寄付したお金の使い途レポート

多頭飼育レスキュー 猫を管理する意識が不足するエリアで猫8頭を保護

アニマル・ドネーションでは、皆さまからお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。

2025年6月、7月、8月14日と複数回数にわたり多頭飼育崩壊現場からレスキューされた新潟動物ネットワークさんに、緊急支援基金として9月30日に80,000円をお届けしました。

今回は、レスキューの詳細と基金の使い途について、スタッフの井上さんにお話をうかがいました。

60代女性の孤独死により起こった多頭飼育崩壊

ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?

「阿賀野市に住む方からNDNスタッフにご相談をいただきました」

ーどのような経緯だったのでしょうか?

「2025年5月に60代女性が孤独の中、亡くなられました。

故人宅は古家で戸の建付けも悪く、出入り自由の飼い猫が数頭いました。不妊手術をせずに出入り自由で飼っていた事が原因でかなり増えてしまいました。

飼い主が亡くなった後、その家の子猫が迷い込んで困るとNDNに相談が入りました。

愛護センターに相談すると持ち主死亡の証明があれば猫は引き取るということで、近隣に住む親戚から故人の兄(県外在住)に連絡し、猫をセンターに引き取ってもらいました。

しかしその後故人宅にまだ子猫と成猫がいたと兄からNDN連絡がありました」

 

「猫はネズミ捕りのためにいる」昭和の猫認識のエリア

ー状況を教えてください

「故人兄が猫を捕まえられないというので故人宅に同行しました。特有の糞尿臭で室内は荒れ果て、家のまわりの生い茂った草むらを歩いて裏口に行くと800gくらいの子猫と成猫が数匹、そして成猫の亡骸もありました。

故人宅の猫捕獲作業をしていると市道を挟んだ家が多頭崩壊しているとの情報が入りました。

初めは1匹の飼い猫だったが気が付いたら数えきれないほどの数になってしまい、不妊手術をしなくてはと思いながらも増えすぎた猫に対応が出来なくなっていたということでした。

現場となった阿賀野市周辺地域の猫認識は昭和のままです。出入り自由で不妊去勢手術はしない、子猫の小さな命は捨てればいい、猫はネズミ捕りの道具であり、猫の体調管理など全く無関心です。

多頭飼育宅には風邪をひいて鼻水が垂れ、歯がぐらついている猫が多数いました。

今回、故人宅から多頭飼育宅が発覚したのは氷山の一角だと思います。集落内では、他にも多頭飼育崩壊しているお宅が数軒あるという事です」

 

 

 

 

 

ー今回の寄付はどのようにお使いになりましたか

「故人宅の成猫、中猫の不妊去勢手術、子猫の健診費、ワクチン、ウイルス検査などの医療費、ごはん代、保護費に使わせて頂きたいと思います」

 

ー最後に、支援者の皆さまにメッセージをお願いいたします。

「逝去された故人は、体調不良を抱えながらも数年前より孤立した生活を送っていたようです。現場を視察した際、人間の食べ物は全く見当たらない状態でしたが猫缶・チュール・フードが辺り一面にありました。故人は、猫を大切にしかけがえのないものだったと痛感致しました。また故人が寝ていたと思われる寝床には、主人の帰りを待つかのように雌猫が身を隠していました。

もっと早くこの現場に気づいていたら、故人も猫も幸せに暮らせたのかもしれないと悔やむ気持ちでいっぱいですが、この度はご支援を頂戴し故人が最後まで大切にしていた猫達を救えたこと心から感謝しております。心温まるご支援を頂戴し、誠に有難うございました 」

 

 

新潟動物ネットワークさんは、動物と飼い主双方を救うべく日々奔走しておられます。
活動への皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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