特定非営利活動法人 ニャン友ねっとわーく北海道

保護団体

(2022年8月1日掲載開始)

猫の譲渡率は80%以上。あらゆる「ネットワーク」を活用し、人も動物も共に幸せになれる社会を目指す

団体名が示す通り、あらゆる「ネットワーク」の活用に長けており、呼びかけに応じそれぞれが果たすべき役割、自分の出来ることを理解し、活動に邁進する機動力を発揮。預かりボランティアの制度が整備されているため、もし多頭飼育崩壊が起きて一度に何十頭の猫の保護が必要になっても、拠点のシェルターに密集することなく預かりボランティア宅に分散してケアを行い、そのまま譲渡をすることが可能です。

地域情報ネットワークの基盤となり、同地区内で発生したほかの案件と連携して活動。過去の対応知識として会全体に共有できるうえに、ルールを順守しながら多様な活動、自由度の高い体制を生み出す環境を構築しています。

活動内容

地域情報ネットワークの基盤となり、地域猫のTNR活動や保護・譲渡活動、啓発活動を行う

 

北海道という広大なフィールドで活動するため、会員それぞれが地域猫のTNR活動、猫の保護・譲渡会活動などを一人ないしは複数人で対応。しかし人の数だけ価値観と判断基準は異なるため、「ニャン友ねっとわーく北海道」という会の規約とルールブックに則ることで、多様な活動、自由度の高い体制が実現できています。

 

また、命の教室の事業運営や多頭飼育崩壊防止の啓発活動、チャリティバザー運営など動物愛護啓発活動にも注力。こういった活動の成果は、公益社団法人北海道獣医師会や行政機関等、公共団体から信頼を得る結果をもたらし、より大きな社会問題へと取り組める糸口となっています。

さらに北海道内で災害が発生した際に公益社団法人北海道獣医師会と協定を結んでおり、2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」では、動物救済活動隊として90日間保護と捜索に尽力した実績もあります。

 

今後のビジョン

飼い主以外の人、飼い主、動物、三者の福祉が守られる共生社会の実現を目指す

 

動物だけを守るのではなく、人と動物が共に暮らす社会のなかで、人も動物も共に幸せになれる社会を目指しています。

「飼い主の周囲の方」の安全・安心、「飼い主自身」の幸せな生活と責任、「動物たち」の福祉。

 

家族の一員から、社会の一員へ。“ペットは家族の一員”という言葉は浸透していますが一方、“ペットは社会の一員”になっているかといえば、そうではありません。社会福祉の中に、防災活動の中に、教育活動の中に、動物の存在も含めた法律や制度、仕組みやサービスが浸透していき、動物が社会の一員として認識されることが必要であると考え、その啓蒙活動に取り組んでいます。

 

寄付使途

保護動物の医療費、保護動物のレスキュー費、猫ヘルパー事業運用費、動物福祉の啓発事業費、その他非営利活動費

スタッフからのメッセージ

NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道

理事長 勝田 珠美

「個人のボランティア活動からNPO組織化をして、11年が経とうとしています。
災害救助、多頭飼育崩壊現場からのレスキュー、地方都市の愛護活動組織の立ち上げと、時には民間と行政の橋渡し役を担いながら、全道を駆け巡ってきました。
過酷な環境に取り残されていた猫たちは心身ともに状態が悪く、皆様の温かいご支援がなければ助けられない命でした。私たちの活動をお支えくださり、本当に感謝しております。
動物の問題は、人社会の問題と同義です。猫の命を里親様へとリレーするために、視野を広く保ち、問題の本質を見極め的確に手を差し伸べることをモットーにこれからも活動をしてまいります」

里親さんからのメッセージ

里親さん

井川 絢佳さん

「先住猫が虹の橋を渡り、落ち込んでいた時にカンスケと出会いました。
小型犬よりも大きな体で、素早くダイナミックに玩具を仕留める姿に一目惚れし、晴れて家族になれました。
徐々に家の環境に慣れていく健気さと逞しさに感動し、共に過ごせる時間がとても愛しく大切です。
その後ムツ、フミコ、ツキソメと素敵なご縁を結んで頂きました。
この子達の健康で幸せな生活を実現させることが私の幸せです!」

基本情報

団体名

特定非営利活動法人 ニャン友ねっとわーく北海道

住所

北海道 札幌市中央区 南七条西8丁目1番24 LC拾八番館3階

TEL

011-205-0665

メールアドレス

neko@nyantomo.jp

HP

http://nyantomo.jp

代表者

理事長 勝田珠美

会員構成
正会員55名
準会員17名
ボランティア67名 *2023年12月現在
活動収支報告

https://nyantomo.jp/#syusi

詳細情報

活動開始日

2012年12月(法人化:2016年11月29日)

活動エリア

北海道札幌市 40%
北海道石狩管内(※札幌市を除く) 10% 主に保護活動
北海道オホーツク管内 20% 主に保護活動
北海道胆振管内 20% 保護と譲渡会運営活動
上記以外の北海道全域 10% 主に保護活動

スタッフ数

専従スタッフ3名 ボランティア2名 業務委託契約5名

*2023年12月現在

団体業態

シェルター型・一般家庭と両方の一時預かり

シェルター

動物種

猫 10割

保護頭数

2022年

猫(保護数 566頭:譲渡数 475頭)

2021年

猫(保護数 652頭:譲渡数 553頭)

2020年

猫(保護数 602頭:譲渡数 550頭)

2019年

猫(保護数 669頭:譲渡数 509頭)

2018年

猫(保護数 444頭:譲渡数 403頭)

事業開始からの累計

猫(保護数 3060頭:譲渡数 2519頭)

しつけ

保護した日から14日間、感染症発症の有無を観察するため隔離室で待機したあと、不妊去勢手術、ワクチン接種などの基礎治療を行い、ボランティアのもとで馴化作業に入る。

室内、一般の家庭で暮らすためのトイレトレーニング、人との関係性の構築といった基本的な馴化作業を経て譲渡へ。

※猫は本来しつけを行えない動物であるが、当会では馴化作業をしつけとして定義

獣医

協力病院 計38病院(11月末日現在)

札幌市17病院、室蘭地区4病院、日高地区3病院、北見地区3病院、旭川市4病院、北広島市1病院、苫小牧市1病院、釧路市1病院、留萌地区2病院、小樽市2病院、江別市3病院

協議の上、それぞれの病院ごとに通院ルールを設け、“通院許可証”を発行した会員、スタッフが利用可能。また猫に対しても1頭ごとに診察カードを作り、不正利用を防止

平均滞在日数

子猫2ヵ月前後、成猫6ヵ月〜1年程度(飼育放棄のない母猫の場合、生後8週になるまで母猫から離さない)

譲渡規則

有(https://nyantomo.jp/satooya/を参照)

譲渡条件

有(直接説明・自宅確認・トライアル期間・室内飼い・ワクチン・不妊去勢手術・マイクロチップ・検便・血液検査

フォローアップ

有(譲渡契約書に基づき、近況報告を依頼。最低限「ワクチン接種時、不妊去勢手術時、当該猫が死亡した時」は必ず連絡。また日々の困りごと、猫の健康相談があった際にはアドバイスを行い、必要に応じて自宅訪問を行なう。やむをえず、お世話人の手配ができず長期に家を空ける方からの相談には、シッターの手配や、有料で預かる場合も。脱走などの緊急時は、近くにいる会員やボランティアの手伝いを呼び掛けするなど、情報拡散・捜索のお手伝いをしている。Facebookのプライベートグループ機能を活用し、「ニャン友ねっとわーく里親の会」に里親さんを招待。日々の近況報告のほか、会員・里親さん関係なくコミュニケーションが取れる環境を整備。里親さん同士で悩み事や困りごとを解決したり、自分の知っている情報の共有など、一定数の譲渡済み猫のフォローアップ機能として活用

譲渡金額

子猫15000円〜
成猫30000円~
※譲渡金額は、不妊去勢手術代金、ワクチン接種代、糞便検査・駆虫・抗体検査等基礎治療費。
※別途交通費など諸経費加算があることがあります。

 

団体扱いと個人扱いの保護猫があり、個人扱い(当会登録の個人保護主が管理する保護猫)の譲渡金額は、実際にかかった医療費と譲渡時の交通費のみを飼い主負担金として提示する規約としている。

譲渡後戻り頭数

ほぼなし

動物に対する福祉体制

シェルターの運営は年中無休。スタッフが交代で常勤し、毎朝給餌後、ボランティアとともにケージ内・室内床・猫トイレ用品・食器・共用廊下の消毒を実施(新型コロナウイルスが流行する前から実施)

 

・シェルターをはじめ猫のいる部屋全体の冷暖房完備

・ケージごとの補助暖房器具の適宜使用

・保護後隔離期間2週間を設定し、冷暖房とシャワールームを併設した隔離室完備

・病気特性や体質にあわせて、一般と隔離して飼養できるICU室完備

・体調に合わせた給餌(体調や体質に合わせたフードの選択)

・掃除後はシェルター内でフリーにし適度な運動

 

体調不良の猫がいた際は、階下の動物病院をはじめ協力病院での受診加療を最優先に実施、原因を確認し、他の猫への影響を考えた管理方法を選択。受診加療は、健康診断が目的ではなく、譲渡可能な日常生活を行える状態にするという団体の強い決意を表す行動指針の一つ。完治が難しいとされるFIPなどの難病も諦めることなく治療を施している。

里親宅では完全室内飼いと脱走防止柵の設置を約束してもらい、安全な環境での飼養となるよう支援。

団体設立のきっかけ・沿革

2011年12月末に北海道名寄保健所で殺処分になる沢山の猫たちを救おうと、個人のボランティアがネットで呼びかけしたことにより始動。多くの賛同者・活動者が集まり、保健所から沢山の子たちの引き受け、その子たちの里親を探す譲渡会を(2012年1月14~15日)に開催。

2013年11月 「ニャン友ねっとわーく札幌」の名称を付して活動する市民団体へと発展

2015年7月 「ニャン友ねっとわーく北海道」と改称

2016年11月29日 非営利活動法人格を取得し、札幌・小樽本部、室蘭支部、旭川支部、留萌支部のネット上での情報収集及び情報共有と、メンバー各自による地域内での本格的な保護活動・譲渡活動を展開

 

現在、猫を保護する正会員と猫の預かりをする準会員は合わせて66名、譲渡した猫は年間500頭を超え、譲渡済みの猫は会発足以降2000頭を超える。

団体の特色

ニャン友ねっとわーく北海道は、その名が示す通り、あらゆる「ネットワーク」の活用に長けていることが特徴。

活動はLINEを活用して随時共有され、離れていても現場の最前線で活動するメンバーを後方支援する体制が整っている。ルールを順守しながらも多様な活動、自由度の高い体制を生み出す環境を構築。

 

預かりボランティアの制度を整備しており、もし多頭飼育崩壊が起きて、一度に何十頭の猫の保護が必要になっても、預かりボランティア宅で分散してケアを行い、譲渡へ。預かりボランティア全員にも飼養ルールはマニュアル化しており、新しい飼い主に譲渡するまで拠点シェルターと同様の管理を行っている。

活動内容

・行政(保健所・愛護センター)などから猫を引き取り、飼育希望の方に譲渡する活動

・譲渡までの保護飼育

・譲渡前猫への医療行為(ワクチン接種・便検査・駆虫 他)不妊去勢手術の実施

・地域猫活動

定期イベント

・譲渡会(譲渡会開催可能型シェルター)

・譲渡会(各支部による地方開催)

・譲渡会(ホームセンター等、外部会場でのイベント)

・チャリティバザー

・動物愛護啓発、防災啓発イベント

・会員向け勉強会

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