認定団体の活動レポート

ファシリティドッグの候補犬 新しい仲間を迎えて

 

2023年12月にアニドネ認定団体となり、介在分野でさらなる活動を展開されている認定特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズさん。2010年に日本で初めてファシリティドッグを導入し、小児がんや重い病気とたたかう子どもたちへの心のケアを中心に支援している団体です。

ファシリティドッグとは、病院で活動するための専門的なトレーニングを経た犬のこと。看護師さんとペアで病院に常勤し、子供たちの治療や入院生活をサポートしています。今回、動物介在療法の研究員であり学術発信も手がける村田さんに最近の団体活動についてお話を伺いました。

 

ファシリティドッグ育成事業の本格化

ーファシリティドッグの近況についてお話を聞かせてください

 

「23年の夏、アニドネリサーチャーのお二人にご挨拶したトミーとミコの2頭は、1歳を過ぎてトレーニングも本格化してきました!小児がん経験者向けイベントで触れ合いを楽しんだり、神奈川県立こども医療センターでは放射線科の協力の元、治療準備中のお子さんの横に付けたストレッチャーに乗って”応援する”ようなレベルの高い練習も始まりました」

ファシリティドッグと少年
小児がん経験者向けイベント「キャンプカレッジ」で交流を楽しむお子さんとミコちゃん

ファシリティドッグのトレーニング風景
放射線治療の応援練習に臨むトミーくん

 

「そして今年は、新たに2頭の仲間を迎えることができました!まずは、初めての黒ラブ『オリ』ちゃんです。オリは、ラブラドール・レトリーバーのメスで現在2歳1ヶ月。2022年5月3日生まれのハワイ出身です。ファシリティドッグとして先輩犬のベイリー、ヨギ、アニー、アイビーが育った『アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイ』から、日本国内でのファシリティドッグの需要の高まりに応じ、シャイン・オン・キッズに特別に譲渡いただきました。現在、本格的に神奈川県立こども医療センター内での練習を進めています。関わってくださる皆様には、『オリ姫』と呼ばれて、親しまれています」

 

ファシリティドッグ候補犬
みんなから「オリ姫」と呼ばれて親しみを感じさせるファシリティドッグ候補犬

そして、GW明けにはパピーの『マナ』ちゃんも迎えました!」

 

ファシリティドッグのパピー
24年7月1日現在3ヶ月のパピーです

 

「マナは、ゴールデン・レトリーバーとラブラドール・レトリーバーのミックス犬で2024年3月8日生まれのメス。

トミー・ミコと同じ、”働く犬”のブリーディングを専門的に行う サービス・ドッグス・オーストラリア(旧 キャリア・ドッグス・オーストラリア https://www.careerdogs.com.au/ )出身です。

パピーらしく元気いっぱいのマナ。現在の育成拠点は賃貸なので、1階のスペースを”パピー仕様” にセッティングし、その中でのびのびと毎日を過ごしています。そして今回うれしいのが、成長したトミーとミコが、頼もしく遊び相手として活躍してくれていることです

 

ファシリティドッグ候補犬
理事長キンバリと遊ぶマナ

 

ファシリティドッグのパピー
キンバリを中心に、マナとトミーの追いかけっこが始まりました

「育成事業が本格化したことで初めて、年齢差のある3頭以上の候補犬のトレーニングを一緒に進められるようになり、パピーたちの行動のバリエーションや、病院や関連施設へのアウトリーチといった私たちが出来ることもグッと深みが出るようになりました。このように事業を発展させることができるのも、皆様のご支援のおかげと大変感謝しております」

犬の動物介在療法をより広めるために

ー今後のご予定を教えていただけますか

「8月に夏休み特別講座として、こども病院で働く犬『ファシリティドッグについて学ぼう!』をオンラインで開催します。

8/1 小学生高学年・中学生対象コース

8/2 高校生・大学生対象コース

詳細 https://sokids.org/ja/2024/07/19/info20240719/

7/31締切です!夏休みの自由課題研究として参加してみませんか?

また、8月下旬には継続的に寄付でのご支援をいただく方へ、ファシリティドッグについてのオンライン講座を実施予定です。日程など詳細は決まり次第、HPより発表いたします」

 

動物福祉に興味のある方、犬の介在療法に関して興味のある方はシャイン・オン・キッズさんのH Pで、ぜひ今後の情報をご確認ください。さらに、今後ご登壇される学会の情報も教えてくださいました。

 

9/1(日)日本小児麻酔学会 看護セッション2 登壇(ハンドラー権守)大阪

9/13(金)動物介在教育・療法学会 会員限定勉強会 登壇(村田)東京

犬の動物介在療法が広まれば、つらい治療を受ける子どもたちにファシリティドッグが寄り添える機会も増えるということ。結果としてリハビリをがんばれたり、手術を乗り越えられたり、家族の気持ちまでも癒やされたりと、今の私たちの想像を超えるほどの犬の力を教えてもらうことになるかもしれません。

 

ー最後に寄付者の皆様へメッセージをお願いします

「支援先として認定いただいて以来、6ヶ月で個人・その他団体様や介在犬支援基金を通じて436,374円もの貴重なご寄付をいただくことができました。ご寄付をくださった個人・団体の皆様、Yahoo!ネット募金を通じて介在犬支援基金を支援くださった皆様、このような仕組みを作ってくださったアニドネさんをはじめ関係者皆様に、心よりお礼申し上げます。皆様からのご寄付は、ファシリティドッグ候補犬の育成費用として、大切に活用させていただいております。ファシリティドッグのさらなる普及を目指して邁進していきますので、ぜひ今後とも応援いただけると嬉しいです」

 

シャイン・オン・キッズさんはファシリティドッグを待っている数々の病院に応えるため、日々、犬たちへのトレーニングと育成事業展開に取り組まれています。これからもファシリティドッグたちの健全な育成と活躍の場を広げられるよう、あたたかな寄付でのご支援をお願いいたします。

 

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※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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