神奈川県動物愛護センター見学 レポート

アニマル・ドネーションでは、
行政施設への取材を積極的に行っています。

行政の施設というのは、いわゆる「保健所」や「動物愛護センター」と
呼ばれている施設です。都道府県や市町村の予算によって運営管理されています。

 

少し前までは、動物を引き取り処分する場であった行政の施設が、
ここ数年の間に徐々に「新しい飼い主を探す場」に変わってきました。

 

今回は、写真家inu*maruさん、Swimmy One・Wan Projectさん主催の「神奈川県動物愛護センター見学&おはなし会」に参加して知った動物たちの現状と新施設の様子をレポートします。(取材:2019/9)

*********************

神奈川県動物愛護センター
所 在 地:神奈川県平塚市土屋401
新開設 : 令和元年6月

■神奈川県動物愛護センターとは
令和元年6月 旧センターと同敷地内に建設された神奈川県平塚市にある犬猫たちを「生かすための施設。」新施設には処分機などの設備はありません。

■旧神奈川県動物保護センター
昭和47年 4月1日開設と共に犬を「処分する施設」として業務を開始。

※猫の引き取りが開始になったのは昭和55年1月のこと。

*********************

「処分する施設」から「生かすための施設。」へ。

自然に囲まれ、最近の雨風にも負けずに施設の駐車場にはひまわりたちが太陽の方を向いていました。

外観は木材を基調とし、冷暖房も完備されています。

まるで、綺麗な動物病院のような、そこは人間も動物たちも過ごしやすく快適な場所でした。

犬たちの各部屋はスペースを確保され、とても綺麗で、どの子も自ら近寄ってくる様子が何とも可愛いらしいです。

明るい、景色の良いバルコニーでは歩きながら犬猫を見ることができます。

 

 

旧センターのあり方について、そして「犬たちが笑顔」になるまで。

センターの業務課長さんがスライド1枚1枚丁寧に、知られざる過去のセンターのあり方と移り変わる時代背景、

そして現在の新センターでの生まれ変わり、「生かすための施設。」への想いを伝えてくださいました。
今では入ることのできない旧センターでの貴重なお写真は写真家inu*maruさんが残してくださったものです。
処分機や暗い通路の写真を見てなんともいえない悲しさが込み上げてきます。

 

当時、今では考えられない「不用犬」という堂々たる表記がされていた収集車。
まだ野犬の巣穴も多かったこの時代に、収集日程表を元に犬たちを集めていったそうです。

旧センターの収容房では犬たちが溢れかえっていました。

動物に関わる仕事の職員さんは、もちろん、動物が大好きなのです。
相反する行為を行なわなければいけないということに、涙を流し、心を痛める毎日だったことと思います。
処分していたその一方で、職員さんたちの愛護精神より動物愛護意識の普及を一生懸命行ったそうです。

 

建物は変わらなくても職員さんの意識、そして周りの処分という考えもどんどん変わっていきます。
そしていよいよ多くの支援、ボランティアさんの協力もあり、愛護普及が活発になっていき、施設に陽の光が入ります。

動物たちの表情がみるみる変わっていく様が、写真から手に取るようにわかります。

 

「生かすための施設。」とは?

そこは、医療設備も整い、犬猫に十分なスペースがあり、とても快適な環境と言える場所でした。
そのような設備と神奈川県の殺処分ゼロを聞きつけ、県内のみではなく全国から毎日のようにお問い合わせがあるそうです。

しかし、センターは安易に引き取ることはしません。

終生、飼い主と一緒にいることを強く願い、まずは問い合わせ者のまわりに里親になってくれるような人がいないか探してもらったり、この方法でだめならば、また別の方法をというように解決策に時間を要し、ご対応をされるそうです。

一度でも施設に来てしまったという、犬猫の望まぬ経験を無くすよう、迷子により運ばれてきた子に対してもおうちに戻れるようにまずは、車の搬入口にあるマイクロチップスキャンに通し、身元確認するといいます。
今後も、迷子による不本意なセンターへの到着をなくすべく、迷子札などの啓発の声かけをしています。

 

他にも新センターには可愛いPOPで譲渡の方法を促したり、企業や学校と提携し、譲渡後の生活を想像させる造りを施したりと、「生かすための施設」となった神奈川県動物愛護センター。

譲渡後の生活も幸せになってほしい。と日々、職員の方は皆考えています。

しかし悲しいことに、まだまだ世には保護犬、保護猫という存在が多くいるという事実があります。
百聞は一見にしかず。
いつでもセンターは暗くてかなしい場所だと思っていました。
かつては不用犬とも呼ばれていたような事実からその印象が本当であった時もあるかもしれません。しかし、私が見た施設は「生きるための施設」であることを感じました。

このレポートを通じ、「今、じぶんにできること。」を私たち一人一人が少しでも考えることのキッカケとなれたら幸いです。

このような素敵な見学会を開催いただきました、写真家inu*maruさん、及び、Swimmy One・Wan Projectさん誠にありがとうございました。

 

 

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。