STORY with Pet

Vol.6 プロ野球 阪神タイガース 秋山拓巳選手

 

自分の活動を通して、少しでも多くの方に現状を知ってもらいたい。

アニドネでは、さまざまな分野の第一線で活躍する方へ、
ペットとのスペシャルな関係をインタビューさせてもらっています。                                                   

2022年1月10日(月・祝)、プロ野球 阪神タイガースの秋山拓巳選手がアニドネの認定団体である、認定特定非営利活動法人 アニマルレフュージ関西を訪問、保護犬の現状を視察されました。合わせてアニドネ認定保護団体に向けて活動支援費用100万円をご寄付いただきました。

今回は、そんな秋山選手に視察や寄付に至った経緯などを中心にお話をお伺いしました。(2022年1月10日取材)

 

  • PROFILE
  • 名前:秋山拓巳
  • 所属:プロ野球 阪神タイガース
  • 背番号:21番
  • 生年月日:1991年4月26日
  • 年齢:30歳
  • 出身地:香川県 
  • 出身校:愛媛県立西条高等学校
  • 身長/体重:188cm/102kg
  • 投/打:右/左

 

ーまず、今回のアニドネへの寄付や視察に至った経緯をお聞かせください。

「実家で小さいころから犬と暮らしていましたし、犬だけに限らず動物が好きなんです。昔、独身寮に住んでいた時にも、どうしても動物と暮らしたくて当時の寮長に『全員でちゃんとお世話するので犬を飼うことを許可して欲しい』と、他のメンバーと直訴したことがあるぐらい。結局ダメでしたけど(笑)。今は職業柄家を留守にすることが多いので動物と暮らすことは出来ませんが、せめて動物のためになにかしたいとずっと考えていた時に、アニドネさんの活動を知り参加させてもらいました。日ごろから動物関連の動画などもよく見て癒されてるんですけど、保護の情報などを目にすることもあって。(メディア情報だけでなく)実際に自分で見て保護活動の現状を知りたいと思い今回視察させてもらいました。僕がこうして活動することで、少しでも多くの方に現状を知ってもらえればいいなと思って」

 

―秋山選手にとって犬の魅力とは?

「昔、実家でシーズー犬と暮らしていました。男の子だったのに名前がミニーマウスからとった”ミニーちゃん”だったんですけど。で、なぜか家族の中でも僕だけなめられていたというか(笑)。でもそういうところも切なくなるというよりも可愛かったんですよ。わざと僕のことを無視したり、逆に遊んでくれると思って寄ってくるところとか、全部可愛かったです」

自分に懐いてくれるから好きなのではなく、そんな感情表現が豊かな犬のすべてが好き。”なめられている”状況を経験したからこそ(笑)、秋山選手が語る犬愛の深さには説得力がありました。

 

おやつが待ちきれず秋山選手に迫る保護犬リベルくん♪

 

施設から家族として迎えるという選択をする方が増えれば・・・

アニマルレフュージ関西 篠山アーク(以下、アーク)には様々な事情で施設に来た犬たちが40頭ほどいます。

飼い主が高齢のため飼育継続困難で預けられた子。多頭飼育崩壊現場から救助されたシニアの子たち。もちろん野良犬だった子もいます。

比較的すぐに受け入れられる子、臆病な子、その子の性格によっても環境に慣れる速度は違いますが、どの子も心に傷を負っています。アークさんではその子の性格や心と体の状況に合わせて、犬舎の大きさや一人部屋なのか誰かと一緒がいいのか、ドッグランで走っても他の子とうまく遊べるか、薬は必要か、などなどお世話の方針を細かく丁寧に決めています。

 

多頭飼育崩壊の現場から救助されたシニア犬たち

 

いただいたタイガースユニフォームを着てゆっくりお散歩

 

たくさんの人が来ると後ろに隠れて心配そうに様子を伺う子も。犬舎は全室床暖房完備。

 

日本では珍しい犬種、ローデシアンリッジバックのリベルくん。本国へ一時帰国された飼い主さんの再来日の目処が立たず、手放されることに。

 

シェルター内の視察中、施設職員さんからの説明にも熱心に聞き入っていた秋山選手。細かいお世話の説明に深く頷きつつ、時折自ら気になったことを質問するなど、その姿はインタビューにもあった『現状を知りたい』という気持ちに偽りがないことを物語っていました。

 

熱心に説明を聞く秋山選手

 

説明の後もじっと犬舎を見つめて思いを馳せる秋山選手

 

実際に視察をしてみての感想をお聞きしました。

 

―施設をみてどのように感じられましたか?

「もっと怯えている子とか触れない子とかがいるイメージだったんですが、想像してたよりも元気な子が多くて安心しました。正直来るまで不安なところもあったんですけど。僕のこういう活動を通して、いろんな理由で保護施設に来る子がいることをみんなにもっと知ってもらいたいし、動物と暮らしたいと思った時に施設から迎え入れる方が増えれば僕も活動のやりがいを感じれるしうれしいです。それに、今動物と暮らしている人にも責任をもって飼う人が増えるといいなと、より強く思うようになりました」

犬とお散歩したり、ドッグランでボールを蹴って一緒に追いかけたり。中には自由に走り回っている元気な子もいて、そんな姿をみて安心されたのかもしれませんね。

 

リベルくんとドッグランで遊ぶ秋山選手

 

楽しそうに走り回る元気な子も

 

ドッグランで遊んだ後にみんなで記念撮影

 

―今後のご活動の予定は?

「あまり先のことや大げさなことは言わず、今出来る活動からしていきたいですね。今後も視察に来たり寄付を続けながらその時に僕が出来ることを周りと協力しながら取り組んでいければと思います」

 

47キロあるリベルくんのお手は「ずっしりきた」そうです(笑)

取材後記

今回視察に同行させていただいて印象的だったのは、秋山選手の”素朴さ”。プロ野球の花形選手、おまけに188センチの長身でイケメン、と聞くとどこか華やかなイメージが正直あったんですが(実際、眩しかったです笑)、インタビューをしてもそのご回答はとてもシンプルで短く、わかりやすい。こちらからずけずけお聞きしても、焦ることも誇張することもなく淡々と答えられている姿に着飾らない”素朴さ”と動物に対する誠実さを感じました。それ故か『ああ、この人はほんとに動物が好きなんだなー』と妙に納得してしまったのでした(笑)。今は環境的に動物とは暮らさない決断をされていますが、そんな秋山選手こそいつかまた動物と暮らせるようになれば、きっと動物にとって素敵なパートナーになられると思いますし、それによってさらに周りにもいい影響を与えるんだろうな、と空想せずにはおれません。

この活動をしていると動物に対するいろんな想いを見聞きする機会があります。それらはすべて嘘偽りのないものですが、共通しているのは我々も含めてやはりシンプルに「動物が好き」という気持ち。

そんな当たり前の、でも日々の活動の中では埋もれてしまいがちな大切なことを、今回のインタビューで再認識することが出来ました。そんな原点回帰をさせてくれた秋山選手がこれからどういった活動をされていくのか、今後のご活躍が楽しみですね。

 

秋山選手、今回はありがとうございました。いただいたご寄付は認定保護団体さんのご支援に大切に使わせていただきます!

 

寄付目録の授与風景(左:秋山選手 右:アニドネ西平代表 中:保護犬リベル)

 

丁寧にご準備いただいた寄付目録と西平代表

 

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