寄付したお金の使い途レポート

寄付により繋がれた、人と猫の新しいご縁

アニマル・ドネーションはみなさまからお預かりした寄付金を認定団体様へお届けしています。練馬区を中心に地域猫活動を行なわれている特定非営利活動法人 ねりまねこさんへ、2024年10月に105,440円、11月に365,934円をお届けしました。代表の亀山さんに寄付金の使い途についてお聞きしました。

多頭飼育の現場からのSOS!

ー最近の寄付をどのようにお使いになりましたか

「多頭飼育の現場に介入し保護した猫たちの不妊去勢手術や、必要な治療を受けさせるための医療費として使わせていただいております」

ー具体的な経緯と状況を教えてください

「80代のご高齢の飼い主様が、経済的な理由で不妊去勢手術ができず約40頭にまで猫を増やしてしまいました。

多頭飼育現場から保護された猫

多頭飼育現場から保護された猫
興奮と不安、緊張でよだれが…
多頭飼育現場から保護された猫
ほとんどの猫が不妊去勢手術がされておらず、増え続けてしまったそう…

飼い主様は、優しい気持ちから猫をお家の中に入れたそうです。最初の数頭は不妊去勢手術をしましたが費用の負担が重く、どうしたら良いかと悩んでいる間に生まれてしまい子猫を迎えたいと希望する方々に協力を仰ぎますが次々と生まれ追いつきません。色柄も似て自宅の敷地内に隠れ正確な頭数も分からない。飼い主様ご本人だけの問題ではなくなったこの一件は、譲渡会のチラシを見たご親類から『猫を参加させてほしい』と相談を受けたことがきっかけで発覚し、地元ボランティア・福祉関係者・保健所と連携し力を合わせた救出プロジェクトが始まりました。

多頭飼育の対策として、全頭の不妊去勢手術をすること・(余力があれば)飼い主を探すこと この2点がとても重要になってきますが、どちらも若いメス猫を優先すべきだと考えています。妊娠の可能性があるメス猫への早急な不妊去勢手術は、今以上に数を増やさない事に繋がります。また、今回介入した現場の飼い主様は80代とご高齢なこともあり、人と猫それぞれの寿命を考え若いメス猫たちの保護を優先しました。兎にも角にも急いで繁殖を止めなければならないため金銭的な余裕がない飼い主様には所有権放棄をしていただき、こちらで費用を負担し医療行為を迅速に進めました。

多頭飼育現場から保護された猫
メス猫のもみじちゃん
多頭飼育現場から保護した猫
銀杏ちゃん
多頭飼育現場から保護された猫
くるみちゃん まだまだ他にも若いメス猫ちゃんたちはいます…

お預かりしたメス猫6頭のうち4頭は妊娠しており、とても悲しいですが中絶となりました。最終的にねりまねことしては24頭を保護して一時、自宅はケージだらけになりましたが渋谷園芸様やカインズ様が譲渡会の場所を提供してくださったおかげで少しずつ譲渡が進み、病気の1頭を除きすべて新しいお家へと送り出すことができました」

亀山さんの自宅
保護した猫たちでいっぱいになった自宅の一室
渋谷園芸さんでの譲渡会
渋谷園芸さんが譲渡会の会場を提供
カインズさんでの譲渡会
カインズさんも協力!

休む暇なく捕獲依頼への対応や動物病院搬送などを行い、それと同時にさまざまな場所での講演会にも参加されていた亀山さん。人と猫のため惜しみない支援を日々されています。

寄付により、最短で最適な対策が可能に

「保護した猫たちはみんな、十分な量のご飯を食べることができていなかったのか痩せており、栄養不足は皮膚に顕著に現れ、薄毛・脱毛が見られました。

多頭飼育現場から保護された脱毛している猫
皮膚の状態が悪く脱毛している箇所が
多頭飼育現場から保護された脱毛している猫
脱毛が広範囲に

全頭に、不妊去勢手術・3種混合ワクチン・エイズ白血病検査・ノミダニ寄生虫駆除・マイクロチップ挿入を行いましたが、これら必要治療以外に皮膚の治療なども行うことができたのは皆様からのご寄付のおかげです」

皮膚の治療を受けることができた猫
寄付のおかげで治療が可能になった銀杏ちゃん!お洋服姿がこれまた可愛い♡

「24頭保護した中で1頭だけ新しいお家を見つけることができなかった猫がいました。その子はしぐれちゃんという名前を持ち、保護したばかりの頃は少しきつめだったお顔もうちに来てだんだんと丸くなり、人懐こく、可愛くなっていきました。

しぐれちゃん保護当初の写真
保護当初でまだ不安げな表情をするしぐれちゃん
表情が和らいできたしぐれちゃん
別の子?と思ってしまうほど表情が丸く、穏やかになったしぐれちゃん

毛色もシルバーで美しく良いご縁を結ぶことができそう!と思った矢先…脇に妙なしこりを発見しました。乳腺腫瘍であることが発覚したのです。片側の乳腺全部とリンパ、もう片方にも転移が見られたため可能性のある箇所はできるだけ取り切るという大手術をしました。短い期間かもしれないけれど、せめてできるだけ良い時間を過ごさせてあげようと思います」

手術後のしぐれちゃん
大手術を乗り越えました。術後から食欲旺盛だったそう!すごい!

亀山さんの家族となったしぐれちゃん。乳腺腫瘍は猫の場合ほとんどが悪性と言われ、乳腺だけでなく近くの脇にあるリンパに転移したり、最終的には肺への転移も多く見られる怖い病気です。しかし、1回目の発情期が来る前に不妊手術することで約9割が予防できる病気でもあります。「子猫のうちから一緒に過ごしているのであれば猫のためにも早めの不妊手術をしてあげてほしい」と亀山さんはそう強く願います。

ーご支援くださる方々にメッセージをお願いいたします

「一時的に高額な医療費がかかりましたが、ご支援のおかげで躊躇せず最短で最適な対策を進めることができました。本当にありがとうございました。飼い主様、猫たち、地域や関係者、みんなが笑顔に穏やかに暮らせるよう引き続き頑張ります」

約2ヶ月にわたり、多頭飼育の現場から救出した猫たちの保護・譲渡活動に邁進されていたねりまねこさん。限られた時間の中、素早い判断と行動力でたくさんの新しいご縁を繋いできました。それを可能にさせたのは紛れもなく、今までの経験と知識そしてねりまねこさんがこれまで培ってきた地域・行政スタッフの方々との信頼関係によって構築された連携があってこそだと強く思います。これからもアニマル・ドネーションは確かな寄付をお届けしてまいります。ねりまねこさんへの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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