認定団体の活動レポート

保護猫の未来を支える寄付と支援|ねこひげハウス新シェルター訪問記

前回「特定非営利活動法人ねこひげハウス」さんを訪問した際は、猫たちにとっては少々手狭な一軒家で活動されていました。そのとき、新しいシェルターへの移転計画は伺っていましたが、予算面で大変ご苦労されている話もお聞きしていました。その後、多くの温かいご支援により無事に移転が完了したとのうれしい報告があり、今回約2年ぶりの再訪となりました。

猫たちはすっかり新しい場所になじみ、とても穏やかに暮らす姿を目の当たりにして安堵しました。この記事では、新シェルターへ移転するまでの経緯や現在の活動状況などをご紹介します。

動物保護団体ねこひげハウスの新シェルター外観
ねこひげハウスの新シェルター外観

理想の保護施設を。移転への挑戦!

2年前まで、ねこひげハウスさんは2階建ての一軒家で活動されていました。しかし、100匹以上いる保護猫たちにとっては、十分な広さとは言えず、正直窮屈な印象でした。

動物保護団体ねこひげハウスの旧施設の様子
旧ハウスの風景(当時)

当時から代表の石川さんは、「もっと猫たちがのびのびと過ごせる場所を作りたい」という強い想いを語っていらっしゃいました。

縁あって、ねこひげハウスさんの活動に賛同してくださる善意あるオーナーさまと出会い、266坪ある平屋の物件をお借りして引っ越し準備を始めていました。さらに、建物を猫たちが心地よく過ごせるよう自由にリフォームしても良いと快諾をいただき、すでに改装工事も着工していました。

ところが、リフォームや移転費用が当初の予算を大きく膨んでしまい、費用の捻出は困難を極めました。そのため工事もなかなか捗らず、予定していた引っ越しも延期に。先の見えない状況に不安を抱えながらも、ねこひげハウスさんは何とか資金の調達方法を模索していました。

温かいご支援で実現した、待望の新シェルター

リフォーム費用は当初の予算を大きく上回り、赤字分を補填する必要が生じてしまいました。そこで、多くの方々の力を借りたいと不退転の決意で呼びかけたのがクラウドファンディングでした。善意の輪は大きく広がり、その結果目標を大きく上回るご支援をいただきました。
日本全国500名近い方々からねこひげハウスさんを応援する温かい声が届き、この新シェルターは無事に完成し、引っ越しを終えることができました。(※詳しい活動報告はこちら

ご支援くださった皆さまの想いが形となり、猫たちがより快適に暮らしている新シェルターの様子をこの後お伝えします。

光あふれる猫ファーストの快適な環境

新シェルターは、平屋の建物でどの部屋もたっぷりと自然光が差し込む、開放感あふれる空間です。以前と比べると格段に広々としたスペースが確保されています。掃除のしやすさや衛生面にも配慮された設計は、猫たちの健康を守る上で欠かせません。

動物保護団体ねこひげハウスの新シェルターでの窓際の様子
自然光あふれる窓辺で穏やかにすごす猫たち

何よりも素晴らしいのは、猫たちが本当に穏やかに過ごしていることです。一匹一匹がそれぞれのお気に入りの場所を見つけて、心ゆくまでリラックスしている様子が伝わってきます。

動物保護団体ねこひげハウスの開放感あふれるリビング
開放感あふれるリビングでは、猫たちが思い思いの場所でくつろいでいます

 

天井まで届くキャットウォークや、日当たりの良い窓辺の特等席、部屋ごとに設置している複数の水飲み場、自由に行き来できるスペース、そして感染症対策のために設けられた隔離部屋など、各所に”猫ファースト”の想いが深く込められています。

動物保護団体ねこひげハウスの新シェルターの猫ドア
部屋の間を自由に行き来できる猫専用の通り道
動物保護団体ねこひげハウスの新シェルターの水飲み場
猫たちが水分補給しやすいように、部屋ごとに水飲み場を配置

譲渡の課題と、社会が映す保護猫の現実

新シェルターへの移転により、以前よりも多くの猫たちを保護できるようになり、より良い環境でお世話ができるようになりました。とはいえ、ねこひげハウスさんが抱える猫たちの多くは、様々な事情を抱えています。
現在、シェルターにいる猫たちの約7割が7歳以上となるシニア猫(中には20歳の長寿猫もいます)が大半で、新しい家族を見つけるのが非常に難しいのが実情です。

動物保護団体ねこひげハウスの保護猫の全頭数
2025年7月現在

 

病気や怪我、それぞれの事情を抱えた保護猫たち
病気や怪我、それぞれの事情を抱えた猫たち

 

他にも、交通事故による後遺症で足が不自由な猫、慢性的な病気を抱えた猫、過去の辛い経験から人間不信になってしまい人慣れが進まず、譲渡に繋がりにくい子も少なくありません。

動物保護団体ねこひげで往診獣医師が利用するエコー機
往診獣医師が利用するエコー機

インタビュー中も、猫たちの投薬時間を知らせるアラームが何度も鳴り、石川さんの細やかなケアと、その大変さを物語っていました。

石川さんは、「シェルターで穏やかに暮らせることも一つの幸せですが、やはり一匹でも多くが温かい家庭に迎えられることこそ、猫にとっての本当の幸せです」と語ります。しかし、ねこひげハウスさんの抱える猫たちは、その多くが譲渡に繋がりづらい状況です。保護頭数が増える一方で、出口が見えにくいという、厳しい現状に直面しています。

保護される動物たちには、人間を取り巻く社会問題が密接に関わっています。これまでの高齢者のペット問題に加え、近年は物価高や不景気による生活困窮者の増加が、ペットを手放さざるを得ない状況を生んでいます。飼い主が家を立ち退く当日に市役所から連絡が入り、急遽保護しなくてはいけないケースも増えているそうです。こうした緊急性の高い状況は、シェルターの運営をさらに圧迫する要因となっています。

こうした状況下で、無償で保護活動を行うシェルターの運営は、決して簡単ではありません。特に昨今の物価高は、治療費や投薬代の負担をさらに重くしています。世話をするスタッフの人手、限られた飼育スペース、その上施設の維持費を考えると、無制限に保護することはできないのが現状です。

厳しい財政状況の中、新たな受け入れが可能か、常に現実との折り合いをつけながら苦渋の選択を迫られることも少なくありません。

動物保護団体ねこひげハウスに常備する医薬品(一部)※獣医師より処方
シェルターに常備する医薬品(一部)
※獣医師より処方

また一方で、ありがたいことにキャットフードや備品などの物資は多くのご支援をいただいており、大変感謝しているとのことでした。

動物保護団体ねこひげハウスに届けられた保護猫たちの支援品
当日も配送された支援品

猫たちの穏やかな明日を、これからも一緒に

今回訪れた新シェルターは、ねこひげハウスさんの諦めない強い想いと、それに共感し支援してくださった多くの方々の温かい心が形になった場所です。この場所が、多くの猫たちにとって心安らぐ最後の砦となっていることを実感しました。

ねこひげハウスさんは、譲渡が難しい猫たちを多く抱えながらも、毎月譲渡会を開催、地域への動物福祉の啓発にも力を入れています。そのような献身的な活動には、お話を聞くたびにいつも頭が下がる思いです。

皆様もぜひ、アニドネを通してねこひげハウスさんの活動にご支援いただけたら幸いです。皆様のご支援が、保護猫たちの明るい未来へと繋がり、社会全体に動物愛護の心が広がっていくことを願っています。

 

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