保護犬との触れ合いから学んだ、10月どうぶつクラブの様子
認定特定非営利活動法人キドックスさんは、保護犬の支援と、子ども・若者の自立を同時に支える、日本でもユニークな取り組みを行う団体です。
つくば市の「HACCキドックス(ヒューマンアニマルコミュニティセンター)」を拠点に、ドッグシェルター、保護犬カフェ、教育プログラム、就労支援、里親募集など、人と動物が共に成長できる環境づくりを続けています。
今回は、10月に開催された「どうぶつクラブ(犬の健康管理)」の活動の様子をご紹介します。

アニマルシェルターの犬の健康管理を学ぶ1日
10月のどうぶつクラブでは、シェルターで日常的に行われている「犬の健康管理」にスポットを当て、参加者が実際に保護犬と向き合いながら学ぶ時間となりました。
この日参加した保護犬は、虎太朗(こたろう) と ふうちゃん の2頭。
参加者は担当犬を受け持ちながら、シェルターで使われている健康チェックリストに沿って体の状態を丁寧に確認しました。
・目・耳・口などの顔周り
・被毛や皮膚の状態
・歩き方や体のバランス
・触れられた時の反応や緊張の度合い
小さな変化に気づくことが、犬の健康を守る第一歩。
そんな大切さを実感しながら取り組む姿が見られました。
健康チェックから見えてくる“その子の気持ち”
体調チェックを進める中で、健康状態だけでなく、犬たちの気持ちや苦手なことが自然と見えてくる瞬間がありました。
耳を触られるのが少し苦手なことや、慣れない環境では緊張しやすい、急な音や動きに敏感といったサインに気づきながら、犬の“心の動き”も汲み取ろうとする参加者の表情はとても真剣でした。
健康管理は、単に体を見るだけではなく、
「犬が安心できる環境や関わり方を理解すること」
であることを教えてくれる時間でもありました。

トレーニングと健康管理がつながる瞬間
日頃のトレーニングや関わり方が、健康管理のしやすさに直結する場面も多く見られました。
やさしく声をかけ、丁寧に触れ、少しずつ信頼を積み重ねることで、
犬たちは安心して体を預けてくれるようになります。
その結果、
・体の変化に気づきやすくなる
・通院や治療時のストレスが軽減される
・落ち着いて過ごせる時間が増える
など、健康面でも良い循環が生まれていきます。
参加者からは
「触れ合う時間そのものが、健康につながるんだと実感した」
という感想も寄せられていました。

保護犬たちと向き合った時間の振り返り
今回のどうぶつクラブでは、保護犬と実際に向き合いながら、健康チェックの基礎はもちろんのこと、「気づく力」や「寄り添う姿勢」を育む学びの時間となりました。
虎太朗とふうちゃん、それぞれの個性や反応に触れる中で、
“関わりの積み重ねが犬の安心と健康につながる”
というキドックスの大切にしている考え方が、参加者にも深く伝わった1日でした。
保護犬たちが新しい家族と出会うまでの過程には、こうした日々の観察とコミュニケーションが欠かせません。
その大切さを改めて感じられる、温かい活動となりました。
今回のような学びの場や、保護犬たち一頭一頭に寄り添う日々の活動は、皆さまからのご支援によって支えられています。
保護犬たちが安心して過ごし、新しい家族と出会う未来をつなぐために、ぜひ温かいご支援をお願いいたします。
また、キドックスさんの想いや取り組みについては、こちらよりご覧いただけます。
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