保護犬猫 年200頭の命を支えるボランティアの力
秋田市と周辺秋田県内で犬猫の保護・譲渡活動をしている「特定非営利活動法人いぬ・ねこネットワーク秋田」さんは、人と犬猫が共に快適に暮らし不幸な犬猫が一匹でもいなくなるような環境を目指して、秋田県動物愛護センターや秋田市保健所などの行政と連携し、犬猫の両方を救っている団体です。最近の活動について代表の保坂さんにお話を伺いました。
犬や猫が安全に参加できるよう譲渡会は細心の注意を
ー最近の活動について教えてください
「私たちは毎月1回、譲渡会を開催します。譲渡会では犬と猫一緒に参加します。開催場所は主に秋田県動物愛護センターとなり、秋田市保健所、秋田県動物愛護センターと合同で行います。私たちが行政から引き取った犬や猫だけでなく、秋田県内で保護された猫も保護主さんと一緒に参加します。譲渡会の他に会場ではフリーマーケットも行います。フリーマーケットでの売上金は犬と猫のために使います。フリーマーケットは皆様からご寄付いただいた物資で成り立っています」


ー譲渡会でスタッフの皆さんが気を付けていることはありますか
「例えば、【ねこエリア】スタッフは30個以上ある猫のケージを設置・撤収(ケージ消毒含む)を行い、譲渡会中は猫のお世話や譲渡希望者への説明などを行っています。猫が安全に譲渡会に参加できるよう、細心の注意を払っています。必要な情報は『ねこ譲渡受付』スタッフへ繋ぎます。保護主さんからお話を伺ったりして、猫が欲しい方と保護した方をつなぐ役割をしています」

しあわせになった保護犬猫たちと今も家族をまつ保護犬うたちゃん
これまでしあわせな家族へと命をつなげられた子たちを紹介します。まず初めは「巡(めぐる)くん」です。
「2020年10月に行政より引き受けました。高齢者に飼われていた子で、飼えなくなってしまったために引き取られたそうです。引き取った当初は食も進まず、心を閉ざし、肝臓の具合が悪く、病院に頻繁に通院しました。高齢で通院も必要でしたが、チワワを亡くされたご家族がこの子を家族に迎えてくださることになりました。家族に迎えてくださったご夫婦は当時50代後半で、新しく犬を迎えるのであれば保護犬で高齢の子と決めていたそうです。心を閉ざして食が進まなかった巡くんは、今ではご飯の準備ができると『喜びの舞』を披露するそうです。現在は14歳、年2回の健康診断に通い、元気に過ごしています」


次にご紹介するのは、猫の「ジェダちゃん」です。
「2021 年5月生まれ、280gで行政から引き取りました。よちよち歩きの時からふらつきがあり、数カ所の病院で小脳障害の診断となりました。お腹も弱くてミルクボランティアさんを心配させました。今でもふらつきがあり、左右によろけ、尻もちをついたり、走ると勢いで前転することもあります。床に置いたものにはぶつかって歩くので、注意が必要です。脚の関節に柔軟性がなくジャンプが出来ないため、キャットタワーには腕の力で登りますが、降りる時が大変だったりします。そんなジェダちゃんはとても甘えん坊です。ご飯の時間は誰よりも早く駆け付け、お皿の前でお座りしてお行儀よく待っています。ジェダちゃんは姉妹で行政に収容され、姉妹はジェダちゃんより軽い症状でした。その子は先住猫に顔が似ているというご縁で、新しい家族に恵まれました。ジェダという名前は、生後1ケ月から預かっているスタッフが5月の誕生石の奇跡の石・本翡翠(ジェダイト)から名付けました。ぎこちないけれど、一生懸命に生きている唯一無二の奇跡の猫ジェダちゃんです」

そして、最後にご紹介するのは、推定15歳の「うたちゃん」です。
「昨年暮れに行政より引き受けました。放浪していたところを保護されたそうです。どこでどのような生活をしていたのか全くわかりませんが、とても穏やかな性格です。引き取った当初は怯えていましたが、現在はスタッフの自宅でおやつの催促もするようになりました。心臓と肝臓もあまりよくないため、定期的に病院に通い、お薬も飲んでいます。目も見えなくなってきていますが、美味しいご飯を食べて、暖かいお家の中で安心して暮らせるように見守っていきたいと思います」

行政から犬猫を引き取り、目の前の命を救う
「いぬ・ねこネットワーク秋田」の代表である保坂さんは言います。
「私たちはレスキューをする団体ではありません。行政から犬と猫を引き取り、譲渡を行う活動をしています。行政から引き受けた犬と猫は預かりボランティアさんのお宅でお世話され、大切に育てられています。預かりボランティアさんは毎日のお世話はもちろんのこと、体調不良の際には病院にも通ってくださいます。私たちが年間200頭ほどの犬と猫を行政から引き取る活動ができているのも、預かりボランティアさんが支えてくださっているからです」


秋田県は寒い地域であるにもかかわらず野良猫が多いため、春先に凍死する子猫が多く、まだまだ雪の中での犬の外飼いがあるのが現実です。不幸になる命を減らすためにも、TNR活動にも力を入れています。
日々、目の前の命を救っている「いぬ・ねこネットワーク秋田」さん。アニマル・ドネーションとして一緒に歩み、力になれることはまだまだあると考えています。
今後とも「いぬ・ねこネットワーク秋田」さんへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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