最新活動レポート

ちよだ猫まつり2020「みんなで考えよう、動物福祉」参加レポート

ちよだ猫まつり2020が2月15日(土)、16日(日)の2日間にわたり、東京都千代田区役所にて開催されました。
毎年恒例となった同イベント。今年は副題として「みんなで考えよう、動物福祉」が掲げられました。

 

大の猫好きアニドネスタッフが参加してきたのでその様子をレポートしたいと思います。

 

 

行政とボランティアで共同開催、飼い主のいない猫のためのチャリティイベント

全国に先駆けて2011年から継続して猫の殺処分ゼロを実現している千代田区。

千代田区とボランティア団体「一般財団法人ちよだニャンとなる会」が協働して飼い主のいない猫の問題に長い年月をかけて取り組んできました。

 

ちよだ猫まつりは、一般財団法人ちよだニャンとなる会と千代田区が共同で開催するチャリティイベントです。

イベント収益は、飼い主のいない猫の医療費などに活用されます。

会場は大勢の人で大賑わい

 

 

ステージでは、動物福祉について考えるセミナー、チャリティーコンサートや猫落語、こどもを対象とした現役獣医師の先生による体験イベントなど、盛りだくさんのステージイベントが催され大勢のお客さんで賑わっていました。

 

 

 

 

猫グッズのクリエイター商品や限定の猫スウィーツのお店など40店舗以上が集結したニャンダフルマーケットは、猫好きにはたまらない夢のような空間。

 

 

上階では猫の譲渡会も同時開催。整理券の配布が終了するほどの大盛況でした。

 

 

 

杉本彩さん「とにかく諦めないこと。いつかチャンスがやって来るから。」

 

イベント開催1日目には、千代田区現市長でいらっしゃる石川区長と女優の杉本彩さんとの対談ステージが開催され多くの方が集まりました

 

 

杉本彩さんが代表理事を務める「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」は人と動物がしあわせに共生できる社会を目指して動物愛護の啓発を精力的に行っている団体です。

 

幼少の頃から無類の動物好きだったという杉本彩さんは、芸能界入りした20代に一匹の子猫との出会いがきっかけとなり個人的に保護活動を始めるようになったと言います。

救っても救っても終わりのみえない保護活動をする中で、「動物がしあわせな社会は、人間もしあわせ」「動物が不幸な社会では、人間がしあわせになることもないのでは」と考え、人と動物がしあわせに共生できる社会を目指して2014年2月に同団体を設立しました。

 

Evaは動物虐待の厳罰化を求めて積極的に請願の署名活動を行い、最終的には25万筆もの声を民意として国会に届け、その結果、改正動物愛護法では動物虐待犯罪への罰則が現行の2倍以上に厳罰化されました。(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)

 

また、長年かけてEvaが牽引して啓発活動を行ってきたアニマルポリスの設置についても、大阪府にて活用が開始されました。(2019年10月より動物虐待通報共通ダイヤル「おおさかアニマルポリス♯7122」の活用開始)

 

対談ステージの後半には、参加者との質疑応答の時間も設けられました。

 

その中のおひとりで、ご自身で保護活動をしている方からこんな質問がありました。

 

「保護活動をしていても、地域の方とのトラブルに巻き込まれたり、どうにもならないことが多い中で辞めたいと思うこともある。どうすればいいのか。」

 

それに対して杉本彩さんは優しく「とにかく諦めないこと。いつかチャンスがやって来るから。」と強く優しく話されていたことが心に響きました。

 

 

動物が教えてくれた愛のある暮らし 著者:杉本彩

 

理想のカタチ、千代田区とボランティアの関係性

本当の意味での殺処分ゼロを10年連続して達成することの出来ている千代田区。

活動の始まりは行政主導でした。ちよだニャンとなる会さんは、元々は区の理念に基づいて区が公募をかけて誕生したボランティア組織です。

 

千代田区の飼い主のいない猫問題はどうして上手くいっていると思うかという質問に対し、

ちよだニャンとなる会代表の香取さんは「石川区長のお陰」とおっしゃり、石川区長は「ボランティアが主導で話を進めてくれていて、区はそれをサポートしているだけ」とお互いを立て合っているのが印象的でした。

 

全国では行政と地域ボランティアが良好な関係を築くことに苦労していることを見聞きします。
そんな中、千代田区の行政とボランティアの関係性は理想のカタチであると同時に、これからの共生社会をのためには最も自然なカタチのように感じました。

 

千代田区に集結した溢れる猫愛

今年のちよだ猫まつりは初めて副題が付き「みんなで考えよう、動物福祉」と掲げられました。

数年前までは「動物福祉」という言葉すら聞いたことのない人が多かったように思います。

 

杉本彩さんは団体設立当初からアニマルポリスの必要性を諦めずに訴え続け、昨年ようやく大阪府で「おおさかアニマルポリス♯7122」が導入されました。

実際に運用してから考えなくてはならないことは沢山あるとおっしゃっていましたが、日本にとって大きな大きな一歩です。

 

同時に開催されていた猫の譲渡会は大盛況のため撮影はNGでしたが、それほど保護猫を家族に迎えるという選択肢が広がっているのだと嬉しい限りでした。

 

悲しいニュースや光景はまだまだ後を絶ちませんが、ちよだ猫まつりの熱気とパワーから確実に日本の動物福祉は前進していると感じました!

 

 

 

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。