「Heart to Heart キャンペーン」の活動レポート

Heart to Heart Story 【特定非営利活動法人 ねりまねこ】

猫の問題に地域全体の協働で取り組む

特定非営利活動法人ねりまねこ 理事長:亀山知弘さん、副理事長:亀山嘉代さんにお話を伺いました

 

 

東京都練馬区の行政と協働で地域猫活動を推進するNPO法人ねりまねこは「自分のことは自分でやろう」を合言葉に住民、動物病院、ボランティアと取り組んでいます。

 

「私が猫の問題にかかわるきっかけになったのは、15年前に瀕死の子猫を保護したことです。ななと名付けて夫婦で看病しましたが、亡くなってしまいました。ななの死は私たちにとって衝撃でした。それから『不幸な猫を減らしたい』という思いで、2010年に地域猫推進ボランティアになったのです。2014年には『特定非営利活動法人ねりまねこ』を設立しました」

 

 

 

「活動を10年以上続けて、地域猫の登録が1,000頭、譲渡が600頭を超えました。ロードキルが半減したことから、飼い主のいない猫も大幅に減っていると考えています。野良猫の問題は地域との協働で着実に進んでいることを実感しています。一方、以前から取り組んでいて難しいと感じるのが多頭飼育崩壊です。飼い主さんが貧困や孤立によって猫に依存してしまい、引き取りの申し出になかなか応じてくれません。先日も6年前から行政と共にアプローチを続けた家庭から、ようやくすべての猫を引き取れました」

 

 

「そのうちの1頭が三毛猫のパト(6歳)。おとなしい子でしたが、わが家に来てからすっかり甘えん坊に。本来の明るい性格が出せるようになったんでしょうね。これから幸せになってほしいと思った矢先に乳腺腫瘍を見つけましたが、Heart to Heartキャンペーンのおかげで速やかに切除手術ができました。病理検査の結果は悪性腫瘍でしたが、ステージ1の段階で手術できたことは、パトにとっても希望になります。再発しなければ天寿を全うできる可能性が高まるからです」

 

「パトは今は乳腺腫瘍の切除や生存期間の中央値が21カ月と告知したうえで、新たな飼い主さんを募集していますが、3カ月以上経っても応募がない状況です。わが家には常に譲渡を待つ保護猫が10頭以上いるので、パトがゆっくり過ごせる家庭に迎えていただけたらいいのですが……。今まで保護猫はすべて譲渡してきましたが、もしかしたらパトちゃんは初めて残る猫になるかもしれませんね」

 

 

「多頭飼育崩壊の家庭にいた猫は、頭数が多いうえ健康状態が良くないんです。野に出せない、殺処分できない、お金を払えない、という八方塞がりになりがち。行政では対応できず、民間にも限界があります。それでも私たちが多頭飼育の現場に入っていけるのは、Heart to Heartキャンペーンのような治療費の後方支援のおかげです」

 

 

特定非営利活動法人ねりまねこ https://nerimaneko.jimdofree.com

 

 

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