「Heart to Heart キャンペーン」の活動レポート

Heart to Heart Story【人と動物の未来センター・アミティエ】

行政と動物病院が協働する動物保護施設 人と動物の未来センター・アミティエ

公益財団法人動物臨床医学研究所理事長:山根義久先生/理事(所長)髙島一昭先生にお話を伺いました。

 

人と動物の未来センター・アミティエは、公益財団法人動物臨床医学研究所の動物愛護活動を担うために開設されました。2014年から鳥取県との提携も始まり、鳥取県動物愛護センターの役割も兼ねています。財団の理事であり施設の所長を務める髙島一昭先生は、倉吉動物医療センターの総院長でもあります。

 

 

「殺処分ゼロを目指すのは大きな目標ですが、何よりも犬猫にとって良い飼い主さんを探してあげたいと思っています。獣医師として四半世紀診察してきて、飼い主さんに大切にされていない犬猫も見てきましたから。保護犬猫は持病を抱えていることも多いので、たとえば猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)でも、個性として受け入れてくれる方に渡したいのです。飼い主さんが安心して迎えてくれるように、譲渡するときには私が診断書を書いて説明しています」

 

衝動飼いにつながらないように、「申請書の提出→予備審査→講習会→(預かりのトライアル)→譲渡」と、新しい飼い主の決定までステップを設けています。さらに不妊・去勢手術はもちろん、マイクロチップも装着し、病気があれば動物病院と連携、アミティエではイベント時に犬のしつけ教室も開催しています。動物福祉の理念である「The Five FreedomsforAnimals」にもとづく運営も心がけ、コロナ禍で犬猫の譲渡数が減り滞在期間が長くなったため、新たにドッグランや猫舎を作って設備を充実させました。

 

 

「正直に言うとアミティエは赤字なので、いろいろなところからご寄付をいただいて運営しています。しかし私をはじめ獣医師がついている以上、精一杯の治療をしてあげたい思いがあるわけです。施設にいるそれぞれの犬猫の体調に合わせて予算を組み、マンパワーを割り振っています」

 

今回Heart to Heartキャンペーンの治療費の支援を受けたのは、プッチー、ジャンプ、トライ、ミライと名付けられた生後間もないきょうだいです。子猫は下痢を起こすことが多く、中には命に関わる病気や寄生虫などの感染症も少なくありません。原因の特定のために検査と入院の費用がかさみ、プッチーは皮膚腫瘤の切除手術も行いました。

 

左上から時計回りにプッチー、ジャンプ、トライ、ミライ。4頭には新しい飼い主さんが見つかり、現在は各家庭で幸せに暮らしています。「今回のような治療費の支援があると私たちも力を尽くせるのでありがたいですね。アミティエとしては、これからも犬猫を大切にしてくださる新しい飼い主さんを求めて譲渡活動を行っていきたいという思い。それが今後の方針であり、今までと変わらない方針です」

 

財団理事長の山根義久先生は母体となった活動を1970年に始め、アミティエの開設に尽力。動物保護活動を始めて8年目を迎えた今、「譲渡した先で犬も猫も、飼い主さんも幸せになってほしい」と願うようになりました。

 

 

「猫も犬も人間不信になってくるから、懐くまでに時間がかかりますね。『懐かなくてもいいから家族にします』と猫を引き取ってくれた飼い主さんもいます。しかしみなさん、家族の一員として一生懸命向き合ってくれている。とてもうれしいことです。これから動物を迎えようと思っている方は、ぜひアミティエにいる犬猫に会いにきてほしいですね」

 

人と動物の未来センター・アミティエ(人と動物の会) http://haac.or.jp

 

山根義久先生はアミティエ内に子供向けのスペースを作るために絵本など児童書を集めています。読まなくなった児童書をお持ちの方は以下へお送りください。

〒682-0025
鳥取県倉吉市八屋214-10
公益財団法人動物臨床医学研究所 絵本寄贈係宛
電話:0858-26-0851

 

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