最新活動レポート

ONE BRANDさんのセミナーでパネリストをしました

梅雨の合間のすっきりと晴れた6月30日(土)。
犬のためのフリーペーパーであるONE BRANDさんの
セミナーが行われました。

アニドネ代表である西平がパネリストとして
参加させていただきました。

その報告レポートです!

 

今回のテーマは、
「動物愛護法の改正で変わること、変わらないこと」

一部
国際動物専門学校の講師 神里洋先生による
「ドッグワールド~犬界について~、週齢規制で変わること」

二部 パネルディスカッション
「法改正に期待すること、現場の対応」
神里洋先生
打越綾子先生 成城大学法学部 准教授・前動物愛護管理のあり方検討小委員会委員
西平衣里 一般社団法人アニマル・ドネーション代表理事

当初の予定では、6月30日には動愛法の改正案が決まっている予定でした。
しかし、他問題に押され今国会で決まるのか否かが不明な中、
セミナーが開催されました。
また6月1日、動物愛護法の改正に先立ち、
動物取り扱い業者への規制が導入されました。
同法の改正が行われる本年、国会に提出される法案が
今後どのような影響を与え、本当に殺処分減少に向けた
取り組みとなるのでしょうか。。。。

一部は、まさに犬界のプロ、神里先生のお話です。一部は、まさに犬界のプロ、神里先生のお話です。
こちらのダンディーなひげのおじ様が神里先生です。

神里先生は、18歳からアメリカン・コッカー・スパニエルの飼育を行い、
その後50年間に、コッカー・スパニエル、スコティッシュテリア、
グレート・デン、ウイペット、ミニチュア・ピンシャー、狆の繁殖をしてきました。
1984年からドッグショーの審査を開始し、34カ国で審査をされた経歴を
お持ちです。1987年からは(社)ジャパン・ケネル・クラブ(JKC)に
19年間勤務し、専務理事、犬籍事業部長を務められ、その間、国際畜犬連名(FCI)の
アジア地域担当執行委員も務められました。

私、西平はパネリストとして二部からの参加でしたので
神里先生の講義を、無料で聞いておりましたが、
正直申し訳ないくらい面白いお話でした!

やはり、その道を極めたプロの方の話はとにかく奥が深い!
ご本人は当然のことでも、素人からするとプロ論に圧倒されます。

少し内容をご紹介すると・・・
犬種の保有・維持
ケネルクラブとは
オオカミが犬になって変わったこと
19世紀にペットビジネスとドッグショーが始まった
健全な犬とは
ブリーダーの定義
繁殖の実際とわが国での現況 ・・・

大変に密度の濃い1時間でした。
犬の歴史、人間との関係が、よーく判るすばらしい講義でした。

私の理解としては、
犬は人間が生きていくにはなくてはならないスペシャルな
動物であること、
だからこそ法律で守ることが重要で、アニマル・ドネーションが目指す
動物福祉の向上も当然であることが確信を持てた講義でした。

そして、二部、パネルディスカッションです。

この日、そしてこのレポートを書いている現在においても
まだ法改正がどうなるのか不明です。
民主党が出している骨子案から、どんなふうに変わるのか、
その通り法案が通るのか。。。

私は過去の取材において、環境省の「動物愛護管理のあり方検討小委員会」の
傍聴を何度かしたことがあります。
その場では、確かに熱い議論が何時間も行われていました。
法律を一文加えることがいかに大変か、を感じたものでした。

打越先生はその委員会のメンバーで、よく発言されていました。
専門は法律です。

どうしても聞いてみたいことがありました。
常々疑問に思っていることでした。。。

日本は動物後進国家である、法律だって欧米に比べると
数は圧倒的に少なく、決められていない内容が多い、
ですが、それがいいことなのか。悪いことなのか。。
イギリスのように動物に関わることだけで70~80も法律ある
のが正しいのか???
ドイツのように、飼うスペースやリードの長さまで決められているのが
はたして素晴らしいことなのか。。。
現在の日本の動物愛護管理法は、性善説にたっているように思えるが
(私こと西平には)頼りない法律なのか。。。

打越先生の答えは、非常に明確でした。

法律で規制をしなければいけないほど統制が取れない状況であることより、
法律などなくても、うまく状況が維持できているほうが好ましいことである、と。

世の中、ザル法と呼ばれているものがたくさんある。
現在、日本の動物愛護管理法は、確かに性善説にたっているが
ヨーロッパのように個が強く動く国とは違うからである。
今回の、法規制において8週齢問題だけが際立っている印象があるが
それ以上に決めなければならないことが多々ある、と。

また、ブリーディングのプロである神里先生からは
犬種と問わず8週齢と決めるのは、リスクがあるという
ご意見をいただきました。

その後、聴講者の方からいろいろな質問をいただきました。
みなさんの熱心さに圧倒されたセミナーでした!

法規制に関しては、今後もアニドネのレポートで追っていくつもりです。