認定団体の活動レポート

楽しみながら介助犬を知る「介助犬フェスタ2024」開催!

社会福祉法人 日本介助犬協会さんでは、介助犬について楽しく知るイベント『介助犬フェスタ』を開催しています。愛・地球博記念公園内の地球市民交流センターにて5年ぶりに完全現地開催されたイベントに参加してきましたので、その様子をレポートいたします。

 

楽しく触れ合って介助犬をもっと身近に

「見る、知る、感じる、そして楽しむ!」をコンセプトに、介助犬に出会って楽しく知ってもらうこのイベントは今年で14回目。2020年からはオンラインやハイブリッドでの開催が続いていましたが、コロナ禍を経て現地のみの土曜日開催は5年ぶりとなりました。当日は天候にも恵まれ、イベント開始前からたくさんのお客さまとワンちゃんたちで賑わっていました。

介助犬フェスタ会場の様子
今年は土曜日開催ということで、早い時間から多くの方がワンちゃん連れで楽しんでいました

日本全国で活動している介助犬の実働頭数は59頭(2024年4月現在)。その認知度はまだまだ低く、より多くの方に実際に見て知ってもらう機会となるように、会場のステージには常に様々なプログラムが用意されています。また実際に犬と触れ合える体験コーナー、チャリティグッズが買えるブースなども並び、どなたでも気軽に参加できる楽しいコンテンツが盛りだくさんです。

介助犬の支援にも繋がるチャリティグッズ
毎年介助犬フェスタに合わせて新チャリティグッズが登場。オンラインショップでも購入できます
愛犬似顔絵コーナー
大人気の愛犬似顔絵コーナーが久しぶりに復活!たくさんの人が愛犬たちと楽しく参加されていました
補助犬ブース
介助犬と同じく身体障害者補助犬である盲導犬と聴導犬のブースも常に賑わっていました
介助犬フェスタのキッチンカー
青空の下でたくさんのキッチンカーが出店!ワンちゃんと一緒にランチを楽しむ方も

実際に見て分かる介助犬たちの素晴らしさ

ステージでは介助犬がお仕事をする様子を見ることができるデモンストレーションが行われました。介助犬は手や足に障がいを持つ方のお手伝いをする犬です。この日は介助犬フェスタ初登場のPR犬プリンスくんがお仕事を紹介してくれました。

靴と靴下を脱がせて靴下を洗濯カゴに入れる作業は、前かがみで転倒したり元の体勢に戻れなかったりする方も多い中でとても大切なお仕事のひとつです。靴と靴下とで力加減をしっかり変えて脱がせてくれるところが素晴らしいなと思いました。

介助犬PR犬によるデモンストレーション1
介助犬が手伝ってくれることで、日常生活の中でさっとスムーズに動作をすることができます

他にも「鍵を拾って手元まで持ってくる」「冷蔵庫から冷たい飲み物を持ってくる」「発券機からチケットを取る」お仕事も見せてくれました。介助犬は普段トレーニングするときに褒めて育てているそうで、プリンスくんが上手にできると会場の皆さんからも大きな拍手が。プリンスくんもずっと尻尾をブンブン振りながら楽しそうにお仕事紹介をしてくれました。

介助犬PR犬によるデモンストレーション2
上手にお仕事紹介ができて、どこか満足げな表情のプリンスくん

ステージに介助犬使用者さんが登壇され、介助犬とどのような生活を送っているのかお話をしてくださいました。なぜ介助犬を希望したのか、介助犬との暮らしの中で変わったことなど、生の声を聞くことができるとても貴重な機会でした。

介助犬使用者さんの話
ステージ上でも常にリラックス。ときどき使用者さんをじっと見つめる視線が愛らしい

とても印象的だったのが「介助犬がいてくれると気持ちが楽です」というお話。自分でやるととても時間がかかり疲れてしまうことでも介助犬がいるとさっと手伝ってくれたり、物を落としてしまった時に誰かに頼まなくても喜んで拾ってくれるので本当に気持ちが楽になるそうです。ただそばにいるだけで安心感を与えてくれる介助犬の素晴らしさが伝わるお話でした。

※介助犬を街で見かけた際はお仕事中なので、直接声をかけたり触ったりせず「やさしい無視」で心の中での応援をお願いいたします。もちろん困っている様子の使用者さんには「何かお手伝いしましょうか?」などと積極的にお声がけください!

犬だからこそできること

介助犬フェスタでは『感謝の集い~認定報告会~』という会員限定コンテンツがあり、新たに認定を受けた介助犬ペアの認定報告や昨年度の活動紹介等が行われます。2020年からはオンラインでの開催でしたが、今年は5年ぶりに介助犬フェスタと同日に完全対面方式で開催されました。全国各地から介助犬使用者さんたちやDI犬®&ハンドラーさんも参加され賑やかな報告会となりました。(DI:Dog Intervention®)

介助犬協会の活動報告
介助犬だけでなく犬それぞれの個性を活かした活動の紹介も

『感謝の集い2024』では、昨年度新たに認定された介助犬ペアとDI犬®&ハンドラーの誕生までの軌跡が紹介されました。

介助犬を希望したきっかけ、一緒に暮らし始めてからの変化など、使用者さんのお話が映像や写真などで紹介されます。不安な気持ちから一人での外出が難しかったり、外出できてもストレスを感じてしまったりする中で、介助犬との生活を希望されたそうです。

感謝の集いに参加の犬
そっとそばにいるだけで人を安心させてくれる犬たち。本当に優しいお顔をしています

介助犬が何かを手伝ってくれることももちろん大切ですが、「ただそばにいてくれるだけでストレスが減り安心して生活ができる、これから色々なところに出かけて挑戦していきたいです」と、とても貴重なお話を聞かせてくださいました。

日本介助犬協会さんでは、犬を介して人々の笑顔や意欲を引き出すような取り組み『Dog Intervention®(犬による介入)』にも力を入れています。その活動の1つである付添犬とハンドラーのペアの認定報告もありました。付添犬は虐待や性被害を受けた子どもが、司法関係者や医療従事者などに自分の受けた出来事について安心して伝えられるよう手助けをする犬。付添犬の派遣は100件を超えているそうです。

感謝の集いに参加の犬
緊張感のある中でも犬たちはマイペースにずっと隣で寝ています。見ているだけで癒されます

ハンドラーさんのお話の中で「付添犬活動は犬たちだからこそできる活動だと確信しています」という言葉がとても印象的でした。付添犬がそばにいることで子どもたちの表情が少しずつ和らいでいったり、気持ちを後押しするきっかけになる瞬間をたくさん見てきたそうです。子どもたちの未来を守りたいという強い気持ちと、犬たちの可能性を信じて深い愛情を注いでる姿に、あたたかい声援を送る方もいらっしゃいました。

5年ぶりの対面方式での開催ということで、PR犬のナビちゃんとプリンスくんによる福笑い対決や借り物競走も行われました。

介助犬PR犬によるゲーム
ゲームに参加したナビちゃん。会場のみなさんからはあたたかい声援が

『感謝の集い』は犬の力を必要としている方、困難を抱える人に寄り添う方、その周りで支えてくれる方など、多くのみなさんのあたたかい想いを感じられる素敵な時間でした。

報告会の中では犬の訓練に携わっている方から「人間ではどうしようもないことを犬たちがやってくれていると感じています」というお話もありました。「楽しい!」「嬉しい!」と尻尾をブンブン振って気持ちを伝えてくれたり、そばにいるだけで人を元気にしてくれる犬たちの力は本当に素晴らしいですね。

DI犬
聖マリアンナ医科大学病院の3代目勤務犬ハクくんにも会えました!実物もやはりイケメン
DI犬に集まる子どもたち
子どもたちが質問したり触ったりしている間も、リラックスしながら寄り添ってくれています

今回介助犬フェスタに参加して、実際に間近で見たり触れたりすることでしか感じられないことがたくさんあるんだなと改めて実感しました。まずは楽しく介助犬のことを知っていただき、もっと理解が広まり、一人でも多くの方が犬と一緒に楽しく幸せでいられることを願っています。

日本介助犬協会さんでは、介助犬総合訓練センター『シンシアの丘』で定期的に事前申込制の見学会も実施しています。お近くにお住いの方、近くまでお越しの機会がある方、是非一度見学会にご参加ください!

*************************************************

日本介助犬協会」さんのご紹介・ご寄付のページはこちらからご覧いただけます。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

*************************************************