寄付したお金の使い途レポート

【新潟動物ネットワーク】寄付したお金の使い途レポート

「新潟動物ネットワーク」(以下NDN)さんは、シェルターや保護施設は保有せず、各種相談対応の事案からレスキューした猫を中心に、代表やスタッフ、預かりボランティアさんが一時預かりをして、譲渡につないでいます。

2023年2月92,205円、3月271,236円と、皆様からお預かりした寄付金をアニマル・ドネーションを通じてお届けいたしました。今回、寄付金をどのように使われたのか、担当の鈴木さんと村山さんにお話を伺いました。

 

保護した子猫たちの医療費に活用

ーアニマル・ドネーションからの寄付は何にお使いになりましたか?

「保護子猫たちの不妊去勢手術、ウィルス検査、ワクチン、検診費、風邪などの治療費に使わせていただきました」

 

ー具体的なエピソードをお聞かせください。

「今回ご紹介する事例は、多頭崩壊現場から子猫をレスキューした2件についてです。最初にお話しするのは、新潟市動物愛護センター(以下愛護センター)からの依頼で、一緒に解決策を模索するということで始まりました。この地域の人々は長い間、猫たちの糞害などで迷惑を被り、自治会長などの説得にもかかわらず改善が見られないということで愛護センターへの相談になりました。長い間野良猫に餌を与えている当事者には、増えていく猫たちや近隣への迷惑への危機感が薄い印象でした。成猫20頭以上、子猫10頭以上となると当事者本人も、どうして良いか分からないという状態だったようです」

 

ーどのように対応されたのでしょうか。

「愛護センターの職員とともに当事者のお宅を訪問し、これ以上増やさないための成猫の不妊去勢手術の必要性、子猫の保護、譲渡することでの頭数減少の必要性をお話しし、成猫の手術と子猫の一時保護の了承を得ました」

 

ー成猫の不妊去勢手術・子猫の保護について、具体的に教えてください。

「捕獲した成猫17頭の手術料は、当会NDNの『猫の手募金』(NDNで寄付を募り、特定の問題についてかかった費用の支援を行うための募金)で賄いました。子猫たちの譲渡に向けての検診(ワクチン、血液検査、検便など)や、猫風邪になっている子猫たち9頭の治療費は、アニドネからの寄付金のおかげで賄うことができました。本格的な冬が始まる頃でしたので、風邪をひいて酷い状態の子猫もいましたが、愛護センターと当会で全子猫13頭(当会9頭、愛護センター4頭引き取り)を保護譲渡に繋げられたことには安堵しました。当事者との話し合いがスムーズに行ったのも、猫たちにかかる高額な医療費など一切を当事者負担にしなかったことが大きかったと思います。手術後の成猫たちは当事者のお宅に戻し、これからも餌やりを続けていただくこととなりました」

保護した子猫たち

多頭飼育現場から保護した姉妹猫の口腔ケアに

ー次に、もう1件の多頭飼育崩壊では、どのように寄付を活用されたかお聞かせください。

「2023年3月に、独居老人の多頭飼育現場から保護したメスの姉妹猫“あんこ”と“むぎ”の口腔ケアに使わせていただきました。2頭ともしばらく前から口臭が強く、特に“あんこ”は口が痛いせいで食欲も落ちてきていました。検診を受けたところ歯石除去と抜歯が必要との診断で、後日治療をさせていただき、9本抜歯しました。術後検診も含め、姉妹一緒に受診し、2頭とも食欲が戻り元気に過ごしています」

あんこちゃん
むぎちゃん

 

ー保護したときのエピソードを教えていただけますか?

「2022年5月、当会に『20頭余りの猫を多頭飼育していた独居老人が、事情があり長期不在となってしまったため猫が取り残された』と相談がありました。こちらも愛護センターと協働で、この案件に取り組むことになりました。姉妹猫“あんこ”と“むぎ”は、家の中に閉じこめられていた猫たちのうちの2頭です。当会で、保護と里親探しを引き受けたこの2頭はエイズ陽性(キャリア)でしたが、ホームページや譲渡会で理解ある飼い主さんを探しています。また、家の外に取り残された15頭ほどの猫たちも、スタッフと地元のボランティアが餌やりに通いながら不妊去勢手術をし、順次保護を進めました。
現在は飼い主が戻り5頭の猫と暮らしていますが、今後も見守りが必要と考え、地元ボランティアの協力を得ながらフード支援などで良好な関係を継続できるよう、努力を続けています」

多頭飼育崩壊の現場

 

多頭飼育崩壊をくい止めるために必要な医療費を

ー最後に、寄付者様へのメッセージをお願いいたします。

「多頭飼育崩壊の当事者もなんとか数を増やさないようにしたいと悩んでいたり、自分の生活も破綻しかかっているという例を多く見てきました。一番のネックはやはり、増えすぎた猫たちへの医療費負担が大きく、不妊去勢手術への決断がなかなかできないこと。そこへ援助をすることで多頭飼育崩壊をなんとかくい止め、当事者の生活も立て直す手助けができると考えています。

今回は、保護した子猫たちの医療費にアニドネの寄付金を使用させていただき、本当に感謝しております。(最初にお話した)子猫たちは、全て暖かい家庭の子になりました。
このような取り組みで、私たち愛護団体の活動もより弾みがつき、多くの猫たちを幸せにできると考えております。また、野良猫や多頭飼育からの保護は、検診などの初期費用だけでなく継続的な治療が必要な猫たちが多くいます。慢性疾患などを抱える保護猫の医療費は高額になってしまい、保護者の精神的な負担にもなっていましたが、アニドネ支援者様からのご寄付のお陰で、保護猫たちに必要な医療を受けさせ、安心して保護を継続することができております。たくさんの温かいご支援に心より感謝を申し上げます。これからも皆様のご支援をよろしくお願い致します」

年間およそ800件もの猫の相談に対応されている、新潟動物ネットワークさん。今回ご紹介した新潟市動物愛護センターさんをはじめ、福祉関係者・行政とも連携しながら、日々飼い主や猫たちの幸せのために活動されています。これからも応援をよろしくお願いいたします。

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