犬への愛情はあっても‥‥トイプードルの悲しい多頭飼育崩壊
アニマル・ドネーションでは、皆様からお預かりした緊急支援基金を、10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り、5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。
今回は「全ての犬を笑顔に」をモットーとして、埼玉・千葉を中心に東京・神奈川・茨城でも活動している保護団体『特定非営利法人アグリドッグレスキュー』さんへ、トイプードル6頭分のレスキューを行なった緊急支援基金として、60,000円をお届けしました。
レスキューの詳細と基金の使い途について、広報の鈴木さんにお話をうかがいました。
飼い主が不妊去勢手術のことを知っていれば…
━ トイプードル多頭飼育崩壊レスキューの経緯と現場の詳細について教えてください
「2025年9月、千葉県内にシェルターを構える他の保護活動団体より、多頭飼育崩壊現場からのレスキューへの協力依頼がありました。
男性の独居で、元は友人から預かった4頭のトイプードル。病気のため飼いきれないという理由で預かった犬が、交配を重ねた末、12頭まで増えてしまいました。騒音と匂いにより近隣住宅からの通報があって発覚したとのこと。飼い主さんは犬たちに名前を付け、ごはんも与えていましたが、医療措置やトリミングなどまでは手が回っておらず、トリミング犬種のトイプーですがボサボサ、爪も伸び切った状態でレスキューされました。
当団体では、現場にいた12頭のうち6頭を引き出しました」

━ 今回の緊急支援金はどのように使われましたか
「引き出した犬たちの中には、パテラ(グレード3)のため腰も足も曲がってしまい両足の手術が必要な子が1頭、パテラ(グレード2)の子が2頭おり、頂いたご寄付は6頭の治療費に使わせていただきました」
レスキューした犬たちに医療と栄養のあるごはん、暖かなベッドで眠れる毎日を
━現在の犬たちの様子はいかがでしょうか
「預かりさんのおうちで体も心も整えて、10月の譲渡会に参加し、1頭は早くもトライアルが決まりました。
別の1頭(下の写真のみーちゃん)は長らく放置されていたパテラに加え、前十字靭帯断裂(左 完全 右 部分)を抱えていまして、今後手術をする予定です。
右足は半分切れている状態なので今現在も痛みが継続しており、相当痛かったのではないかとの獣医さんのお話です。『パテラ + 前十字靭帯整復』を片足ずつ2回に分けて手術します。
2回の手術は犬にとっては大変な試練ですが、これからの長い犬生、痛みも関節炎もない状態で過ごして欲しい、里親さんとお散歩も楽しんで欲しい、そう思い、手術を決断いたしました」

━ 支援者様へのメッセージをお願いいたします
「今回の多頭飼育崩壊は、4頭のトイプードルを知人から預かったことに端を発したものでした。不妊去勢手術をしていないオス犬・メス犬の4頭でしたから、当然交配し、妊娠し、子犬はどんどん生まれ、12頭にまで増えてしまったそうです。
飼い主が不妊去勢手術のことを知っていれば…。まわりの誰かがその飼い主さんに不妊去勢の必要性を伝えてくれさえすれば…。こんな悲劇は起こらなかったかもしれません。
仕事をしながら12頭もの犬との生活。犬のことはとてもかわいがってくれていたけれど、お世話が行き届くはずもなく、家の中もよい状態とは言えませんでした。
今回の多頭飼育崩壊レスキューでは、愛情だけで犬を飼うことはできないということを改めて知らされた想いです。
かわいい。その感情だけで犬を飼わない。そんなことが当たり前な世の中になってくれたらと願わずにいられません。この記事を読んでくださった方が、周りの方に、このことを伝えていってくださったら、いつかあたりまえが実現するかもしれないと思っております。
そのような環境からレスキューした6頭に、医療と栄養のあるごはんを与え、暖かなベッドで眠れる毎日を保証してあげられるのは、アニドネさんを通じて応援してくださる皆様のお力があってのことです。ともに保護活動をするお仲間と思い、感謝しております。ありがとうございました」
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