「JAHA」 人と動物とのふれあい活動見学レポート
アニドネ認定 啓発団体のひとつ、公益社団法人日本動物病院協会(以下、JAHA)さんの「人と動物とのふれあい活動」(以下CAPP活動※)を見学してきましたのでその様子をお伝えします。
※CAPP活動とはJAHAが行う人と動物のふれあい活動(Companion Animal Partnership Program)の略称です。広義でアニマルセラピーと呼ばれます。
JAHAの大切にしている理念、
『ヒューマン・アニマル・ボンド』~人と動物との絆~
を大切に、どうぶつたちと飼い主が高齢者施設、病院、学校などを訪問し、動物のもつ温もりや優しさにふれてもらうというボランティア活動です。
ボランティアに参加出来るのはJAHAが定める活動参加基準に達した一般の家庭で暮らすどうぶつと飼い主。
活動の歴史は長く、1986年より始まり、昨年30周年を迎え、2017年3月までで活動回数はおよそ1万9千回にも上ります。
JAHAで行うCAPP活動は、目的などにより、おおまかに以下の3つに分けられます。
①AAA(Animal Assisted Activity)動物介在活動
動物とふれあうことによる情緒的な安定、レクリエーション・QOLの向上等を主な目的としたふれあい活動。
特別養護老人ホームや介護保険施設などで行われています。
②AAT(Animal Assisted Therapy)動物介在療法
人間の医療の現場で、治療行為として行われる動物を介在させた補助療法。そのため医療従事者の主導で実施します。
③AAE(Animal Assisted Education)動物介在教育
小学校等に動物と共に訪問し、正しい動物とのふれあい方や命の大切さを子供たちに学んでもらうための活動。
核家族化や住宅環境等の理由から犬・猫と全く触れ合ったことがない子供たちも多いそうです。
今回、私が見学させて頂いたのは特別養護老人ホームで行われた①の動物介在活動です。
その日の参加者は、5組のわんちゃん&飼い主さまペアと、おふたりの人のみ参加の方。
参加メンバーはボランティアさんご自身の都合で毎回変わります。
活動前のミーティングはチームリーダーの片岡さん主導で、今日の活動の流れ、注意事項など手早く、和気あいあいとした雰囲気でおこなれました。
今日は参加わんちゃんに対して、参加される利用者様の人数が多いとのこと。
けれども、決して無理をせず、わんちゃんをふくめ、とにかく参加するみなさんが「たのしむこと」を何よりも大切にしてください!とおっしゃっていました。
初参加の私はどきどき…
ミーティングを終えると、いよいよ利用者様の前へ、わんちゃんたちの出番です。
今回参加の利用者様は30名ほど。広間に円を作って嬉しそうにお待ちでした。
そこに、まずわんちゃんたちが登場。
円の真ん中で飼い主さんと一緒に自己紹介です♪
利用者様からは温かい拍手。
みなさんの笑顔が印象的でした。
そして、次に円をまわって、全員にご挨拶です。
お膝の上に座って抱っこしたり、握手をしたり、撫でてもらったり。
「わたし、いぬがだいすきなのよ~」
「むかし、〇〇を飼っててね。」
「もう自分じゃ飼えないからね」
「今日をすごく楽しみにしていたのよ」
とお話しして下さる利用者様がたくさんいました。
施設のスタッフ様も、わんちゃんと利用者様の写真をぱしゃり。
とってもいい笑顔の写真ばかり。
「今日は自然といい笑顔の写真が撮れるんですよ。この写真をご家族にお渡しすると、ご家族もとても喜んでくれます。」と教えてくれました。
みなさんが触れ合う時間が持てた様子を見て、チームリーダーの声掛けにより、次は芸披露へ。
円の真ん中でそれぞれ得意技を披露してくれました。
利用者様がボールを投げて、それを取りに行ってくれるこ。
ミニピアノを弾いてくれるこ。
お手。待て。お回り。をみせてくれるこ。
例えわんちゃんが失敗しても、みなさん温かく、愛おしそうにみて拍手を送っていました。
利用者様にとってはボールを投げることも大切な運動となるそう。
普段は力が入れることが出来ない利用者様も、不思議とこの時はボールを投げることが出来る方が多いとか。
そのあと、お誕生日月の利用者さまのお祝いでみんなでHappy Birthdayを歌い、
わんちゃんと記念写真。
なんと、95歳の戌年の方でした。
「戌年で、大好きなわんちゃんにお祝いしてもらえてとても幸せです」とおっしゃっていました(*^_^*)
楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後にお別れのご挨拶。
活動後は反省会のミーティングをして、解散となりました。
夏季中、活動はしばらくお休みに入り、こちらの施設での次回の活動は秋になってからとのことでした。
活動に参加してみて、とにかく利用者様の笑顔がなによりも印象的でした。
どうぶつと触れ合うことは、やはりすごいパワーがあると実感しました。
また、どうぶつたちへの負担はないのかな?と思っていましたが、抜群の信頼関係のある飼い主さんがハンドラーとして、また無理せずみんながたのしめることが最優先に配慮されていることがよくわかりました。
是非これからもたくさんの方に、どうぶつと触れ合う機会を届けて欲しいと思いました。
アニドネとしてすこしでもJAHAさんのCAPP活動の一助になっていると思うととても嬉しかったです。
活動の予定はJAHAホームページに掲載されていますのでご興味ある方は、まずは気軽にボランティア講習会に参加し、実際の活動の見学に行かれてみてください♪
https://www.jaha.or.jp/hab/capp/schedule/
日本動物病院協会 (JAHA)
ホームページ:https://www.jaha.or.jp/
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