繋がれていく、人と猫の平和な共生への想い
人と猫が平和に共生できるよう 特定非営利活動法人 ねりまねこさんは地域猫活動のみならず、全国各地でセミナーや講演会を実施したり行政関係者への勉強会の講師を務めたりと広報・啓発活動に力を入れています。最近の活動状況について、代表の亀山さんにお話を伺いました。
地域猫活動を公益の活動に。地道な努力がカタチに
ー最近の活動について教えてください
「山形県での講演会を5年ぶりに行いました。今回は2019年ぶりの2度目の講演会でしたが、前回提案したことが着実に進んでいることを知り感激しました」
ー5年前と今回でどのような変化がありましたか?
「講師として参加した2019年のセミナーは、山形県みしま町会さんが地域の実情に合わせて何ができるかを熟考し企画した、野良猫に困っている人や地域猫に興味がある人向けのセミナーでした。
行政の考え方や環境省の方針、山形県の施策についての説明が分かりやすくされていました。町会長さんからは、クラウドファンディングで不妊去勢手術を行っていることやトイレやエサ場の指定をして適正な管理を進めていることをお話しいただきましたが、まだこの時点では地域住民の方々の理解や助成金などの支援制度が十分ではなく、県として明確に地域猫活動の指針を打ち出せていない…そう感じました。私たちはどこの自治体にも『役所が飼い主のいない猫対策(地域猫活動)を推進するという指針をはっきりとホームページやガイドラインで示すべき!』これだけはやってほしい!と強くお願いしています。役所が後ろ盾になり地域猫活動が公益の活動となれば市民ボランティアは正々堂々とTNRや地域猫活動ができます。逆に言えば自治体が地域猫活動の方針を示さないとボランティアが勝手にやっている活動と認識され地域住民の理解も協力も進みません。2019年の講演会以降、志のあるボランティア・行政スタッフの方々の地道な啓発活動がカタチとなり、『山形県 猫の適正飼養ガイドライン』という立派なガイドラインが出されましたがそれはもう努力の賜物ですし、少しずつでも着実に前進していることを確かに感じることができました」
猫トラブル解決のため、一方的ではなく相互的な話し合いを
亀山さんは保護・譲渡活動だけでなく各地で地域猫活動についてのセミナーや講演会を行っていますが、どの地域でも「飼い主のいない猫対策を難しく考えすぎず、できることからやってみましょう」と呼びかけているそうです。地域格差を感じる場面の多い地域猫活動ですが、人と猫が共生していく限りそれぞれの心の感じ方があり、だからこそどんな場所にもトラブルはあり人々の対立もあります。暑い あるいは、寒い地域だから野良猫は少ない=猫トラブルが少ない とはならず、エサやりやトイレ問題などを解決するため〇〇禁止!と取り決めを交わしても根本的な解決にはならないといいます。
地域住民との対立だけではなく、ボランティアスタッフ同士の意見のすれ違いや価値観の違いで活動が円滑に進められていない場面を多く見てきたという亀山さん。ボランティアスタッフ同士が目的のためにお互いの違いや多様性を認め合い理解していくことで連携を取ることができ、そうなることで意見を発信する力が増して行政との協働も実現可能となり公益の活動として動くことができる。それが何よりも大事でどの地域も目指すべきことだといいます。
「各地域のボランティア・行政スタッフのみなさんが自信を持って前に進んでいくことができるよう後方支援を引き続き行っていきたい」と話す、ねりまねこ代表の亀山さん。アニマル・ドネーションとして力になれることを一緒に模索していきたいと改めて強く思いました。今後ともねりまねこさんのご支援をどうぞよろしくお願い致します。
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