ペット業界人インタビュー

『ペット共生型賃貸マンション』で多様性をデザインする

東京の外苑前にオフィスを構えるアスコット(ASCOT)。都心を中心に駅近で利便性の高いデザイナーズマンションを提供し、数々のデザイン賞も受賞されているディベロッパーです。アスコット社の賃貸物件は、街の魅力が高いエリアで20〜30代向けのコンパクトマンションをデザインし、都心ライフを満喫するコンセプトで展開されています。2008年、最初にペットと共に暮らす方向けの郊外型マンションを手掛けました。

ペット共生型賃貸マンション『TIPETTO』(ティペット)

ペット共生型賃貸マンション 『TIPETTO NISHI-OIⅠfor Cats』『TIPETTO NISHI-OI Ⅱ』外観

そんなアスコット社が今回手掛けたのが、ペット共生型賃貸マンション『TIPETTO NISHI-OI Ⅰ for Cats』『TIPETTO NISHI-OI Ⅱ』。こちらの物件は2棟に分かれており、『TIPETTO NISHI-OI Ⅰ for Cats』(写真左)は猫専用、『TIPETTO NISHI-OI Ⅱ』(写真右)は小型犬等の飼育を想定した設計となっています。

中でも珍しい猫専用の共生型マンションの設計に挑戦をした背景をアスコットの方にインタビューしました。

(2020年4月取材)

Profile

アスコット様

株式会社アスコット
企画開発部 一級建築士 
河本 光正様
宇那木 崇広様

 

株式会社アスコット・アセット・コンサルティング
代表取締役社長 
丸山 征二様

ペット共生型賃貸マンションを企画・設計した想い

アスコット
企画開発部(一級建築士)の河本様

ー今回猫専用の共生型マンションを設計された経緯を教えてください

「アスコットはデザインを重視しています。ただデザイン=かっこいいではなく、一人一人に沿った多様性のあるライフスタイルをデザインするということを考え設計しています。ペットと共生するというのは多様性の一つです。その中でも猫専門を設計したのは、猫には特殊な生態があるのにも関わらず、猫が本当に求める空間がある物件が世の中に少ないことがきっかけでした。」

 

ー猫が本当に求める空間とはどのようなものですか?

「猫は立体的に動ける空間を好みます。ですが、ただキャットウォークを作れば良いという話ではないと考えています。猫は運動能力等の個体差が大きく、比較的神経質な動物です。今回の『TIPETTO NISHI-OIⅠfor Cats』にはキャットウォークも設計されていますが、猫によって高さを変えることができる構造になっています。また、猫は外を感じられる場所を好むので窓台を設けました。」

 

キャットウォーク
可変式のキャットウォーク
猫窓台
陽当たりが良く、外を感じられる場所を好む猫の性質を考慮した窓台

ーその他に今回の物件で猫のための特別仕様はありますか?

「猫のためもありますが、猫を飼う飼い主のためも含めて、人間と猫が物理的に分離できるスペースを設けました。一つはトイレです。猫は多頭飼いが多いため、トイレは最低3つは置ける設計になっています。匂いの問題も考慮して、一般的な物件よりもトイレ周りにかける空間は大きくなっています。

 他には玄関を人間のゾーンにしました。玄関に収納を設けて、例えば猫の毛が付かないようにしたいものを収納できる場所を作りました。動物と共生するためには互いにストレスフリーな環境を作る空間構成が大切だと思っています。」

 

洗面スペースには猫の個別トイレを置ける設計
玄関は人間用のスペースに

ー賃貸マンションでペット共生にするために工夫した部分は?

「賃貸マンションでペットを飼う上で飼い主が気になることと言えば、ペットによる汚損だと思っています。本物件では、壁にペット対応クロスを使用したり、耐久性の高いフローリングを取り入れています。ペットが家を汚す心配を持つ飼い主のストレスを少しでも減らす工夫です。また、プライバシーを確保しながらも大きな窓を設え、明るく開放的な空間としました。スマートエアコンで家の外にいながら快適な空調に設定できたり、防犯カメラを設置してペットと人が安心して共生できる環境を整えています。」

フローリングは耐久性の高いものを。猫も人も嬉しい、明るさと風通しを確保する大きな窓

 

 

ーペット共生型マンションというのは管理は大変でしょうか?

ティペット西大井
マンション管理会社アスコット・アセット・コンサルティングの丸山社長

「ペット可のマンションは減少傾向にあります。原状回復時のトラブルや鳴き声や匂いに関するトラブルが増えると思われているのが一因です。正直なところ、今回の物件も管理会社としては当初、同様の懸念部分がありました。しかし、実際に管理してみると負担はそれほどなく、通常の物件と比べて特段変わりません。入居後も、ご近所も含めてトラブルはありません。」

 

ー今後もペット共生型マンションの展開はありますか?

ティペットシリーズの今後の展開
企画開発担当(一級建築士)の宇那木様。今後のペット共生型マンションへの企画にも意欲的

「お陰様で当物件は高い入居率をいただいており、ペット共生型住宅へのニーズがある事を感じています。今後の展開としては、目黒の不動前で猫専用のペット共生型マンションを企画しています。2020年7月末に竣工予定で8月より入居開始予定です。」

 

今後の展開も期待される『TIPETTO』シリーズ

 

入居が決まるとアニマル・ドネーションへ5,000円寄付

ペット共生型賃貸マンション

今回の『TIPETTO NISHI-OI Ⅰ for Cats』『TIPETTO NISHI-OI Ⅱ』では、入居者が決まると5,000円をアニマル・ドネーションへの寄付に充ててくれる事となりました。

入居者の方の初回家賃から2,500円を募ると同時に、開発元であるアスコット社から同額2,500円を寄付する “マッチング・ギフト” システムであり、入居者の方も動物福祉への貢献ができるものとなります。

(入居者からの寄付金2,500円は初回家賃内より差引きとなり、追加で発生する金額ではありません)

 

ー今回アニマル・ドネーションへの寄付を決めていただいた理由は?

「公益社団法人として運営されているアニマル・ドネーションに信頼をおきました。公益社団法人を維持し続けるためには社会的信用が必須です。寄付くださった方へ向けて寄付の使い道などの詳細を公開している点も安心と感じました。ペット共生住宅を今後も展開していくアスコットとしては、信頼のおけるアニマル・ドネーションへできる限り寄付を続けたいと思っています。」

 

TIPETTO NISHI-OI Ⅰ for Cats

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株式会社アスコット

 

 

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。