大学と協働 保護動物リサーチ

犬猫飼い主や動物福祉のいま 2023年度全国調査からわかること

一般生活者における犬猫の飼養状況や動物福祉への意識に関して、全国調査を実施いたしました。

数字から「いま」を知ることができるものとなっていますので、その一部をご紹介します。

※年代別や地域別といった調査結果の詳細は本ページ下部のリンクからご覧いただけます。

 

主な調査内容

● 犬と猫の飼養状況とその理由、将来の飼養意向

● 犬や猫を迎え入れるチャネルに対する現状と今後の意識

● 犬や猫の保護活動や、関連する情報に対する理解度と意識

 

調査概要

●調査名:    2023年度 犬や猫の飼養に関する全国調査

●調査の目的:   一般生活者(犬猫飼養者&非飼養者)の飼養に対する実態や動物福祉に対する意識を確認する

● 対象者:     全国の2069歳の男女 20,163サンプル

● 調査時期:    2023728日~81

● 調査方法:    オンライン調査

● 調査設計・実施: アマゾンジャパン合同会社 / 公益社団法人アニマル・ドネーション

● 分析・報告:   公益社団法人アニマル・ドネーション

犬猫の飼い主は全国で25%

全国で25%の人が「犬または猫」を飼っていて、さらにその約4分の1が「犬猫両方」を飼っています。

肌感覚で“思っていたよりも多い”と感じる方も多いのではないでしょうか。あなたの周りではどうでしょうか?

犬猫を飼っているほうが日常の幸福度が高い傾向

犬猫を飼っている人のほうが日常の幸福度が高く評価されました。

特に男性は、「飼養者」が10段階評価で平均6.2ポイントなのに対して、「非飼養者」が平均5.7ポイントとなっており、女性よりもこの差が大きかったです。

飼っているから幸せなのか?幸せだから飼うのか?因果は一概には言えないものの、傾向を捉えることができます。

犬猫を迎え入れた場所には分散化が見られる

ペットショップは依然として最多ではあるものの、すでに4割を切っており、犬猫と出会うチャネルの分散化が伺えます。

 

犬のみ飼養層は、ペットショップ、次いでブリーダーから迎え入れている人が多く、猫のみ飼養層は、周囲からの譲受が多い結果となりました。

一方で、「保護犬猫の迎え入れ」については、猫のみ飼養層が高い結果となりました。

 

猫のみ飼養層が考える次回検討場所のトップは「保護猫の迎え入れ」

次回検討場所としては、「保護犬猫の迎え入れ」が「ペットショップ」を大きく上回る結果となりました。

実際に迎え入れた場所(前述)と比較すると、「ペットショップ」が減少傾向にある(実際の迎え入れ38%→次回検討28%)のに対して、「保護犬猫の迎え入れ」は大幅な増加傾向にある(実際の迎え入れ26%→次回検討56%)ことがわかります。

昨今ではテレビなどのメディアで保護犬猫を迎え入れている「迎え主」が取り上げられていますが、データとしても意識醸成が進んできていることが感じ取れます。

 

一方で、犬のみ飼養層と猫のみ飼養層とで傾向が分かれました。

犬のみ飼養層はペットショップが、猫のみ飼養層は保護猫の迎え入れがトップとなっています。

 

また、実際に迎え入れた場所と同じ場所が、次回検討場所として検討される傾向にあることも確認できました。なかでも、保護施設から犬猫を迎え入れた「迎え主」においては、その傾向が最も強くなっていました。保護施設からの迎え入れを一度経験した場合には、次も抵抗なく迎え入れることが出来るのかもしれません。

活動への関心度・参加度は依然として2割程度に留まる

保護活動への関心度や参加度については、今後の飼養意向がある層であっても2割程度に留まることがわかりました。

前述のとおり保護犬猫の迎え入れ意識が進んできている中でも、引き続き推進力をもって認知拡大や意識醸成からひろめていく必要があることを再認識いたしました。

動物福祉課題のうち「保護犬猫と偽るケースがあること」等がこれからの関心分野

「知らなかったが、これから関心を持ちたい」との回答が多かった5つのトピックをご紹介します。

特に5つめの「保護犬猫と偽るケースがあること」は一番多かったものです。

傾向としては「殺処分の現状」、「動物愛護法厳格化」、「海外動向」なども情報ニーズが伺えるので、これらの積極的な発信が求められているといえます。

 

 

調査結果をご覧になって、皆さまはどう感じられましたか?

皆さまの感覚や意識の変化について、ぜひ身近な人と共有していただけたら嬉しいです。

 

調査結果(フルレポート)の詳細はこちら(PDF)からご覧いただけます。

 

 

本記事の筆者:アニマル・ドネーション 高村