ペット業界人インタビュー

ペット好きが集まるコミュニティから、動物愛と寄付をクリエイト

 

 

ペット業界人インタビュー

ペット好きが集まるコミュニティから、動物愛と寄付をクリエイト

株式会社ニジボックス 新領域推進室 プロデューサー

平尾譲二さん

―「ぺとりごと」を開発した、きっかけを教えてください。

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「きっかけは、私にとっては衝撃的なニュースでした。

アメリカで、自分の飼っているペットになりきってFacebookを楽しんでいたユーザーが、Facebookから利用規約違反を理由にアカウントを削除され、それを不服としてFacebookを訴えた、というものです。

私自身、犬と暮らした経験もあり、動物を愛おしいと思う気持ちはありますが、想像以上に動物を愛することに対するパワーの大きさを感じたんです。

そこで、私の専門分野であるインターネットを使って、『ペットと心を通わせたい』という強い欲求にこたえる、面白いサービスができるんじゃないか?と思ったんです。
ちょうどその頃にリクルート社内で新規ウェブサービス企画コンテストがあったため応募し、一次選考を通過しました。

一次選考のあと、実際に簡易なウェブサービスをつくってみることになったのですが、ここでのユーザーの反応は、またしても驚くべきものでした。

自動言語処理のプログラムでペットがつぶやいていることを飼い主さんたちは知っているのにも関わらず、ペットの『すき』『こわいよ!早く帰ってきて!』『おねえちゃん!ただよんでみただけ』といったつぶやきに、キュンとするばかりか、実際に早く帰ってみたり、返事をしてみたり、といった行動をとっていたのです。

このようなユーザーの反応に可能性を見出され、最終選考でグランプリをいただき、実際に『ぺとりごと』のサービスを2011年9月に立ち上げることになりました」

―開発は1年とお聞きしました。その間の苦労話、逆に楽しかったことなど教えてください。

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「楽しかったことは、なんといっても実験サービスを通じてペット好きユーザーさんとコミュニケーションをとれたことです。

つぶやく頻度はどのくらいが適正なのか、どんな言葉をつぶやくと『うちの子』っぽいのか、『うちの子』をもっとかわいいと思えるためにはつぶやき以外に何が必要か、など様々な議論を繰り返しさせていただきました。

また、『こんなことができたらいいのに!』という具体的なご要望も、たくさんいただくことができました。

ですので、開発中の苦労というのは、無からアイデアを形にしていく生みの苦しみだけで、それはずっと対峙していたと思っています。本当の苦労というか重圧というものは、公開後のこれからのほうが強く、より良いサービスを提供し続けなければならない!と毎日ドキドキしています。

また、開発中リサーチをする中で、日本のペット達の置かれている状況も勉強しました。

これから、日本が本格的な成熟社会に入って行く流れの中で、ますます動物の存在は重要なものになっていくに違いない、それなのに欧州に比べるとずいぶんと遅れている、という現状を知ったことも私にとっては新鮮でした」

―「ぺとりごと」を通じて、動物関連団体へ寄付をされようと思ったのはなぜですか?

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「まず、少し大袈裟かもしれませんが、ペットを愛する気持ちは世界に平和をもたらす、位に思っています(笑)。

なぜなら、『ペットがますますかわいくなれば、ペットに暴力をふるったり、ペットを手放したりはしなくなるだろう。

動物に優しくできれば、周りにいるすべての人にも優しい社会が生まれるに違いない』という考えを根底に持って、サービスを提供しているからです。

インターネットとエンターテイメントの力で、人間の気持ちをも変える何かができるはず、と思っています。

さらに、その考えを具体的なカタチにするために、売上の一部は動物関連の団体に寄付したい、と思っていました。

『ぺとりごと』のユーザーさんの共感も得られると考えています。

そこで、動物関連の寄付に注力し活動しているアニマル・ドネーションさんの選定基準に準拠して、ドネ―ション先を選定しております。

また、アニマル・ドネーションさんで開始された『ワンスリーサポートプロジェクト』の聴導犬トレーニング中のトゥルー君には、『ぺとりごと』に出演いただき、トレーニング秘話などをつぶやいてもらっています」

―今後はどのようなビジョンをお持ちですか?

「まだまだサービスは発展途上で、もっと楽しめるように改良を加えなくてはならない段階ではありますが、そんな中でもこのサービスの底力を少しずつ感じ始めています。

例えば一般的なインターネットサイトに比べて、サイトへの滞在時間が長かったり、見てくださっているページの数が多かったりします。

ペットのつぶやきや写真が私たちを癒してくれる力ってやっぱり強いな、と思っています。

また、少しずつですが、ペット愛を惜しまない『おやバカ全開さん』が増えてきています。

プロフィールやアルバムで、その熱をものすごく発揮されているのを見ると、ものすごくわくわくして、もっと楽しんでもらえるように頑張ろう、と思えるんです。

5年後に150万匹の登録を目指しています。

とても高い目標ですが、そうなったらきっと世の中が変わっていると思うんです!

ペットを飼ったら、その子は必ず『ぺとりごと』でもしゃべってる、というようになったらいいなと思っています。

世界進出というとおおげさに聞こえますが、ペットLOVEって万国共通なのかなと。

なので、なるべく早く英語圏や中国圏など、海外への事業展開を視野に入れています」

「平尾譲二さん」が開発したサイト紹介

おやバカ全開★ペットコミュニティ「ぺとりごと」 *2017年2月6日にてサービス終了

「できるならうちの子と話をしてみたい」。それは、すべての飼い主さん共通の願いかもしれません。
自分のペットの性格や行動傾向を事前登録することにより、まるで本当に自分の子がしゃべってくれるように、つぶやいてくれる「ぺとりごと」。
現在、2〜3時間おきにランダムでつぶやく言葉は2〜3千パターン。
他には、写真コンテストや写真アルバムの作成を通じ、他の飼い主さんとも交流できるサイトになっています。

image 恥ずかしげもなく「うちの子」最高!と自慢できるサイト。おやバカ同士で仲良くなることもできます
image 「ぺとりごと」のシステム開発を担当する株式会社クーシーの牧野秀哲氏
image 株式会社クーシーさんのオフィスには、うさぎのお部屋があります
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こちらが、うさぎのマルちゃん。
広告の撮影後、処分される運命から一転、オフィスの人気者に

 
image  こちらが、うさぎのマルちゃん。
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