【ねこたまご】多頭飼育崩壊による基金の使い途について
アニマル・ドネーションではみなさまからお預かりした緊急支援基金を、10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。
保護団体の『ねこたまご』さんに、2020年10月に320,000円をお届けしました。
代表理事の後藤さんに寄付金の使い途についてお聞きしました。
相次ぐ多頭飼育崩壊からのレスキュー依頼
ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?
「当会は行政と連携して活動しています。今回ご支援いただいたレスキューは8月と10月に入ったレスキューですが、いずれの依頼も行政からです」
ーまずは8月の現場の状況、現場にいた頭数などについて教えていただけますか?
「8月の現場は猫10頭中、全10頭を当会で保護しました。
飼い主の方が逮捕されて既に10日以上が経過。さらに勾留が長くなる事になったというタイミングで、飼い主の知人の方から家に10頭の猫がいると札幌市動物管理センターに相談があったそうです。その後、管理センターより当会に現地確認の依頼がありました。
飼い主の代わりにお世話をする人もいなく 長期間猫たちだけで過ごしていた現場。
家に入ると、そこはゴミ屋敷となっていて、あちこちに糞尿が散らばり、猫たちは毛玉だらけで、すでに逮捕前から飼育崩壊していた様子が明らかでした。
すぐに弁護士を通して飼育放棄の手続きをしてもらえるように通報者である飼い主の知人に依頼し、その後管理センターに全頭放棄となったところをすぐに当会で保護しました。
ケアが全くされておらず、長毛種は毛玉だらけで骨と皮の状態でした」
ー続いて、10月の現場の状況、現場にいた頭数についても教えていただけますか?
「10月に入った現場は、猫総勢50頭、そのうちの22頭を当会にて保護しました。
5年の間に避妊去勢手術を怠り、瞬く間に50匹ものかずに膨れ上がってしまったケースです。
札幌市動物管理センターに飼育放棄となり、当会に保護依頼が来ました。
現場は、凄まじい糞尿の悪臭と、やせ細った体の子が多数。
感染症で明らかに衰弱している子猫と妊婦猫を優先してレスキューしました」
ご支援のおかげで多くの命を救うことが出来ています
ー今回の寄付を何にお使いになりましたか。
「多頭飼育崩壊現場からのレスキューした子たちの健康状態はとても悪いです。
ワクチンの接種、避妊去勢手術、駆虫、エイズ白血病検査、マイクロチップなど、レスキュー後に必要となる医療処置費用に充てさせていただきました。
そのうち何頭かの様子をお伝えさせていただきますね。
まず、8月にレスキューした「オーガスト」ノルウェージャンの推定2歳の女の子です。
ノルウェージャンという大型の猫種でありながら、保護時は2.8キロしか無く、体中が毛玉だらけで、糞尿が染み込んで、皮膚炎になりところどころハゲもありました。
その後、順調に体重も増えて毛艶も良くなり元気に回復していましたが、里親募集開始となった直後体調が急変、左肺に腫瘍が発覚。すぐに緊急手術となりました。
病理検査の結果進行性の高い悪性の癌「肺腺癌」でした。
幸いオーガストは術後の経過は良好で、ご飯もよく食べ穏やかに過ごしています。
余生はあまり長くは残されていませんが、穏やかに幸せな時間を過ごしてもらいたいと思っています。
10月にレスキューした子も紹介しますね。
こちらはシナモンくん。保護時の月齢は推定生後3ヵ月弱でした。
猫風邪を放置されて悪化し、眼球が飛び出していました。
その後、治療により眼球は萎縮し、風邪症状も落ち着きました。残念ながら左目の視力はありませんが、不自由なく暮らせています。
彼はこれから里親募集になる予定です。
ー支援者様へのメッセージをお願いいたします。
「今回の現場は非常に劣悪な環境で、猫たちの栄養状態も悪く風邪も重症だったため残念ながら亡くなった子もたくさんいます。
多頭飼育崩壊のレスキューは緊急を要するほか、一度に多数の保護となる為多額の資金が必要となります。ご支援くださる皆様のおかげで、多くの命が助かります。心より感謝申し上げます。
健康状態が安定せずになかなか里親募集をスタートさせられずにいた10月レスキュー組もこれからいよいよ里親募集ですが、北海道はコロナの第三波が襲っており引き続き厳しい状況です。
どうぞ引き続きご支援いただけますと幸いです」
ねこたまごさんは今年に入って既に3回目の多頭飼育崩壊レスキューです。
札幌では全国に先駆けてコロナの第三波が襲っています。既に来店者数、譲渡数共に落ち込んでいるそうです。
引き続き、北国の猫たちにご支援いただけると幸いです。
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