寄付したお金の使い途レポート

殺処分させない努力~譲渡の難しい傷病犬猫を保健所から受け入れ

アニマル・ドネーションは、皆様からお預かりした寄付金を認定団体様にお届けしています。

 

福島県いわき市で活動する「特定非営利活動法人 動物愛護団体LYSTA」さんへ、2024年12月に512,554円、2025年1月に51,854円、2025年2月には110,741円の寄付金をお届けしました。

 

寄付金がどのように使われたかお話を伺いました。

 

寄付金は保護した犬猫の医療費やごはんに

ーここ数か月の寄付金の使い道を教えてください。

 

「保護した犬猫の初期医療費や、約170頭の保護犬猫のごはんを購入させていただいております。

 

LYSTAは、いわき市が『継続できる殺処分ゼロのスタートラインに立つ』ことを目指しています。
殺処分を減らしていくために、『出口対策』としては、保健所からの一般譲渡が難しく、負傷や先天性の病気の子やシニア期の子など、処分に近い子を中心にひきとっています。今までは即日殺処分となる対象だった負傷動物も、行政との話し合いを重ね、処分せずに当会に連絡をいただけるようになりました。

 

また『入口対策』としては、施設内に動物病院を設け、月に一度、猫の不妊去勢手術を実施しています。

不妊去勢手術では、一日に50〜100頭ほどの猫の不妊去勢手術を受け入れています。手術に来る猫たちのなかには、現場に戻すことができない疾患やケガを負っているケースもあり、餌やりさんが保護できない場合はひきとることがあります。

 

不妊去勢手術にやってきた片目の太助くんは、そうしたケースです。好酸球肉芽腫を発症していて、内服治療のために当会でひきとりました」

不妊去勢手術時に保護
不妊去勢手術時に保護された太助くん

 

ー保健所から引き取られた猫について教えてください。

 

「樹里ちゃんは両前肢が奇形で、肉球が床につかず肘で擦って動きます。
生まれたときからのものなので、本猫が不便・不快を感じている様子はなく、とても明るい子です」

先天性疾患を持つ樹里ちゃん
両前肢に障害を持つ樹里ちゃん

 

「めひかりくんは、交通事故に遭ったようで、満身創痍で保健所に収容されました。
すぐに食道咽頭チューブを挿管し、全身強打により揺れて腫れた脳や内臓に対して治療しました。その後二週間ほど朝昼晩の強制給餌を経て、自分でごはんを食べ始めてくれたときはスタッフ皆、感激しました。
後遺症でボーっとしていることが多いですが、自分でごはんを食べ、自分で排泄をし、スタッフに甘えて、認知症のシニア犬のような魅力のあるめひかりくんです」

めひかり
治療を乗り越えて穏やかな時を過ごす、めひかりくん

 

「かんぱちくんは、下半身不随で、後肢には筋肉が全くありません。
この状態でこの歳まで『野良猫』をやってきたとは考えられません。今まで間違いなく人の手がかかっていた子で、遺棄されたものと推測しています。頭も揺れているため、多頭飼育下による近親交配で生まれた脳障害と考えられます。
圧迫排尿は必要ですが、本猫は生きる気満々!スタッフに猫パンチをしながらごはんをとても楽しみに待っています」

かんぱち
特技は猫パンチ!のかんぱちくん

 

ーほかにも様々な状況の猫の受け入れがあったそうですね。

 

「火事現場で生き残った、おそらく多頭崩壊状態であったとみられる猫たちの保護や、国道バイパス橋げたからの猫の救出など、さまざまな状況から救い出した猫を受け入れてきました。

 

全盲のマンチカンの優ちゃんは、一般飼い主からのひきとりです。
元の飼い主は子猫を迎えてすぐに離婚。戻った実家では猫を飼えず、別宅に住んでいる兄弟に預けて一年ほど経った頃、優ちゃんは脱走してしまいます。10日後に警察署に拾得されましたが、左目が破裂しそうになっていてその日のうちに眼球摘出となったそうです。

右目は以前、何かにぶつかったとかで眼球摘出していたため、優ちゃんは両目を失うことになってしまいました。
兄弟の方が優ちゃんの面倒を見ることを拒んだため、眼球摘出手術から退院しても行き場所がないとのことで当会に相談がありました。
見えていたものが見えなくなり、知らない場所に連れてこられ、優ちゃんの不安は計り知れませんでしたが、当会のボランティアさんが優ちゃんを家族として迎えてくれました」

優
全盲となった優ちゃんは、ボランティアさんのおうちの子に

 

ー最後にご寄付くださる皆様にメッセージをお願いします。

 

「たくさんの方からのご支援、いつもありがとうございます。毎月のご支援に、心も支えられています。
保護する子たちの1匹1匹に、人間が関わってきた背景があり、1匹1匹に『よくここの施設に辿り着いてくれたね。頑張ってきたね。』という想いで接しています。
私たちは、いわき市の『継続できる殺処分ゼロのスタートラインに立つ』ことを目指しています。しかし、保健所や愛護センターで『ひきとり拒否』ができるようになった今、殺処分がゼロになったからと言って、地域で暮らすかわいそうな犬猫がいなくなるわけではありません。
救う人の手が必要な子たちに、躊躇なく手を差し出していけるよう、今後とも応援をどうぞよろしくお願い致します」

 

 

いわき市から殺処分ゼロに向けて活動する「特定非営利活動法人 動物愛護団体LYSTA」さんへ、寄付でご支援をお願いいたします。

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