して、第1回目のシンポジウムが開催されました。

アニマル・ドネーションで過去取材した動物業界の専門者や
支援先の団体の方も登壇されていたので
勉強も兼ねて、取材してきました!

会場は、丸の内にある、東京商工会議所の大ホール。
600人ほど入る会場に470名もの聴講者が集まりました。
年齢層も幅広く、男性女性偏りなく来ていたように
思います。
私の隣には、かわいい盲導犬も来ておりました♪

この日は、6名もの講師が講演してくださいました。
(麻布大学の太田光明先生は体調不良により講義なし)

各先生の講演のポイントをレポートしておきます。

冒頭に、主催者の方からあいさつがありました。

越村氏このシンポジウムの実行委員長であり、
ペットフード協会の越村義雄氏。

最近のさまざまなデータや研究結果から
「長生きしたい人はペットとの暮らし」を
推奨したい、とおっしゃっていました。
ペット好きにはなんとなく感覚で判る気がします。
癒し、安らぎ、そんなものをペットは与えてくれますものね。

山崎恵子氏「動物が人にもららす恩恵」山崎恵子氏「動物が人にもららす恩恵」
医療法人雄心会山崎病院嘱託
アニマル・セラピー・コーディネーター
ペット研究会「互」主催
NPO法人聴導犬普及協会理事長

山崎先生は、アニドネでも取材させていただいたことが
あるのですが、すばらしく幅広い知識をお持ちで
かつ海外での研究結果などにも精通していらっしゃいます。
この日も、次々と「ほぉーそうなんだー」と思うお話が次々と!

私(子育て中 ^_^;)が印象的だった内容をピックアップ
いたします!

●人間は動物を見て癒されるのではなく、
動物の「様」を見て癒される
「彼らがハッピーであれば、我らがハッピー」
いいオーラを出してるからこそ、人間に癒しを与える。

●アレルギーの発症が少ない要因(米の研究結果より)
1、兄弟が多い 2、農家である 3、幼児期にペットと暮らしていた

●コミュニケーション力(米の研究結果より)
ペットと共に生活をした子供は、
人間同士のノンバーバルコミュニケーションにたけている

・・・と、お聞きした講義のほーんの一部ですが
子育て中の私に刺さった内容です。

うちの子供はまさに犬に叱りつけられ、
そっと触ることや気を使うことを覚えていると思われます。

高柳友子氏「介助犬の社会的役割について」高柳友子氏「介助犬の社会的役割について」
特定非営利活動法人 日本介助犬アカデミー 専務理事
社会福祉法人 日本介助犬協会 事務局長
医学博士

日本介助犬協会さんはアニドネの支援先です。
肢体が不自由な方のための介助犬の育成をされています。

高柳先生は、実は「人間」のお医者さんです。
もともと、捨て犬や猫を救いたく、
なにをすればいいかと考え、医者になったという
めずらしい経歴の持ち主です。

現在、日本にいる盲導犬は1043頭、視覚障害者は300,000人。
聴導犬は41頭、聴覚障害者は360,000人。
介助犬は61頭、肢体不自由者は1,750,000人。

介助犬は、まだまだ存在自体も知られていないと
おっしゃっていました。

●いま健康な人でも死ぬまでに必ず障害者になる。
だから、人ごととは思わず、介助犬が世に広まるよう
健康な方にも知ってほしい

●補助犬の寿命はペットより長いという研究結果が出ている

介助犬を取材したときに、犬たちがすごく楽しそうに
作業をしていたのが印象的でした。
どうしても、人間のために働いて無理していそう、、という
イメージがあるのですが、
「犬が楽しくないと意味がない」と介助犬協会の方は
おっしゃっていました。

佐々木信雄氏「高齢者のペット飼育を支援するシステム」佐々木信雄氏「高齢者のペット飼育を支援するシステム」
一般社団法人日本生物化学研究所 常務理事
東京大学目名誉教授

高齢者の方でペットを飼いたい方はたくさんいらっしゃいます。
私が散歩していて、よく会うご老人は「もう私の年では飼えないのよね~」と
いって、ウチの犬を愛おしそうにずぅーと触っています。
そんな方々は日本全国山ほどいると思うのですが
朗報です。
こういった団体があることは、アニドネスタッフも
初めて知りました!
特定非営利活動法人 高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク

まだ活動を初めて間もないらしく、
獣医さんのネットワークが少ないらしいですが、
これは広がって欲しい活動だと思いました。

獣医さんや看護師さんによる訪問ケアや
散歩支援(可能であればシニアの方も一緒に)などの
活動です。

年をとっても安心してペットと暮らせる社会が
実現できたら、年をとるのも悪くないかも、、と思いました。

鷲巣月美氏「ペットロスを考える」鷲巣月美氏「ペットロスを考える」
日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科
獣医臨床病理学教室 教授
獣医学博士

私はならない、と思っていても、
なるのがペットロスだそうです。

●「ペットを失くす」ことはほとんど避けられないことである
「ペットを失った悲しみ」を経験することも避けられないことである

こういった集いあるそうです。
ペットロスサポート

●ショックと否定→怒り→自己犠牲→憂鬱・悲しみ→受け入れる・解消

1年位ペットロスの状態にあることは普通のことらしいです。
また、男性と女性によって、感情のアウトプットには大きな
性差があるらしいとのこと。

山口千津子氏「同行避難ー東日本大震災から学んだこと」山口千津子氏「同行避難ー東日本大震災から学んだこと」
社団法人日本動物福祉協会 獣医師調査員

日本動物福祉協会さんもアニドネの支援先です。
山口先生にも取材をさせていただいたことがあります。
イギリスで、調査員の仕事を学ばれてこられた方です。

同行避難をするために日頃から備えておくことが
なにより重要とのことでした。

水越美奈氏「ペットの幸せは飼い主次第~同行避難もまずはしつけから~」水越美奈氏「ペットの幸せは飼い主次第~同行避難もまずはしつけから~」
日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医保健看護学科講師
日本動物病院福祉協会(JAHA)認定家庭犬インストラクター

水越さんは、しつけに関しての著書を出されています。
今回もとても分かりやすくお話をしてくださいました。

所有者明示、ハウストレーニング、社会性を身につける、
全身を触る、名前でアイコンタクト、おいで!やおすわり!

災害の備えは普段の行動から、、と。

とても参考になる話ばかりでしたが、
さすがに座りっぱなしで夕方の講義は
眠気と戦う時間もありました^_^;

来年も開催されるそうです!
ご興味のある方はこちらのサイトをチェックください!

ペットとの共生推進協議会