寄付したお金の使い途レポート

寄付で保護猫のQOLを保つケアを

アニマル・ドネーションはみなさまからお預かりした寄付金を認定団体様へお届けしています。

「ねこもひとも、しあわせに。」を掲げて、岩手県盛岡市を中心に活動している認定特定非営利活動法人もりねこさんに4月に157,3395月に118,1336月に112,266(緊急支援基金除く)をお届けしました。

副理事長の田端さんに寄付金の使い途についてお聞きしたことをご報告します。

寄付金は猫たちの医療費に

ーアニマル・ドネーションからの寄付は何にお使いになりましたか

「もりねこで新たに引き取った猫たちの医療費として使いました

保健所から、または経済的な事情で困窮していらっしゃる方からのお引き取りの際は、不妊去勢手術などはもりねこで引き取ってから実施しています。保健所でもワクチンや駆虫など可能な範囲でご協力くださっていますが、耳ダニなどの寄生虫は一度の駆虫薬投与では完全に駆虫しきれていないことも多く、もりねこで再検査、投薬などを実施しています。保護現場

ご高齢の方が不妊手術をせず中外自由で飼っていたら30匹近くに増えてしまった現場です。
フードを購入するお金にも事欠いているような状況で、ごはんを炊いて猫と人が分け合って食べている、ということでした。

保護現場
これだけの数をすぐにはお引き取りすることができませんでしたので、フードのご支援もしながら順次引き取りを進めております。
この件では、管轄の保健所や社会福祉協議会の方のご協力もいただきました。社会福祉協議会など、福祉関係の方からのご相談も増えております。猫を巡る問題の解決には、福祉分野との連携も必要だと痛感しております

人慣れしていない猫たち
多頭飼育の現場から引き取られた猫は人が手をかけられていなかった分、人慣れしていないことが多いため譲渡までの時間も長くなる

シニアや病気の猫のケアを行いながら譲渡を目指す

「もりねこではFIVキャリア専門の譲渡型保護ねこカフェを運営していますが、FIVキャリアの子たちはどうしてもノンキャリアの子に比べると譲渡までの時間が長くなりがちです。もりねこに来てから数年経つうちに口腔内のトラブルを抱える子や、腎臓の状態が悪化する子も増えてまいりました。抜歯手術や投薬などを行うことで猫たちのQOLを保つ努力を行っております。

保護猫くろちゃん
くろちゃん

その中でもくろちゃんはとても我慢強い子で、お口の中は動物病院の先生がびっくりするほど悪化していたのですが、それでも頑張ってごはんを食べてくれていました。

保護猫カマンベールチーズちゃん
カマンベールチーズちゃん

もりねこに来て3年目になるカマンベールチーズちゃんは推定年齢も気が付けば7歳くらいとシニアの仲間入り。この春から腎臓の状態が悪化し、投薬や皮下輸液などを行っています。

保護猫 きんつばちゃん
きんつばちゃん

推定年齢10歳以上のきんつばちゃんも、腎臓のケアが必要です。
ご高齢の飼い主さんが亡くなってしまい、ご親族の方が保健所にご相談されてもりねこにやってきました。長毛気味で、いつも小首をかしげているのもとってもかわいいです。

日常的なケアを必要とする子たちにつきましては通常の譲渡に加え、もりねこが医療費などを負担する『終生預かりボランティア』※や、万が一の際にもりねこが猫をお引き取りする『終生預かり譲渡』※という制度も活用して一般のご家庭へとつなぐことが出来るように尽力してまいります

 

※ 終生預かりボランティア

基本的に看取りまでお世話をしてもらう制度。飼養に必要な備品やフードなどの消耗品、医療費などは全てもりねこが負担。預かりボランティアの方には水道光熱費、猫の通院の際の交通費の負担がある。

※ 終生預かり譲渡

2024年4月に新たに制定した制度。基本的には通常の譲渡と同様の条件のため、飼養に必要な物資や医療費は預かり先の負担、譲渡費用とマイクロチップの費用も発生する。預かり先の方に万が一のことがあった場合には、もりねこが無料で猫を引き取る点が通常の譲渡と異なる。自身の年齢を考慮して猫の飼育を諦めている世代の方に猫との暮らしを楽しんでもらえる制度でもある。

日々のケアが必要な猫にもずっとのおうちを

ー最後に寄付者様へのメッセージをお願いします

「みなさま、いつもご支援、応援をありがとうございます。
昨今、円安などの影響で様々なものが値上がりしておりますが、猫たちのフードなどの消耗品や治療に必要な医薬品も例外ではありません。みなさまからのあたたかいご支援のおかげで猫たちに十分なケアをしてあげられることを日々心から感謝しております。
譲渡ご希望の方は、少しでも長く一緒に居たいというお気持ちから、若く健康な子を希望される方が多くいらっしゃいます。少し年齢が高い子、日々のケアが必要な子たちはどうしてももりねこで過ごす時間が長くなりがちです。そんな子たちがもりねこで穏やかに過ごせるよう環境を整えることはもちろんですが、ご理解のある方のおうちに迎えていただけるよう、これまで以上に尽力してまいりたいと思います。引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします」

 

 

もりねこさんはアニドネがご支援をはじめさせていただいたときから譲渡希望の多くないであろう猫も保護していましたが、診療所の開設や団体としての保護活動経験を積み重ね、日々のケアが必要な猫の受け皿となっています。行政と協力し地域に根付いて活動されているもりねこさんへのご支援をよろしくお願いします。

 

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