「Heart to Heart キャンペーン」の活動レポート

Heart to Heart Story 【特定非営利活動法人手と手の森】

獣医師や動物看護師が活動する

特定非営利活動法人手と手の森理事長:本田リエさん、

緑の森どうぶつ病院しつけインストラクター:保久留美子さんにお話を伺いました

 

北海道旭川市の緑の森どうぶつ病院が2012年に立ち上げた手と手の森は、獣医師、動物看護師、しつけインストラクター、動物病院従事者が中心に活動。「てとて、旭川しあわせ プロジェクト」の中で、旭川市動物支援センター・あにまあるに収容される犬猫を新たな飼い主さんに譲渡しています。

「手と手の森は緑の森どうぶつ病院のCSR(社会的責任)の一環として活動しています。動物病院が保護活動を行っていると意外に思われますが、旭川市では犬猫の殺処分が多かったので、とにかく助けなければと思って始めました。最初は旭川市動物支援センター・あにまあるから引き出した保護犬・保護猫の世話で精一杯でしたが、それぞれの子の性格や要求を満たすことを心がけたら、新たな飼い主さんに出会える犬猫が増えたんです。専門的な視点で環境を整えることの大切さを実感しています」

 

あにまあるにも獣医師がいて手術室もあり、自治体の動物関連施設としては全国的に見ても動物のための支援が整っています。しかし行政の中ではできることが限られています。「そこで病気の犬猫だけ、手と手の森で引き取って治療をしてから譲渡することにしたんです」と保久留美子さん。健康な犬猫はあにまあるからそのまま譲渡されます。このように分担してから譲渡率がさらに上昇しました。

 

 

「私たちが引き取るのは高齢、病気、問題行動を抱えている犬猫なので、治療しても治る子ばかりとは限りません。そういう難題がある子は、性格的に生きたい気持ちが強くてたくましいですね。Heart to Heartキャンペーンの支援を受けた4匹の猫は、すでに新たな飼い主さんに譲渡できました。糖尿病のもーちゃんもご縁があって、今では飼い主さんと一緒に通院してくれています。院内でも顔見知りが多いから『今日はもーちゃんが来た!』と話題になるんですよ」

 

 

 

あにまあるに収容された時点で根治が難しい病気を抱えている動物も少なくありません。緑の森どうぶつ病院では治療に加えて看取りも行っています。「腫瘍ができて亡くなってしまった小春やめいも、支援のおかげで最期まで穏やかに過ごすことができました」と保久さん。緩和ケアによるQOLの改善にも役立っています。

 

「動物病院で働くスタッフはみんな動物が好きなので、手と手の森の活動は一緒に喜んだり悲しんだりする大切な活動になっています。保護活動が動物に対するやさしさをもっている獣医師や動物看護師が育つきっかけになっているのではないでしょうか。保護犬・保護猫に関わる者として、かわいそうという気持ちより、未来を感じることが大切だと思っています。手と手の森は人と動物の幸せを広げるために、これからも幸せなストーリーを伝えていきたいと思います」

 

特定非営利活動法人手と手の森 http://tetote-project.or.jp

 

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