動物いのちの会いわて

保護団体

(2014年2月10日掲載開始)

2000年発足時から地域猫(TNR)活動開始!さらには家庭猫(TNTA)活動へ

岩手県盛岡市で、「近隣の住民の迷惑をかけずに社会に理解の得られるような活動」をモットーに地域猫活動(TNR*)をスタート。地域猫とは、飼い猫であれ野良猫であれ地域住民と共生できる猫のこと。不妊去勢を行い、餌は決められた場所を設ける等、地域住民と猫が環境・命にやさしい街で共生できるよう支援活動しています。
*TNRとは、Trap(保護)Neuter(不妊去勢)Return(戻す)のこと

盛岡市との連携で、現在は盛岡市内77か所で地域猫活動が定着。さらに年々エリアは拡大しています。

活動内容

地域猫活動、さらには家庭猫活動を実施

 

飼育放棄、多頭飼育崩壊の犬や猫の緊急レスキューを行政や支援獣医師さんと連携して行っています。

特に、放し飼いの多頭飼育崩壊の猫達は十分な世話もされないまま育ち、人になれていない「家庭内野良猫」状態であることが多いため家庭猫活動(TNTA*)を実施。人なれさせるコツや方法を広め、慣れて甘えん坊になった猫から譲渡していきます。
*TNTAとはTrap(保護)Neuter(不妊去勢)Tame(人慣れ)Adopt(譲渡)のこと

 

2011年東日本大震災時に、保護された人に慣れていない猫達は戻る町(地域)を失ってしまい、地域猫では対処ができなかった経験を活かし家庭猫活動を実践して来ました。
また行政、獣医師会、市民ネットワークの各種関係会議への参加やシンポジウムへのパネラー派遣、社会人学級への講師派遣等、地域猫に関する具体的なアドバイスと支援活動を実施しています。

 

動物の命の大切さに関する普及活動にも力を入れ、被災地の小中高校へ保護犬猫の「愛護カレンダー」を無償配布しています。活動も9年目となり贈与総数は10000冊を超えました。

今後のビジョン

社会問題となっている、高齢者の多頭飼育崩壊レスキューに取り組む

 

近年多発している犬や猫の多頭飼育崩壊レスキューは、1件につき多額の費用を要するケースがほとんどです。
しかし、レスキュー依頼は年間を通して途切れない状態で、特に高齢者の多頭飼育崩壊、経済苦による飼育困難の事例が社会問題になっています。保健所へ持ち込まれる前にレスキューするための方法、時期、行政や関係機関との調整等、1匹でも多くレスキューする道を模索し協議して実行していきます。

 

さらには、盛岡市以外での地域猫活動を拡大させていきます。野良猫の不妊去勢手術や迷子猫に対する市民の理解が深まってきているこの機会に、社会で共に生きる、動物愛護精神の拡大を目指します。

寄付使途

保護犬猫の医療費、適正飼育や非常時の同行避難の普及啓発活動費、その他非営利活動費

スタッフからのメッセージ

動物いのちの会いわて

代表 下机都美子さん

「私たちは2000年9月一匹でも多くの命を救おうと6人で会を作りました。
あれから21年、東日本大震災や未曾有の台風被害などの天災を乗り越え、今コロナ危機に直面しながら5500匹の動物を保護し譲渡を進めてきました。
一生懸命努力しても飼い主に左右される動物たちの暮らし、保健所の殺処分がゼロになって解決ではありません。その周りに沢山の不幸な動物たちがいます。高齢化社会を迎え、多頭飼育や高齢飼い主さんの飼育放棄など飼育現場の悲惨さは言い尽くせません。
私たちは行政機関と連携しながら家庭問題も含めた対策で再発を防ぐ保護活動をしています。
『今救わなければ生きていけない』そんな子の緊急レスキューを主眼に保護し、現在犬猫併せて300匹の動物たちをボランティアさんとともに守り活動しています」

里親さんからのメッセージ

里親さん

猫5匹と暮らすおじいさん

「以前、共に暮らしていた飼い猫が亡くなったため、今度はお店から買うのではなく保護猫を迎えようと思いました。成猫2歳の猫がやってきましたが、先住猫が5歳ですので、相性が心配でした。仲良く一緒に休んだりはしませんが、程よい距離感で同居をしています。その後、ご縁があって、乳飲み子猫を2匹家族に迎えました。
毎日家におりますと、話し相手もなく日中留守番をしております。ですが、猫達がいると、ご飯を上げなくては、水もなくなったなぁと、日々の生活にサイクルができました。今は、猫が生活の友、長生きしてこの猫を看取ってあげたいと考えております。ひ孫も、猫を見に遊びに来てくれますので、家族の交流も増えました。
同じように保護動物を迎えられる方にお伝えしたいのは、『猫が可愛い、寂しいから…』だけで子猫を飼い始めるのではなく、飼い主の年齢と家族構成や、飼育環境も良く考えてほしいですね。人間よりも短い命です。最後まで愛情を持って、看取ってあげることを想定して、その家族にあった猫を迎えるとよろしいかと。避妊手術も、猫にとっても、飼い主にとっても、地域の方にとっても大切なことです。捨て猫が増えませんように、飼い主の責任を果たせれば、と考えています。
『動物いのちの会いわて』さんが、必要のない社会が来ますことが一番良いのでしょうが、現実はまだまだ難しいようですね。細くても息の長い活動を願います。年金暮らしの私ですが、毎年のカレンダー1冊なら買うことはできますよ(笑)。少しでも役に立つように願って毎年購入しています」

基本情報

団体名

動物いのちの会いわて

住所

岩手県岩手郡雫石町 ※住所の詳細は飼育放棄動物放置防止のため非掲示

TEL

019-692-5920

メールアドレス

inochinokai@gmail.com

HP

https://inochiiwate.com/

 

代表者

下机 都美子

会員構成

正会員:3937名
*2023年12月現在

活動収支報告

https://inochiiwate.com/page427152.html

詳細情報

活動開始日

2000年9月

活動エリア

岩手県

スタッフ数

専従(有給)3名
アルバイト11名
ボランティア121名
訓練士1名
*2023年12月現在

団体業態

シェルター型・一般家庭での一時預かりの両方

シェルター

動物種

犬(純血 5割:ミックス5割)
猫(純血 0割:ミックス10割)

保護頭数

2022年

犬(保護数 54頭:譲渡数 35頭)
猫(保護数 310頭:譲渡数  239頭)

2021年

犬(保護数 27頭:譲渡数 21頭)
猫(保護数 224頭:譲渡数 188頭)

2020年

犬(保護数 39頭:譲渡数 21頭)
猫(保護数 432頭:譲渡数 305頭)

2019年

犬(保護数 41頭:譲渡数 28頭)

猫(保護数 337頭:譲渡数 281頭)

2018年

犬(保護数  33頭:譲渡数  30頭)

猫(保護数 294頭:譲渡数 213頭)

2017年

犬(保護数  35頭:譲渡数  32頭)

猫(保護数 227頭:譲渡数 214頭)

 

累計

犬(譲渡数 1429頭)

猫(譲渡数 4293頭)

 

多頭飼育崩壊レスキュー

猫 14件 245頭
犬 0件  0頭

累計(2019年度から集計開始)
猫 81件  1161頭 犬 2件  24頭

しつけ

有(犬:基本的なしつけを実施。状態によっては訓練士の元でしつけを実施。猫:撫でられる・さわることができる・トイレができる等、家庭で飼育できるように「人なれ練習」を実施)

獣医

協力有(県内各地の複数の、獣医師会会員病院からの支援有り)

平均滞在日数

仔猫犬や若い猫犬は3ヵ月前後。病治療犬猫は治療後2年前後。高齢犬猫は複数年~終生(10年前後)。

譲渡規則

譲渡条件

有(直接説明、自宅確認、トライアル期間、室内飼い、ワクチン狂犬病予防接種、フィラリア抗体検査、不妊去勢手術、検便、血液検査)

フォローアップ

有(譲渡後1か月後に譲渡後の体調や家族の飼育の様子の確認。飼育相談等にはいつでも対応)

譲渡金額

譲渡後戻り頭数

譲渡後の戻りは、数年~10年以上過ぎてから。
飼い主の健康状態の悪化、経済事情の変化等で飼育が難しくなった場合。数年に1件程度。
できるだけ戻りがないよう、譲渡先の飼育環境を確認。面談で少しでも不安がある場合はトライアルを活用(先住犬猫やアレルギー等)トライアル中の戻りはあるが、譲渡後の戻りはほぼ無い。

動物に対する福祉体制

保護シェルター:冷暖房完備。犬部屋は、1頭3帖スペース。猫は6畳部屋に8頭まで飼育。ストレスを与えないよう1匹あたりの居住スペースを確保。感染症の発生予防対策のため、保護して1か月間は診療所で保護。検査治療等済み次第、施設・個人の預かり宅で保護。暖房設備はあるが施設が広く、岩手県内でも有数の極寒地を考慮し、ペットヒーター・ホッカイロ・ホットカーペットを補助暖房として使用。
一時預かり家庭:年齢以外は里親の条件に合致している家庭に。冷暖房完備。感染症対策として、親子兄弟姉妹をファミリー単位で一緒に依頼。全て譲渡できたら次のファミリーを預かる。コロナ・パルボ等感染症対策に配慮。持ち込まれた猫が感染猫の場合でも、2次感染は完全に防止。特に、コロナ・猫エイズ・白血病猫のストレス軽減に配慮した飼育環境の確保を実施。
里親:犬/エアコン完備。屋内飼育を原則として、譲渡する犬の過去の飼育環境等を配慮。犬がストレスを感じないような飼い方を考慮。屋外飼育してきた犬は屋外での飼育可。ただし、大きな屋根の下での飼育(小屋等)。猫/エアコン完備。ペットヒーター完備。完全屋内飼育。出入り口と窓に脱走対策(柵等)設置。猫1頭飼い主1人につき1DK以上の飼育環境確保。譲渡する猫の平均寿命時点で、健康寿命に満たない年齢の方。

団体のビジョン

命の危険にさらされた動物の保護、動物の命の大切さに関する啓発に寄与することを目的とする。
(1)命の危険にさらされた動物の保護。
(2)保護した動物の里親探しと譲渡。
(3)正しい飼育方法の普及。
(4)里親探しと行方不明となった動物を探す事のお手伝い。
(5)動物の命の大切さに関する啓発活動。

団体の特色

【地域猫活動は2000年の発足時から】
まだ「地域猫」という言葉も一般的ではなかった2000年当時、「近隣の住民に迷惑をかけず、社会に理解を得られるような活動のあり方を考えよう」と、活動を開始。以後18年地域猫活動を継続。2009年盛岡市との連携で、現在は盛岡市内では68か所での地域猫活動が定着、活動は年々拡大。
【大災害時の緊急レスキュー】
2011/3/11東日本大震災の被災動物の約半数を引き取り譲渡。被災地としての立ち位置を常に心に刻み、ともに歩む復興への道を目指し、被災地の動物の保護を最優先で実行。復興半ばの2016年台風10号激甚災害では、いち早く被災地への支援に入り、被災動物支援を行う。
【普及啓発活動】
被災地の小中高校等への「共に歩む姿勢・動物愛護の普及活動」の一環として「愛護カレンダー」の無償配布活動も、9年目となり贈与総数は10000冊以上。
【小さな命を護り天寿まで飼育する活動】
保護譲渡と、正しい飼育方法の普及、動物の命の大切さに関する普及活動にも力を入れ、カレンダーの無償配布を含め、小中学校・社会人学級への講師派遣・体験学習の受入を実施。
保護した犬猫は、譲渡が困難な場合は、終生飼養、看取りを行う。安楽死の選択肢はなく、看取った動物は、専用墓地での供養を実施。
【2011年から家庭ネコ活動を実施】
高齢者の飼育放棄、多頭飼育崩壊、経済事情での飼育放棄の犬猫の緊急レスキューを行政や支援獣医師の協力のもと続行。家の中外自由にして飼ってきた多頭飼育崩壊の猫達は、十分な世話をしてもらえないまま育ち、人に慣れていない「家庭内野良猫」状態。
2011年東日本大震災時、被災猫を保護しても、人に慣れていない外猫(野良猫)は、多くの戻すべき町(地域)を失ってしまい地域猫では対処が不可。そこで猫を生かす道を模索し実践。
→T:Trap保護(捕獲)
→N:Neuter不妊(不妊・去勢)手術
→T:Tame人なれ練習
→A:Adopt里親さんへ譲渡
「TNTA活動(家庭ネコ活動)」。すぐ慣れてくれる猫もいれば、2年…3年かかる猫も。「人手も保護場所も足りないため、そこで助けたい!」と願う方のために、野生味あふれる猫を人なれさせるコツ・方法を伝授し、慣れて甘えん坊になった猫から、会で里親さんを募集し譲渡。
時間も人手もかかる取り組みではあるものの、人と猫の共生、幸せを願い、1頭1頭着実に成果を出し、譲渡を重ねる。人になれていない野性味あふれる猫達の保護が増加。
このままでは、保健所へ収容→「人になれていない猫=譲渡に適さない猫」→殺処分の道。猫達に罪はなく生き残るために身に着けた人を警戒する生き方。飼い主のいない外猫の平均寿命は5~6年、飼い猫の平均寿命は15年、長寿の子は22年にも。
小さな命をつないでいきたいと「地域猫(TNR)活動」を行う。
【高齢者多頭飼育崩壊・経済苦多頭飼育崩壊のレスキュー】
2015年前後から、高齢者の多頭飼育崩壊、経済苦による飼育困難の事例が多発。保健所へ持ち込まれる前にレスキューし譲渡の道を開くことが「保健所の殺処分ゼロ」に直結。保健所、民生委員、市町村担当課、獣医師、医師との連携を密にしながら、動物も、飼い主(人)もレスキューする方法を実行中。長年の活動実績に裏打ちされた「信頼」が、この複数の関係機関をつなぐ大きな柱となる。

活動内容

【行政・獣医師会・市民ネットワークの拡大と強化】
各種関係会議への参加。シンポジウムへのパネラー派遣。社会人学級への講師派遣等。良好な連携体制の確保のため、人脈を広げ、窓口を広げる。
【保健所収容動物の引き取り】
基本は譲渡、体調によっては終生飼養。引き取った後にワクチン接種、不妊手術、腫瘍等の手術実施。しつけが必要な犬は訓練実施。その後に譲渡を行う。
【高齢者死亡・入院・餌やり等の多頭飼育崩壊レスキュー】
譲渡・体調によっては終生飼養。毎月2件から3件前後のレスキュー依頼が継続。どのケースも、18匹、26匹、68匹と、一度にレスキューするには多すぎる依頼数のため、緊急性を考慮し、担当課(保健所・行政各機関)獣医師と連携して、1頭でも多くレスキューできる方法を模索。保健所に出す引き取り費用すら負担できない飼い主が多い。保護した後も、健康状態が劣悪な犬猫が多く、長い期間の治療、栄養改善を要する。また、犬猫だけ引き取ればよいという状態ではなく、人間もこの先生きていくための支援が必要な場合が多く、関連機関、医師との連携も必要な事例が増加。
【地域猫活動の推進】
盛岡市では、現在77箇所で地域猫活動を実施中。市民の意識も変化し、行政からの補助金の予算化が実現。中核都市として、更に地域猫活動を拡大強化。地域猫学習会への講師派遣。シンポジウムパネラー派遣。具体的なアドバイスと支援活動を実施。県内各市町村でも地域猫活動が着実に増加。
【家庭ネコ活動の推進】
大震災や台風等で激甚被害を受けた地域を中心に、戻すべき地域が無くなってしまった猫達を、家庭ネコにして譲渡する活動を行う。猫によっては年単位での活動になるが、着実に猫の信頼を得、譲渡数を増やしている。
【適正飼養へのアドバイス】
犬猫の生態にそった飼育方法のアドバイス。猫は爪を研がないような飼育方法ではなく、爪を研ぐことができる飼育環境、屋内飼育のため具体的アドバイスと実践。猫脱走対策の実践にむけた実例提示等、具体的アドバイスを行う。逸走させた場合の捕獲の支援も実践中。
【譲渡会の開催】
毎月4日間の定例譲渡会を開催。
5月〜8月までは10日間の出張譲渡会を追加で開催。
冬期間は、屋内会場での出張譲渡会を毎月1回開催。
保護犬猫を家族に迎えてもらう出会い(譲渡会)を増やす。

定期イベント

【定例譲渡会】
毎月第1土日・第3土日に矢巾町・花巻市で開催
【屋内での出張譲渡会】
毎月第1土日・毎月第3土日花巻総合卸センター体育館で開催
毎月第1・第3土曜日 ホンダカーズ岩手南・矢巾店で開催
【出張譲渡会とフリマ】
コロナ禍のため休止中
【施設見学会】
コロナ禍で休止中

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