ペット業界人インタビュー

介助犬に「ナチュラルフード」を寄付。食を通して健康をサポート

 

 

ペット業界人インタビュー

介助犬に「ナチュラルフード」を寄付。食を通して健康をサポート

株式会社リフレックス 代表取締役

水上晴由さん

―「ナチュラルフード」とかかわるようになったきっかけを教えてください。

interview image

「私は以前アパレルの仕事をしていたのですが、趣味として大好きなブルドックのブリーダーをしていました。

しかし、ある時、ブルドッグたちが次々とガンとアトピーになってしまったんです。

原因を探ったのですが分かりませんでした。

私が次々とガンにかかった違う犬を連れていくので、獣医師の先生からも心配されました。

ただ、犬たちに共通しているのが食事と水だったため、私が与えていたドッグフードを先生が調べてくれた結果、成分中に発がん性物質が含まれていたんです。

私は、人から勧められたドッグフードを、何の疑いもなく与えていましたので、そのとき初めて、ペットフードの中に危険な物質が含まれていることを知りました。

そこで、安全なペットフードについて調べ『ナチュラルフード』が比較的安全であることがわかりました。

しかし、当時の日本にはまだなく、ナテュラルフード先進国であるアメリカに行き手に入れました。

帰国後、早速犬たちに与えたところ、アトピーや下痢、嘔吐といった症状が改善されたんです。

「ペットの食の安全性」の大切さを痛感し、日本でもナチュラルフードを広めたいと思い、アメリカのメーカーとの取引を始めました」

―日本での「ナチュラルフード」に対する反応はいかがでしたか?

interview image

「販売を始めた1985年当時、人の食事の安全性への意識は高まりつつありましたが『ペットにナチュラルフードを』などという意識はかなり低かったので、苦戦が続きました。

ある時、賞味期限切れが迫っている商品を捨てるのがもったいなかったので、ご近所の飼い主さんに事情を話して配ったんです。

すると、『犬の体調が改善された』『アレルギーが軽くなった』『毛づやが良くなった』等々、好評をいただき、次第に口コミで売れるようになりました。

雑誌でも取り上げていただき、ナチュラルフードの認知度も上がっていきました。

現在は日本にも様々なナチュラルフードを購入できるようになりましたが、『ペットフードの安全性』はまだまだだと思っています」

―扱っているペットフードの成分について情報公開を徹底されていますね。

interview image

「ペットフードの安全性の基準がないことに疑問を感じていました。

購入する際、何が安全で何が危険か、を判断できない状態を改善しなければ、と。

そこでまず、自社で独自の基準を設定し、さらに『1年に1回成分分析をし、情報を公開する』と約束していただけるメーカーさんとのみ取引することにしました。

売る側の責任は重大だと思います。

現在は生産のロットごとに全てを検査し、お客様が注文した商品がきちんと検査されているものかどうかをホームページで確認できるようにしています」

―最近では介助犬の食のサポートもされているそうですね。

「リタイアした盲導犬と出会ったことがきっかけでした。

その盲導犬はまだ10歳だというのに、足が悪くほとんど寝たきりで、白内障にもかかっていました。

自分のブリーダー時代の経験から、『もしかして食に問題があるのでは?』と思い、様々な盲導犬訓練士さんやユーザーさんにお話を伺ったところ、やはり食に対しての知識が低いようでした。

また、与える食事に関する基準もありませんでした。

そこで、社会福祉法人日本介助犬協会のガイドドッグの食のサポートを始めました。

最初は安価で提供をしていたのですが、犬の食事にお金をかけられない、という方も少なくなかったため、寄付に変えました。

現在、日本に50頭ほどいる介助犬たちの約半数が私たちの提供するフードを食べています。

『体調が良くなった』『下痢がなくなった』などの声もいただいており、人間のために頑張ってくれている介助犬たちの健康をサポートできていることを嬉しく思っています。

最初にサポートさせてもらった介助犬は現在、10歳。

この子たちがリタイア後も健康で暮らせることで、ようやくナチュラルフードの成果を実証できるのだと思っています。

それまで、引き続きサポートして行きたいですね」

―今後、力を入れていかれたいことは?

「引き続きペットの食の安全性の基準を確立、認識の向上を目指したいと思っていますが、次の世代へのバトンタッチにも力を入れていきたいですね。

ペットとかかわる仕事につきたい、という若者はたくさんいますが、食の安全性についての教育がまだまだ十分ではないと思っています。

現場で働く彼らが知識を持ち、ユーザーと接することで、食に関する意識がもっと高まっていくことを願っています」

―最後にアニマル・ドネーションに期待することをお聞かせください

「私ももっとフードの寄付ができたら、とは思いますが、やはり限界があります。

しかし、ガイドドッグを育成する現場等では、まだまだ物が不足している現状があります。

ぜひ一般の方からの寄付が広まるといいですね」

「水上 晴由さん」のお店紹介

ペットニュートリション 巣鴨本店

http://www.reflex.co.jp/

選び抜かれたナチュラルフードからお洒落なインポートグッズまで揃っています

巣鴨地蔵通り商店街のにぎわいから少し離れると「ペットニュートリション 巣鴨本店」があります。

遊び心あふれるディスプレイが目を引くエントランスに足を踏み入れると、フードだけでなく様々な商品に出会えます。

注目はやはり、水上さんが栄養バランスや安全性にこだわって選び抜いたナチュラルフード。

取り扱いブランド全てが揃っており、本当にたくさんの種類があるので迷ってしまいそうですが、

知識豊富なスタッフに相談しながら選ぶことができるので安心。

遠方からペットの食事の選び方に悩む飼い主さんもいらっしゃるそうです。

ほかにも、おやつ、サポートフード、インポートグッズやお買い得商品も多彩に。

ナチュラルアイテムを使用したトリミングやキャットホテルもあります。

そして、なんといっても、看板犬たちが元気いっぱいに迎えてくれるおもてなしも魅力的です。

 

shop image   遊び心ある装飾が目をひくエントランス。
2011年からは、このエントランス横のスペースを利用して、
保護犬たちの譲渡会を開始しました
shop image   看板犬のワンちゃんたちが
明るくお出迎えしてくれます
shop image   ショーケースに並ぶ多彩な犬用デリ
季節のごちそうも人気です
shop image   店頭には全ての取扱フードが
並び、スタッフに相談しながら
選ぶことができます
shop image   シャンプー等のケア商品、ウェアやおもちゃも豊富。お買い得商品も。
また、ナチュラルアイテムを使用したトリミングやキャットホテルもあります