寄付したお金の使い途レポート

確かな寄付で繋ぐ命。保護団体の医療支援で傷病犬猫へ穏やかな生活を

アニドネでは、認定基準通過団体へお届けした寄付金が、「その後どのように使われたのか」を詳しく伺いレポートしています。支援者の皆様へ信頼できる情報をお届けし、安心できる寄付を形にするための大切なプロセスです。

今回は、埼玉県八潮市で動物福祉の向上を目指し、シニア猫や傷病の猫たちを中心に保護している「特定非営利活動法人ねこひげハウス」さんのレポートです。ねこひげハウスさんは、入院室を持つなど、特に医療ケアやサポート体制を手厚く行っている団体です。

皆様の温かいご支援による寄付金は、アニドネを通じて2025年7月に476,754円、8月に94,242円、9月に57,730円と届けられました。この大切な寄付金を何に、どのように使われたのか。代表の石川さんにお話を伺い、活動の様子を詳しくレポートします。

 

行き場を失う理由。社会課題から命を繋ぐ寄付

ーここ数ケ月のアニドネからの寄付は何に使われていますか?

「シニア猫や傷病猫を多く保護しているため施設で介護や治療が必要な子たちが多くいます。終生飼育として暮らす犬と猫の医療費と、新たに保護をした猫の里親譲渡に繋げるための健康診断に活用させていただきました」

 

ー具体的な活動事例や背景、エピソードを教えてください。

「高齢者が遺したペットの問題は年々増加しており、いまや社会問題となっています。また近年の経済不況により、生活困窮から飼育が難しくなるケースも増えています。そのような現場に私たちが立ち会う機会も、確実に増えています。

猫の平均寿命はおよそ14歳といわれていますが、近年は医療やフードの質の向上により、20歳前後まで生きる猫も少なくありません。
ペットを家族として迎える際には、『自分の寿命』ではなく、『自分が何歳まで健康で責任をもってお世話ができるか』を基準に考えることが大切です。もしものときに備えて、確実に引き継ぎやサポートができる親族・知人を事前に決めておくことも必要です。

私たちのもとには、『家族が引き取ると約束していたが、実際にはアレルギーや住環境の問題で引き取れなかった』などの理由も含め、行き場を失う犬猫たちが多く持ち込まれます。一人ひとりが計画をもって命と向き合い、愛する家族(ペット)が困らないように備えることが何より大切なことだと思います。

保護されてくる動物たちは、信じていた家族と突然引き離され、不安そうで悲しげな表情をしています。中には怖くなって震えてしまう子もいます。その姿を見るたびに、胸が締めつけられる思いです。精神的な回復にも、時間と寄り添いが必要です。

ねこひげハウスでは、病気があるために保護をためらわれるシニアの子、ケガや医療費の負担で引き取り先が見つからない子など、行き場を失った命にも寄り添う活動を大切にしています。そして、そのような子たちも自由で穏やかに暮らせるシェルターを目指し、1頭でも多くの犬猫が行き場を失うことのないよう、必要なケアやサポートを継続的に提供していきたいと考えています」

寄付で繋いだ命。3頭への医療サポートの記録

「今回は、皆さまからのご支援により9月、10月に保護・治療を行った2頭の猫と1頭の犬の事例をご紹介いたします」

 

*スコティッシュフォールドのマミーちゃん♀ 7歳
「10月14日に保護をしました。84歳の一人暮らしの女性が病に倒れ、亡くなられました。遺されたマミーは、88歳のお一人暮らしのお姉さまが引き取られましたが、老老飼育となり、体力面・将来への不安からSOSがあり、当施設で保護することになりました」

自宅レスキュー時の保護猫マミー
自宅レスキュー時のマミーちゃん
保護猫マミー(現在の様子)
マミーちゃん(現在の様子)

「飼い主さんは77歳のときに、ペットショップからマミーを購入されたとのことです。このケースは、高齢者への安易な販売や、販売時の将来設計への配慮不足といった、ペットショップの課題を改めて浮き彫りにしました。
当施設に入居するための健康診断や初期医療として、皆さまからのご寄付を活用させていただきました。新しい家族を見つけてあげたいと思います」

*小梅ちゃん♀ 13歳
「中型の雑種犬・小梅ちゃん(13歳)は、子犬の頃に“番犬”として迎えられました。しかし実際は室内で飼われており、お散歩の経験がなく、室内のサークルの中で過ごすことが多かったようです。コロナ禍の影響でご家族の稼業が倒産し、自宅も差し押さえとなってしまいました。
体の大きな小梅ちゃんを連れて行くことができず、行き場を失ってしまったため、2025年2月に当施設で保護しました」

保護犬 小梅ちゃん(保護時の様子)
小梅ちゃん(保護時の様子)

「下痢や嘔吐を繰り返したため9月30日に精密検査を行ったところ、脾臓や腹腔内に腫瘍が見つかりました。
皆さまからのご寄付は、この検査費および治療費として活用させていただきました。現在はかかりつけ医と相談しながら、手術に向けて体調を整えている段階です」

保護犬 小梅ちゃん(検査画像)
小梅ちゃん(検査画像)
保護犬 小梅ちゃんの現在(左)
小梅ちゃんの現在(左)

「ねこひげハウスに来てから約10ヶ月。
当初は感情表現が乏しく、周囲の出来事にも関心を示さず、“犬らしいしぐさ”が見られませんでした。また足腰の筋力がほとんどなく、歩くだけでも転倒してしまい、30cmほどの段差を登るのも難しい状態でした。
それでも一緒に少しずつお散歩の練習を重ね、今ではお散歩が大好きでオヤツをねだるくらい明るい表情の小梅ちゃんになりました。お庭を笑顔で走り回る姿に、私たちも日々励まされています。高齢ではありますが、新しいご家族とのご縁を探しながら、少しでも感情豊かに穏やかな時間を過ごしてもらえたらと思っています」

*銀次郎くん♂ 推定8歳
「2024年2月に大けがを負っているところを見つけたご近所の方と命のリレーで保護しました。手術を受けましたが、脊椎損傷の影響で下半身不随となり、これまで排尿補助や身の回りのケアを続けてきました。施設では、ほかの猫たちとも穏やかに過ごしていました」

保護猫 銀次郎くん(保護時)
銀次郎くん(保護時)
保護猫 銀次郎くん(保護時の検査)
銀次郎くん(保護時の検査)

「しかし、10月24日に体調を崩して入院。診断の結果、肝外胆管閉塞を発症しており、命の危険がある状態でした。
銀次郎くんは、自力で排尿ができないため、通常の圧迫排尿(下腹部を押して排尿を促す方法)が適用できず、カテーテル採尿(尿道カテーテルを使って膀胱から尿を排出する方法)を常時行っています。

この方法は膀胱炎を起こしやすく、今回も尿中に細菌が確認されました。さらに、ステロイド薬が使用できないため治療の選択肢が限られる中、厳しい状況が続きましたが、奇跡的に回復の兆しを見せ、現在は少しずつ元気を取り戻しています」

保護猫 銀次郎くん(カテーテル採尿時)
銀次郎くん(カテーテル採尿時)

「皆さまからのご寄付は、今回の検査・治療費に活用させていただきました。

今後も注意が必要な状態ではありますが、これからも銀次郎くんに寄り添い、できる限りのサポートを続けていきたいと思います。
最期まで猫たちが安心して暮らせますように」

温かなご支援が、傷病のある保護犬猫の今を支えています

ーアニドネ支援者様へのメッセージをお願いいたします。

「いつも温かいご支援と応援をいただき、誠にありがとうございます。

ねこひげハウスでは、シニア猫や傷病猫を多く保護しているため、施設には介護や治療を必要とする子たちが多くいます。おかげさまで昨年9月に新施設へ移転し、以前よりも保護犬猫たちの生活環境や医療ケアを充実させることができました。

皆さまからの温かい応援が、こうした小さな命の大きな支えとなっております。そして私たちスタッフにとっても、何よりの励ましです。心より感謝申し上げます。

今後とも、ねこひげハウスの活動にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」

 

ねこひげハウスさんは毎月2回の譲渡会も開催されています。随時、公式ホームページSNSでも保護猫たちの様子がUPされていますので、ぜひご覧ください。引き続き、ご支援ご協力の程よろしくお願いします。

 

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ねこひげハウスさんの日々の活動はブログでも確認いただけます。ぜひ、ねこひげハウスさんのご紹介・ご寄付のページも併せてご覧ください。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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