最新活動レポート

動物愛護法改正 数値規制「パブリックコメントに参加しよう!」

私たちの大事なペットを守る法律「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、動物愛護法)が、今まさに改正の時期(5年ごと)を迎えております。

現在は、有識者によって行われた「中央環境審議会動物愛護部会(第57回)」を終え、法律の改正内容について広く国民の皆様からの御意見を募集するパブリックコメントが実施されています(令和2年10月16日(金)から令和2年11月17日(火)まで)。

 

実は…「今はと~っても大事な時期!」をペットを愛するすべての方に伝えたくてこの記事を書いています。

 

一度決まった法律内容はそうそう変わりません。今回決まった数値規制は少なくとも5年、10年は変わらないでしょう。今後のベースとなる基準となります。

 

愛する動物のため、しっかり内容を理解して自分の考えを法に活かせるなんて、チャンスです。
ぜひ、パブリックコメントを寄せましょう!

 

★パブリックコメントはこちらから

動物の愛護及び管理に関する法律に係る省令案(飼養管理基準に係るもの)に対する意見の募集(パブリックコメント)について

数値規制ってなに?

今回改正のポイントは「数値規制」です。
これは、動物を飼育するにあたって、必要なスペースだったり、お世話する方が何頭まで面倒をみることができるのか、何時間くらい運動が必要なのか、ということを「数値」で決めることです。

 

アニドネスタッフの個人的な本音で言えば、数値などで決めなくても、動物がストレスなく幸せに暮らせる環境を人間側(ブリーダーさんでもペットショップでも、もちろん飼い主さんでも保護団体さんでも)が整えるべきだと思います。

しかしながら、現在の法律ではふわっとしか決まっていません。例えば、「…必要に応じて、走る、登る、及ぶ、飛ぶ等の運動ができるように…」といった具合なのです。なので、「狭いゲージに閉じ込めて」と感じる人もいれば「このくらいのほうが犬は安心する」と判断する人もいるのです。数値が決まっていれば、レッドカードが切れるということなのです。

 

ちなみに、「イギリス・ドイツ・フランスでの数値規制」は環境省の資料にありましたので、ご興味のある方はぜひご覧ください。イギリスやドイツは具体的な数値に落とし込まれているんですよね。大変参考になる資料です!

海外調査について ■各国(英・独・仏)における国が定めた定量的基準等について(一部のみ抜粋)

 

時間をかけて作られた数値規制案

アニドネスタッフは、これまで7回実施されてきた「動物の適正な飼育管理方法などに関する検討会」や
中央環境審議会動物愛護部会(第57回)」を傍聴してきました(すべてではありませんが)。

 

環境省の動物愛護室が中心となり、獣医療や動物行動学、法律の専門家、動物福祉関連、ペット業界など、多くの有識者がメンバーとして連なっています。大変な時間と労力をかけ作られた数値規制案だと感じます。関わられている方々に心からの敬意を表します。

 

そして、これまで決まってなかった規制案が決まるとなると、ペット業界からは心配の声が多々あがることも理解できます。飼育する頭数が現在より少なくなれば、当然スタッフを増員せねばなりません。街のペットショップ、飼育スペースが法律で決まった内容より狭ければ店内改装も必要となるでしょう。保護団体さんもシェルターの飼育状況が法律違反にならぬように配慮せねばなりませんね。
さまざまな立場の方からの意見がパブリックコメントで集まることが予想されます。

 

2020年10月7日に行われた、中央環境審議会動物愛護部会(第57回)。大変活発に意見が飛び交っていました

 

まずは案を読み込みましょう。

まず、パブリックコメントを送る手段としては、インターネットと郵送があるようですが、今回はネットの窓口をご紹介しておきますね。

以下からパブリックコメントを送付できます。

 

★パブリックコメントはこちらから
動物の愛護及び管理に関する法律に係る省令案(飼養管理基準に係るもの)に対する意見の募集(パブリックコメント)について

 

上記ページに規制案がアップされていますが、文字ばかり28ページの資料に気が萎えてしまうかもしれません…。
動物愛護部会で配布された資料が図入りで分かりやすかったので「適正な飼養管理の基準の具体化について」も見てください。

 

さぁ、みなさん!コーヒーを片手に1時間集中しましょう!
法律言葉なので漢字も多いですが、学生に戻った気分で読み込みましょう。

 

パブリックコメントは何を書けば?

これは、アニドネで決められないので、みなさん各個人が感じたことをまとめましょう。「数値規制はすべきこと。すべて賛成です」という方もいるかもしれませんし、多々心配に感じる項目もあることでしょう。

 

以下、アニドネスタッフも読み込んだあと、感じたことを4つほど書いておきます。

 

 

★猫の飼育スペースについて★

P.8 29行目~ 猫ちゃんは高さが必要な動物だと思います。1頭あたりのケージの大きさが体高の3倍以上となっています。ということは最低でも3倍あればいい、これはもう少し高さがあったほうがいいのでは、と思いました。

 

★犬の飼育スペースについて★

P.8 36行目~ 運動スペース一体型飼育において複数の個体を同一ゲージ等に飼育する場合は2分の1と記載があります。
つまり、分離型ケージの6倍のスペースに2頭がいることも可能となっています。体長30㎝の犬だったら、畳約1畳分のスペースに2頭がいる場合よっぽど相性が良くないとストレスになるのでは?と思います。あと、一体型では広さ高さは決められているけれど、動物福祉的な配慮として、個体が安心して休めるハウスを設置してあげたい、もちろん中にはやわらかい布等を置いてほしいと思いました。

 

★従業員数について★

P.10 5行目~ 一人あたりの飼育頭数は犬については 犬は20頭(繁殖用は15頭)、猫は30頭(繁殖用は25頭)とあります。
一般の家庭のペットたちは1頭でも大変なのに、、と感じますよね。この頭数が適正がどうか、よく考えたいと思っています。

 

★計画的施行★
施行までのスケジュールが気になります(通常は移行期間が設けられます)。数年かけて義務化までのプロセスを踏むのか、は資料からだとよくわからないのですが、、これから決める感じなのでしょう。今後の検討スケジュール(予定)について

2020年10月7日の動物愛護部会では「急激な規制で行き場をなくす犬猫が多くなることは避けねばならない。経過期間が大事」という議論がありました。保護犬猫を一般の飼い主さんに認知してもらうこともしていきたい、と行政の方の発言がありました。
なにより弱き立場の犬猫たちがつらい思いをしない「計画的施行スケジュールの実施」をすべきだと考えます。

 

 

さて、少しは参考になりましたでしょうか?

ぜひ、日本の動物福祉向上のためパブリックコメントにご参加くださいね。