ペット業界人インタビュー

『犬のこと』で生きていくのが私の使命

ペット業界人インタビュー

『犬のこと』で生きていくのが私の使命

株式会社カラーズ 代表取締役

佐久間敏雅さん

―まず、『GREEN DOG』を立ち上げられた経緯を教えてください。

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「はい、、、いろいろありましたので、少し長くなりますがいいですか?(笑)

子供の頃は、犬は苦手でした。どちらかというと避けて通るタイプでした。

ところが、結婚してまもなくペットショップのチラシで見たレトリバーを、いわゆる衝動買いで家族に迎えたんです。

神戸の震災後でしたし、誰もが癒しを求めていた時期でもありました。

飼い主の私達は共働きでしたので、元気な子犬は昼間は暇で仕方なかったんでしょう。

電球を食べてしまうわ、玄関の壁に大きな穴を開けられてしまうわ、それはそれは大変で、、。

今思えば、ありあまるパワーをこちらがうまくコントロールしてあげられてなかっただけなのですが、当時は帰宅するたびにトイレの掃除をし、壊された家具を直し、なぜうまくいかないのかと家庭不和になり、精神的に追い詰められてしまいました。

お恥ずかしい話、迎えて2カ月足らずで、保健所という言葉がよぎるほどでした。

そんなときに、最後の頼みの綱としてイエローページで見つけた動物病院の主催する無料しつけ相談に行ってみたんです。

私にとっては、すべてが目からウロコの話でした。

『人と犬は違う動物ですよ』

犬のことを知り、言葉を持たない彼らとコミュニケーションをとるには、なにをすればいいのか、という基本を知ることが出来たんです。

ほんの30分ほどの相談会でした。

あれほど悩んでいたトイレトレーニングも、段差を少しつけることであっという間に犬に理解してもらえました。

その後トレーニングの勉強をし、犬と暮らす楽しみを知ってゆくことが始まったんです。」

―愛犬のしつけがきっかけだったんですね。

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「もうひとつ、大きな事件がありました。

犬と暮らすことが楽しくなってきた矢先に、愛犬が皮膚病にかかりました。

病院からは当然のようにステロイドを処方されました。

一時的にはよくなります。ですが、薬に身体が慣れると痒身が出てくるのでしょう。可愛そうに、かきむしった身体には毛がまったくなくなりました。

そして、知人のアドバイスによりドッグフードを変えました。半信半疑でしたが、1カ月で症状が良くなったんです。

なんの疑問もなく、当然のように与えていたドッグフードに一体なにがあるんだ、と調べました。正直、知ればしるほど恐ろしいと感じました。

しつけの経験とフードへの不満、それは私の中で憤りに近かったと思います。

もともと、企業(P&G)勤めのことから、いつか独立をしようとは思っていました。

ですが、『犬のこと』で生きていくのが私の使命かもしれない、飼い主として経験したことを事業にし同じような苦しみを味わった人やペットを救いたい、、と強く思うようになったのです。

そこからは徹底的にペット業界をリサーチしました。

2001年で起業するまでの2年間をリサーチ期間として費やしました。

その後、2002年に神戸、2009年に東京ミッドタウン、2011年に代官山、2014年12月12日に湘南へ出店することになりました。」

―今年で2回目の開催となる『Smile Tree X’mas』とは?

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「3つの寄付企画から成る『Smile Tree X’mas(略して、スマクリ)』は、クリスマス時期限定のチャリティー企画です。

ひとつは、ペットの写真を投稿すると1投稿につき100円の寄付をGREEN DOGからプレゼントするマッチングギフト寄付です。

2つ目は、おやつなどのチャリティー商品の購入価格の一部が寄付になる企画。

3つ目は、直接寄付を募る内容になっています。写真投稿とチャリティー商品で集まった寄付は、アニマル・ドネーションさんを通じて保護団体等の非営利団体へ寄付させていただき、直接寄付で集まった分は、今年の12月オープンの湘南で常設している保護犬譲渡センターを運営しているピースウィンズ・ジャパンさんへ寄付し、保護犬のフード代や医療費の一部として活用していただきます。

昨年は、1347枚の写真の投稿がありまして、他の寄付企画と合せて、総額337,281円となりました。

昨年は初めてだったものですから、はたして投稿があるのか、どのような写真やコメントが投稿されるのか、、まったく判りませんでした。

しかし、あっという間に目標としていた1000枚を超え、そして、それぞれが素晴らしく幸せな写真とメッセージでした。

クリスマス期、みんなが楽しく過ごす時期にペットたちのことを考えメッセージを投稿したりすることが他の動物を救う寄付につながる、という今回のチャリティ企画。この季節の恒例にしていければと考えています。」

 

―最後に、日本の動物業界に対してご意見をお聞かせください。

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「私の起業の原点となりますが、『顧客視点が低い』ことが問題だと思っています。

思いやりや顧客(人や動物)を喜ばすためのロジック、が重視されていないんですよね。

また『モノ』を扱う商売ではなく命なので責任の重みはまったく違います。利益を求めることが難しい局面もあります。

ですが、ここ数年、改善をしてきていると感じております。同じ想いを持った方々が横のつながりを持って実践していますよね。

とても心強く感じております。

そういった意味で、アニマル・ドネーションさんも素敵な活動だと思っております。

企業も個人も寄付文化を拡げ根付かせていくべきだと思っています。」

佐久間さんが経営する『GREEN DOG』の詳細紹介

GREEN DOG

http://www.green-dog.com/

愛犬の健康と笑顔のために
imageGREEN DOGでは、「ホリスティックケア」という考えのもとに、全ての商品が展開されています。
愛犬の幸せをどこまでも考え、たどり着いたのが「ホリスティックケア」。
飼い主もペットも心身ともに健康で幸せに、いきいきとのびのびと暮らしていくためのケアです。
image 代官山店のトリマーのスタッフさんと。
代官山店やミッドタウン店には動物病院も併設されています。
image GREEN DOGのサイトでは、ペットのことをパートナーと呼んでいます。
その呼び名を決めたのも佐久間氏。『この呼び名がベストだとは思っていないのです…、僕が最初に決めました』と。
クールに見えながら、動物への熱い想いをウチに秘めておられる方だと、取材時につくづく思いました。
interv_09sakuma_photo4.jpg 東京ミッドタウンに実店舗があります。
GREEN DOGさんのコンセプトで選ばれた商品が並びます。
image 4店舗目となる湘南店に2014年12月12日にオープンします。