認定団体の活動レポート

保護動物を家族に迎えるということ~アニマルレフュージ関西の場合

アニドネ認定保護団体認定特定非営利活動法人アニマルレフュージ関西(通称アーク)』は、大阪と東京を中心に、様々な動物の保護を続けておられる認定団体です。保護された動物達はアークで丁寧なケアと治療を受けた後、新しい家族の元へ譲渡されていきますが、『保護動物を新しい家族として迎える』のは、実際どんな感じなのでしょうか?

『保護動物を迎えようか…』とお考えの方に、アークさんから保護犬をお迎えした迎え主様にお話しを伺いました

先代の思い出を輝かせる『新しい子との暮らし』

最初にお話を伺った角様は、多頭飼育崩壊からレスキューされたマロウを迎えられました。

角様
角様の一員になったマロウ

ー不適切な環境で育ったマロウ。困った事はありませんでしたか?

「引き取った当初は分離不安が激しくて、とにかく何でも咬んで食いちぎって大変でした(笑)アークさんの助言を受けながら落ち着くまで、約1ヶ月ほどかかったでしょうか。半年間くらいで家族感も出てきました」

マロウ1
レスキュー直後で不安一杯のマロウ

ー保護動物には、マロウの様に問題を抱える子もいます。それでも敢えて保護犬を迎えられる理由を教えてください。

「問題があって里親さんが見つかりにくい子ほど、家族になれた時の喜びって大きいんですよ。今でもアークさんのHPでずっと募集中になっている子がいると、気にかかってしまいます」

マロウ2
元気一杯のマロウ

ーマロウで3頭目のお迎えなのですね。先住犬を見送ってからのお迎えに躊躇はなかったんでしょうか?

「私(奥様)は1頭目を見送った後、すごく落ち込んでしまって、1年間はとてもじゃないけれど”次の子を”とは思えませんでした。けれども、主人に”迎えなくてもいいから、会いに行こう”と言われて。実際に会うと、やはり『犬との生活』が恋しくなってしまい、結局お迎えする事になりました」

マロウ4
日々の写真撮影も犬と暮らす楽しみ

「新しい子を迎える前は、見送った子の写真や小物を見ては悲しくなってばかりでした。ところが、新しい子と生活を始めると、普段の何気ない生活で”あ~前の子は、こんな風だったよね~”と笑顔で話せる様になったんです。新しい子と生活する事で、前の子の存在をより強く感じ、その思い出が輝くんですね。決して”前の子を忘れる”事にならないんだと気付きました」

マロウ5
これからも元気で楽しい犬生を!

動物が与えてくれる命の輝きは、旅立っても色褪せることなく、新しい命と共に育まれていくのですね。これからも角様の光となって元気で楽しく暮らしてね、マロウ!

人間の都合より『犬ファースト』

ボルゾイのオフェリアは、真鍋様の子になって和歌山で暮らしています。

真鍋様
ちっちゃい大吉兄ちゃんと兄弟になりました

ーボルゾイはかなりの大型犬。よくお迎えを決心されましたね。

 「元々大型犬を飼っていたこともあり、アークさんにおすすめされました。けれど、最終的にはオフェリアが私達を選びました(笑)他の里親候補さんには吠えまくっていたのに、私達だけにはそうじゃなかった。お迎えするしかないでしょう!」

オフェリア1
うふふ。私が選んであげたのよ!と言ってるんでしょうか(笑)

「とは言え、お迎えしてから1年半くらいは、指示が入らない・他の犬に吠える・口が出る、などの問題行動が多くて、”返した方がこの子にとって良いんじゃないか…?”と悩みました。それでも踏ん張れたのは、先代の子を亡くした時の”もっと、こうしてあげてたら…”という後悔があったから。この子は絶対あきらめない!と腹が据わりました」

オフェリア2
ボルゾイはやはり大型犬です

「そんな覚悟を持ってオフェリアとじっくり向き合うと、彼女は”私はこうしたいの!”という主張をハッキリ持っている子で、人間の都合を押し付ける様な指示を入れてもダメなんだと分かりました。オフェリアは”今こう思ってるだろうな~”と想像して、それに配慮した指示を与える『犬ファースト』を心掛けると、快適に共同生活が送れるようになりました」

オフェリア3
ちゃんと呼び戻しも出来る信頼関係が築かれています

「常日頃、オフェリアを細やかに観察して気持ちを推し量っています。おかげで、先日は病気も早期に発見できました」

オフェリア4
大吉くん。オフェリアをよろしくね♪

飼養する費用や環境だけでなく、通院などのお世話そのものが大変な大型犬。”大変だから愛おしいんです!”とおっしゃる真鍋様を、やっぱりオフェリアは”選んだ”のですね。これからも犬ファーストの生活を楽しんでいかれる事でしょう。

保護活動の最終バトンを渡す迎え主様

いつもアニドネの窓口を担当して頂いている奥田様にも、お話を伺いました。

 

マロウもオフェリアも、素晴らしい迎え主様の家族になりました。どうやってマッチングしているのですか?

「日々のお世話を行うスタッフが、1頭1頭の個性や身体の状態をしっかり把握して、その状況にピッタリ合う、またその子を迎える事を幸せに感じて頂ける方にお繋ぎしています」

アークスタッフ
良いマッチングには、人との対話も欠かせません

ーマッチする迎え主様候補がいなければ、譲渡されないのですか?

「そうなります。けれど、”右から左へ”と移動させるような安易な譲渡は、動物だけでなく迎え主様にとっても良い結果になりません。時間がかかっても丁寧に対応しています」

アークスタッフ
アークの理念を大切に活動しています

ー人間よりも、ずっと寿命の短い動物達。1日も早い譲渡が望まれますね。

「そのためには、より多くの方に『保護動物を家族に迎える選択肢』を知ってもらい、迎え主として手を挙げて頂くことだと思います。保護活動の最終バトンを渡すのは、行き場のない動物達の新しい家族になって下さる迎え主様なんです」

 

保護動物は、過去の事情により心身に問題を抱えている事がありますが、それを乗り越えて生きる彼らの姿は、かけがえのないモノを迎え主に与えてくれるようで、今回取材を受けて下さった角様と真鍋様、両家様とも同じ様に”この子が愛おしい”とおっしゃっておられました。動物を家族に迎えるとき、保護動物を選択肢の1つとして検討してみては如何でしょうか?

 

アークさんでは、保護動物と触れ合えるボランティア活動を、毎月10日~15日頃に公式ホームページで案内されています。お散歩やお世話を実体験すると、保護動物が与えてくれるモノの片鱗を感じることが出来るかもしれません。(インスタグラム では、保護動物のリアルタイム情報発信も行っています)

アークスタッフ
明るく元気なスタッフがお待ちしています!

 

今後ともアークさんへのご寄付・ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

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※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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